(学園祭パンフレットより)ここでは日本産の「宇宙艦船ものSFアニメ」というカ
テゴリーで、各年代別にいくつかの作品をピックアップした。中には必ずしも艦
船が中心となっていない作品もあるが、そこは「作品中に宇宙船っぽいものが
出てきて、そこでドラマが発生している作品」ということでご理解して
いただきたい。また、該当するカテゴリーのすべての作品をピックアップした
わけではないこともあらかじめご了承いただきたい。
以下においては、1970年代から2000年代まで、30年間にわたる作品の変遷から得られた印象に基づき、古典「宇宙戦艦ヤマト」を各年代ごとに作成した場合に「どのようなテイストに仕上がるべきなのか」を検討・考察した。
「西暦2199年、地球はガミラス帝国からの遊星爆弾により滅びの道をたどりつつ
あった。地球人類は最後の希望を「宇宙戦艦ヤマト」に託し、ヤマトは遙かイス
カンダルに向けて旅立つのであった。
ヤマトは様々な試練を乗り越え、宿敵ガミラスを倒し、イスカンダルよりコス
モクリーナーを持ち帰り、地球は救われたのであった」
「西暦2199年、地球はガミラス帝国からの遊星爆弾により滅びの道をたどりつつ
あった。地球人類は最後の希望を「宇宙戦艦ヤマト」に託し、ヤマトは遙かイス
カンダルに向けて旅立つのであった。
ヤマトは様々な試練を乗り越えるが、その途上に森雪の歌の才能が開花、彼女
の歌を敵に聴かせることで敵の洗脳に成功、帝国から離反したドメル将軍を筆頭
に、ガミラス帝国を倒し、イスカンダルよりコスモクリーナーを持ち帰り、地球
は救われたのであった」
「西暦2199年、地球はガミラス帝国からの遊星爆弾により滅びの道をたどりつつ
あった。地球人類は最後の希望を「宇宙戦艦ヤマト」に託し、ヤマトは遙かイス
カンダルに向けて旅立つのであった。
ヤマトは様々な試練を乗り越えるが、「ススム、だーい好き!」と叫ぶ艦長森
雪他の女性乗組員たちが天才的な能力を発揮し、ガミラス帝国に迫る。しかし、
実はガミラス帝国はかつての地球人類の生き残りでなのあった。そこであれやこ
れやといろいろあったものの、ヤマトは無事宿敵ガミラスを倒し、イスカンダル
よりコスモクリーナーを持ち帰り、地球は救われたのであった」
「西暦2199年、地球はガミラス帝国からの遊星爆弾により滅びの道をたどりつつ
あった。地球人類は最後の希望を「宇宙戦艦ヤマト」に託し、ヤマトは遙かイス
カンダルに向けて旅立つのであった。
地球人類はほとんど滅びかかっており、子孫が生まれなくなっていた。そこで
人類はクローンなどによって優秀な乗組員を育てたが、それがなぜかほとんど全
員が女性で、乗組員の一人だけが男であった。しかも、その乗組員はクローン家
系的に皆「家族」という扱いになっており、たった一人の男性乗組員は数百名の
美少女ぞろいの女性艦員から「お兄ちゃん」として親しまれるのであった。おか
げさまで日々あんなことやこんなことの繰り返しで「そんなばかな」と叫び続け
る古代進お兄ちゃんを乗せ、ヤマトは様々な試練を乗り越え、実は美少女ばかり
だった宿敵ガミラスも倒し、やはり美少女だらけのイスカンダルよりコスモクリー
ナーを持ち帰り、やっぱり美少女ばかりが地下都市にひしめいていた地球は救わ
れたのであった。めでたしめでたし」
さて、次なる2010年代の「宇宙戦艦ヤマト」を皆様ならどう予想するだろうか。
初出 静岡大学SF研究会浜松支部 学園祭用パンフレット(2004)
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