TinyAngband日記 第1巻

若いころ?の主人公の状況図。冒険を初めて10日目でレベルは20、一時的に耐久力や魅力が劣化させられているのがわかる。経験もお金もまだ少ない。

第1週 事の発端

rogue (ローグ)の世界

 毎週末、TinyAngbandをちまちまと進めていたと思ってほしい。

 (Tiny)Angband((タイニー)アングバンド)とは、「rogueライクゲーム」の一種である。

 そもそもの「rogue(ローグ、と発音する。元の単語の意味は”悪党”、”ならず者”、”ごろつき”など)」とは、昔々、”ミニコンピュータ(今のPCと比較するとずいぶん大型なんだけど)”というものが世間に出回っていた頃に、その上で当時の学生諸君によって勝手に開発され、こっそり楽しまれていた”アドベンチャーゲーム”である。

 当時のコンピュータでは、基本的に「文字」しか表示できなかった。”美麗なグラフィック”などという概念が出現するはるか以前の時代である。そのため、ゲーム画面はすべて「文字記号」で表示されていた。

 プレーヤーは『@』という記号になって、平面ダンジョンを探索しつつ、遭遇した敵を倒していく。現在のカラフルなグラフィック表示になれた皆さんからは、味気ないゲームに見えるかもしれない。
 実際、こんな具合だった。

rogue clone(桜塚へぽぽさん作)
元祖RogueのWindows版画面 (画像はRogue Clone II) 
電脳なんでも屋さんよりゲーム自体をダウンロード可能

 しかし、実際には、これがゲームとしてとてもよくできていて面白かった。

 ダンジョンは階層に分かれていて、@はゲームが進むに連れて深く潜っていくことになるのだが、プレイするたびにダンジョンの構成や敵の配置が変化し、何回でも楽しめるように作られている。

 敵を倒すと経験値が得られて、その経験値によって自分のレベルが変わり、強くなって行く。
 ダンジョンが深くなるほど敵も強くなるため、簡単にはクリヤできない。また、時々ダンジョンに落ちている『アイテム』を活用して、生き延びる術を模索する。これも一筋縄では行かない。様々な試行錯誤の繰り返しで、少しずつ世界の理を理解していくことで、ゲームが進行して行く。
 @の成長と、プレーヤーとしての自分自身の成長とが感じられるよいゲームである。

 ただし、@は死んでしまうと”最初からやり直し”となり、死んだところからのやり直しはできない。次プレイへの引継ぎも一切ない。またゲームを始めたら、上の階や地上に戻ることはできず、ひたすら潜り続ける一方通行のゲームでもあった。このあたりは、その後のコンシュマーゲームとは一味違うシビアさをかもし出している。

#というよりは、このあたりを「ユーザ寄り」にして作られたのが、その後の各種のコンピュータRPGだと言ったほうがよいかもしれない

rogue like games

 rogueのコンセプトは秀逸であった。そのコンセプトを受け継いだゲームがたくさん開発されてきた。これらを総称して「rogue like game」と呼んだ。

 たとえば、コンシュマーゲームとしての『トルネコの大冒険』は、当時の「日本ソフトウェア大賞」(「その年度に出たすべてのソフトウェア」(!!)の中でもっともすぐれたソフトウェアを表彰している、ある意味”すごい賞”)を受賞しているくらいだ。
 rogue likeゲームである『トルネコの大冒険』にどれだけのインパクトがあったのか、この一事からわかろうというものだ。

 現在に至るまで、『○○のダンジョン』という名称の類似ソフトは数多く出現しているが、要は元ネタ(あるいは元ネタの元ネタ)はこのrogueである。
#オリジナルrogueの更なる”元ネタ”は「Dungeongs & Dragons」という話もあるようだ→*band関連補足雑記(どぐち屋様)

 さて、rogueには、世界の有志による拡張ヴァリエーションがたくさんある。
 たとえば「nethack」は謎解きを重点としたバリエーションで、これまたファンがたくさんいる。ヒントなしで最後まで行けるプレイヤーなど存在するのだろうか、という水準であるらしい(私も浅い階層をちょっとプレイしただけなので伝聞)。

Angbandとは

 その一方で、rogueの”戦闘パート”のコンセプトを拡大して作られたのが「Angband」である。

 実は、rogueは、序盤と中盤、そして最終局面に近い終盤の各々で、”戦略”を変更する必要がある。
 特に、中盤での戦闘に慣れて自分的にブイブイ言わせているその直後に、それまでの戦闘対応ではまったく勝てない敵が山のように現れてくる。ゲーム的な「地形」が変わってしまうのだ。無理やり戦おうとしても益がない。
 そこで、そこから先は、rogueは”ステルスゲーム”的に戦うことをしないと、目的である『イェンダーの魔除け』を入手して持ち帰ることなどできそうにない。そんな風にできているのだ。これもある意味とてもよくできた設定である。

TinyAngbandのゲーム的地形図。地下18階で状況が変わるため、それ以前と以後では異なる戦略を採用する必要がある。

 だが、rogueにおいて、ある意味一番わかりやすく”面白い”のは中階層の戦闘パートであるのも事実だ。工夫して戦い、敵を倒し、成長し、そしてアイテムを拾い、そのアイテムを使ってパワーアップし、という、いわゆる「RPGゲームのお約束」的な側面はすべてこの中盤に備わっている。

 そこで、オリジナルのrogueを、nethackとはまた別な側面、つまり戦闘に特化した形に拡張したのが「Angband(アングバンド)」であった。

 これは、J.R.R.トールキン教授の「指輪物語」の世界観をベースに、物語中の悪の巨大要塞である『Angband』を探検するというゲームである。
#ちなみに、物語中では本来Angbandは前哨基地で、本当は更なる本家の大要塞『Utumno』があったんじゃなかったかとは思うが、さすがにこちらはゲーム化されていないようだ。

 このAngbandというゲームは、戦闘を続けながら、地下100階という途方もない深さにいる超強い敵を倒すことが最終目標となっている(ちなみにrogueは地下26階程度)。

 ただし、階段を上がることもできるようになっていて、地上には自分の家や店もある。死んでしまえば最初から、という厳しい状況はrogueと変わらないが、プレーヤーはダンジョンに潜っては戻り、潜っては戻りを繰り返し、途中落ちている装備やお金を活用しながらゲームを進めていく。
 そのため、プレイにはかなり長い時間がかかるものとなっていた。

TinyAngbandとは

 このように、本式のAngbandは100階もある(かつ、ゲーム内でプレイヤーが管理するべきパラメータ数が膨大な)なかなか大変なゲームだった。
 一般的なソフトウェア開発でもよくあることだが、rogueというシンプルなシステムに、いろいろな要素を付け加えていったはいいが、知らずのうちにハードルが高くなり、ローグライクゲームの初心者が手を出しにくいところまで来てしまっていたようだ。

 そこで、そのAngbandを「整理整頓」してリファインした"TinyAngband(タイニーアングバンド)"が開発されるに至った。

 このTinyAngbandは、潜るダンジョンも「27階」というrogueとほぼ変わらない階層に圧縮された。プレーヤーが意識すべきパラメータ類も(オリジナルのAngbandと比べて相対的にだが)シンプルに整理されている。

 それでいて決して簡単ではなく、またプレイ感覚はrogueより楽しい。階段を上がれるし、家に帰れるので、rogueほど殺伐としていない。rogueは目的を達成するまで地上に戻れないし、nethackは地上に戻ることは可能だが、そこでゲームが終わってしまう。

 一方、TinyAngbandは(オリジナルのAngbandと同様に)、安全な地上に自宅があり、宿屋もあり、家に装備を貯めておけるし、宿屋で休めば(幻覚等の一部を除いて)体力やパラメータが回復する。その気になればタイムアタックプレイもできるし、楽しくのんびりプレイしても問題ないようにできている。

 そしてなにより、ダンジョンに落ちている宝物が楽しい。『高級品』『特別製』といったものを拾ったときのわくわく感はrogueにはないものだ。これはウイザードリーという古典ゲームの要素に近いらしい。オリジナルを知らないので自分はなんともいえないが、きっとさぞかし楽しかったことだろう。あの押井守監督が一時期はまって、最後にはそれを元にした映画(Avalon)を作ってしまうくらいには。

 ついでに言うなら、登場モンスターも、トールキン教授に作られた世界の中で出てくるモノのみに制限された。実は、オリジナルのAngbandの中には”世界観”が異なる敵がいる。「芋虫」やら「ゼラチンキューブ」などはまだしも、「天使」であるとか「メデューサ」であるとかまで出てくるとなると、いささか何か別な世界の風の匂いを感じなくもない。それが、このTinyAngbandでは(多少の例外はあるにせよ)基本的には教授の書かれた世界のモンスターやキャラクターに絞られている。これは「指輪物語」からこのゲーム世界に入ったプレーヤーにとってはうれしいことだ。

はじまり

 このTinyAngbandになんとなく興味が出た自分は、TinyAngbandのサイトからWindows版のソフトウェアをダウンロードし、起動した。
 そして、あまり考えずに、運命の導くままに(いろいろな選択肢をランダムにして)最初のキャラクターを作成した。

 こんな具合だった。

TinyAngbandのキャラクター作成画面。
これは後日あらためて行った「よく似たキャラクター」の生成画面である。ご参考までに。

 はじめての@は「ハーフオークの戦士」となった。守護神は「ウルモ」様という神様だった。

 次に、この@の名前を決めろと言われた。
 何となく心に浮かんだ「Dr.Who」という名前にした。何故この名前が浮かんできたのかは、よくわからない。そもそも、これが何のキャラクターの名前なのかも、この時はよくわかっていなかった。

 彼の年齢は15歳だった。
 妙に若いと思ったが、何分初めてのことだったので、そういうものかと理解して始めた。


 キャラクターメイクをした直後、ゲームプレイ冒頭に、神様からの指令を受けた経緯を示した一文を眺めてからプレイを始める。
 こんな文章だ。

神様からの依頼?を示す文章。
これ以降は読むことはできない。が、実質的にプレイには関係しない。
これを読むと、ハーフオークという種族はいささか微妙な立ち位置にいることがわかる。だが、この定められた戦士たる@は、あくまで神様の側に立ち、闇の軍勢に戦いを挑む姿勢を示していることがわかる。

 @は中つ国のどこかの街にいるようだった。ゴンドールとかそういう名のある町ではなく、どことも知れぬ辺境の街だ。rogueではゲーム開始段階からすでに地下にいたので、こうした経験はなかった。
 少し新鮮だった。

 そこで、この地上で@を操作した。このゲームのデフォルトの操作体系はrogueと同じく「hjkl」キーを使うものだったが、もともとrogueになじんでいたので問題はなかった。むしろ、扱いやすいと感じた。

 街中でしばらくうろうろしたり、装備を購入した後に、恐る恐る地下に潜っていった。
 久しぶりにドキドキした。

 そうして、冒険が始まった。

これまでのあらすじ

 それから時が過ぎた。

 短縮ダンジョン構成ということもあり、本来はタイムアタックで楽しむためのこのゲームだが(世界的にうまい人は2、3物理時間でクリヤするそうだ)、とりあえず自分はangband 系のゲームの始めてのプレイだったので、毎週末の晩に時間を使い、半年ほどのんびりと楽しんでいた。

#なお、通常は、このゲームの掟は『死んだら最初から』ではあるわけだが、初回のお試しプレイということもあり、それほどハードな世界観を体験したいわけでもないので、とりあえず適宜セーブファイルをバックアップし、死んだらそこから続けるという楽しみ方とした。これについてのご意見はいろいろあるとは思うけれど、この駄文は”そういう生ぬるいプレイ”の記録なのだとということで、あらかじめご了承いただきたい。

 で、それなりの時間(半年ほど)をかけて最上位の”レベル50”になった(なぜかこの手のなんとかband系のゲームは、レベルの上限が「50」に設定されているようだ)。その間に何回かは死んだような気がするが、そのたびにバックアップから復活させて今に至っている。そういうものだと思ってほしい。

 さて、行こうと思えば、ラスボスに仕掛けてもよさそうな水準の力と装備がそろった。ような気がした。
 こんな感じである。

この時期のDr.Whoのステイタス。
レベル50になってしばらくたった時期。まあ”そこそこ”の水準である。ちなみにこの頃は二刀流剣士だった。おかげで打撃精度がとても低い。
この時期のDr.Whoの各種”耐性”の状況。詳しい説明はまた後程。
当時の武器・防具装備。ほどほどに強力だが、それほどのものではない。

 とはいうものの、それはそれ、タイムアタックではないこのプレイでは、全速力でラスボスを倒すのはプレーヤーの義務というわけではない。
 当面、のんびりと適当な深さのダンジョンを探索したりお家に帰ったりしながら、未だ見ぬ伝説の宝物探しなどをしてみたいと思っていた。

 また、正直あまり深く考えずに単調な戦闘プレイばかりをしてきたため、半年を経過したとはいえ、実際にはこのゲームについて知らないことも多かった。そのあたりも含めて、もう少しこのゲームをやりこんで、この”世界”を知ってみたかった。

裸一貫の決意

 で、しばらくそうしてダンジョンを上下左右にうろうろしていたのだが、そこでふと思い立った。

 レベル50とはいえ、今のこのキャラクターの実力は、かなりの程度「装備」に依存している。もしも、これらの装備をすべて脱いで、”裸一貫”でダンジョンに潜ったとしたら、自分はどの程度戦えるのだろうか。
 どうだろうか。

 ……。

 試してみよう、と思った。
 試してみれば、わかることだ。

 そこで、自分は、キャラクターであるハーフオークの戦士のすべての装備を脱いで家にしまい、最後に宿屋で飯などを食い、あらためて1階からダンジョンに潜ってみる、という計画を立てた。

 当面のルールとしては、とりあえず、装備はまったくなく、また手ぶらで何も持たずにいく。そして、あらためてダンジョンの中で拾った物だけで生き延びてみることとする。食料も例外ではない(おそらく、ここが最も苦しくなるだろう)。

 さてどうなるだろうか。

自宅スペースの問題

 まずは、現在装備しているアイテムや持ち物を自宅に置こうとしたのだが…すでにこれが問題であった。

 いろいろなものがありすぎて、すでに自宅に物が置けないのである。このゲームは、自宅も相当に広く、いろいろなアイテムが置けるように設定されている。100個(種類)程度は溜めて置ける。

 しかし、それ以上にこのゲームに出てくるアイテムは豊富なのである。使うか使わないかわからないガラクタや、あるいは状況によっては出番があるかもしれない武器や防具、最終決戦専用アイテムなど、いろいろなものを”とっておきたくなる”のである。

 もちろん不要なモノは地上の「店」に売り飛ばしてお金に換えることもできる。しかし、戦闘には使わないけれども売るには惜しい、という”記念品的なアイテム”も数多い。

 たとえば、指輪物語中での強敵である”指輪の幽鬼”ナズグルさんの指輪も、これまでのプレイで9人のナズグルさんたちをタイマンで全員ぶちのめして(その程度にはこの@は強い)きちんと9つ回収してある。自宅の収納スペースが足りないし、呪われているし、基本的に役に立たない代物なので捨ててもよいのだが、せっかくなので、なんとなく飾ってある。
 いずれサウロン先生に戦いを挑むときに、これらの指輪を彼の目の前にぽとぽと落として挑発するというのも面白いかもしれない。「幽鬼のことか〜(激怒)』とか言ってくれないだろうか。

 仕方なく、これを解決するために、自宅に置かれていた”不要な物品”を叩き売ることとした。宝冠とか、宝冠とか。そして宝冠とか。あまり考えずに美術商に持っていく。宝石のついた冠ということもあり、とりあえずはそこそこのお値段で買っていただけるようだ。ありがたい。

 ということで、いろいろなものを売り飛ばし、何とか自宅にスペースを作ることが出来た。

耐性パラメータ

 さて、自宅ですべての装備を取り外し、裸になってみた。もしかしたらデフォルトでパンツくらいは履いているかもしれないが、そのあたりは適宜想像で補っていただきたい。これはもともとそういうゲームである。

 とりあえず、素っ裸でもアーマークラス(防御力を示す数値。以下"AC")は6ほどある(このゲームでは数値が高いほど硬い)。硬い皮膚らしい。きっと塩でも擦りこんだのだろう。


TinyAngbandの基本画面。左側が主人公の状況を示す。上から順に、種族、職業、通称、レベル、経験値、財産、6つの身体パラメータ、アーマークラス(防御力)、ヒットポイント(生命力)、現在のヒットポイント状況(現在異常なし)、ゲーム開始からのゲーム内時間 である
右側は主人公が現在いる地形を示す。現在は地上の街にいる。

 また、耐火炎と耐恐怖と耐暗黒と耐轟音、そして急回復の機能はすでに自力で備えているようだ。この@、なかなかやりおる。


各種耐性や機能を表示するモード画面。左の一列が「耐性」中央から右が「機能」

 ところで、この”耐○○”とはなんだろうか。

 このゲームでは、プレイヤーは上記に見える@の30個程度(!)のパラメータを気にする必要がある(これでもAngbadに比べればかなりシンプルになっている)。その中でも、特に様々な種類の攻撃に対する”耐性”は、@が生き延びるためには重要な概念だ。各々は独立しており、性質として重複や相関はしない(ように見える)。

 もっとも良く見られるのが”酸”・”火”・”冷気”・”電撃”の4元素と呼ばれる攻撃である。これらは読んで字のごとく、酸と火と冷気と電撃を利用しての攻撃で、これらの耐性がないとものすごい勢いでヒットポイント(いわゆる「生命力」で、ダメージを受けてこの値が0を割り込むと死んでしまう、以下"HP")が削られてしまう。

 また、他にも”恐怖”・”轟音”・”地獄”・”麻痺”・”生命力吸収”・”暗黒”といった得体の知れない攻撃があり、これらに対する耐性(「上位耐性」と呼ぶそうだ)がないと、状態異常や、最悪の場合にはまったく身動きがとれなくなり、なすすべもなく頓死ということもある(特に”麻痺”攻撃)。

 他にもいろいろと考えるべきことはあるのだが、とりあえずこの@は、火への耐性と恐怖への耐性、そして暗黒と轟音への耐性は、特に装備がなくともすでに持っているということになる。これだけでもかなりありがたい。後は、残りを拾った装備でいかに埋めていくのか、というところが問題になる。


 さて、とりあえず宿屋に出向き、一泊した。このゲームは金を持たないということができないので、これまで稼いできた700万$ほどのお金を常に懐に持ったままだ。とはいえ、食べ物や回復薬、巻物などの”お買い物”は当座はしないようにした。そこで、飯を食い、腹を満たしておいて、おもむろにダンジョンの1階に突撃することとした。

 なお、この一連の行動中にも、街のおまわりさんに捕まるということもなかったので(そんな人がいるのかどうかはわからないが)裸とはいえ、実はこの世界においてはそれほど非社会的なスタイルではなかったのだろうと推測される。


 さて、とりあえず地下に入ってみよう。

はじめてのたんけん(2回目)

光あれ?

 さて、街の中央にあるダンジョンの入り口から地下に入った。
 まずは地下1階である。


暗闇で一人惑う@の図。灯がないため周囲が何も見えない。

 入ったはよいものの、まず何も見えない。あれ、こんなだったっけ?

 基本中の基本として、このゲームでは、『灯』がないと周囲が何も見えない。はじめのうちは、『松明』や『ランタン』を利用する。普通はこれらは地上の雑貨屋に安価で売られているので、それを利用する。そのうちプレイが進むと、”光源機能”を持った装備を入手できることが多い。それを装備して、周囲を見ることができる。他にもいくつかのツールで光を出すことができれば、それをもってダンジョンの中を照らすこともできる(『光のスタッフ』『イルミネーションのロッド』など)。


 しかし、今は@は光源を何も持っていない。光源として利用できる装備を拾うまでは、暗闇の中で戦うことになる。ほぼ手探りで戦っているようなもので、とてもやりにくい。

 普段当たり前のように使っていて、あまり気にしていなかった『光源』のありがたみが身にしみる。

鑑定する心

 などとうろたえつつ、うろうろした。うろうろしているうちに近寄ってきた敵モンスター「コウモリ」は、素手で一撃で葬り去った。強いぞ。さすが肉体はレベル50だ。

 ダンジョン内に落ちていた『革グローブ』を拾う。しばらく持って動いていると”並”という評価が@の心の内側から湧き上がってきたことが、画面上部のログに表示された。

 一般的に、rogueライクゲームでは、落ちているアイテム類は、当初はその正体がわからない。実際に使ってみたり、あるいはその正体を明らかにする作業が必要になる。しかも、その正体はプレイする毎(このゲームの場合には@単位)に変化するので、外見を覚えておいても意味がない。いかなるアイテムも、毎回毎回正体を確認する作業が必要になる。

 こと、このangbandにおいては、”鑑定”という行為を行なうことで、正体がわかるという算段になっている。一般的に、この”鑑定”技能には専用アイテムが必要となる。『鑑定の巻物』や『鑑定のスタッフ』、『鑑定のロッド』といった道具類である。
 この”通常鑑定”では、そのアイテムの名前と大まかな性能・機能を知ることができる。

 そして、さらに、そのアイテムの”真の名前とすべての能力”を知るためには、さらにグレードが上位の「*鑑定*」という行為を行う必要がある。

#なお、歴史的に、rogue like系のゲームでは、”*”に囲まれた用語には特別な意味がある。たとえば、通常の戦闘に勝つことを「勝利」と呼ぶが、ラスボスを倒しての最終的なゲームクリアを「*勝利*」と称するなどである

 この場合、*鑑定*とは、とてもお高い(今の@では1巻が1300$)『*鑑定*の巻物』を使って行う必要がある(これについては『スタッフ』や『ロッド』は存在しないようだ)。

 この*鑑定*をしないと、そのアイテムの詳細な機能が明らかにならず、明らかにならないうちは、その機能自体が実際に顕現しない?印象を受けている。なので、高級品(以上)のアイテムを拾った場合、特に神様が作られた特別製のアイテムである『アーティファクト』を入手した場合には、かならずこの*鑑定*行為を行う必要があるのだ。

#ちなみに、店頭で売られているアイテム類は『アーティファクト』を含めてすべて*鑑定*済みである

 ということで、このゲームでは、アイテムの正体を知るのにも結構なお金がかかるのだ。

 ただし、この@には最初から”簡易鑑定”という能力が備わっている(すべての@というわけではないようだ。”(ハーフオークの?)戦士”の特徴かもしれない)。

 これは、とりあえずそのアイテムを拾って”保有(装備しなくても良い)”してしばらくすると、そのアイテムが”呪われている”のかいないのか、あるいは”どの程度の品質のものなのか”という程度の内容が知覚できるという能力である。これはこれでありがたい。

 ちなみに、rogue like game全般の特徴だが、うっかり”呪われたアイテム”を装備してしまうと、何らかの手段で「呪いを解く」まではその装備を脱いだり落としたりすることができない。概して呪いを解くためにもお金がかかるので、初期段階では要注意である。


 ということで、”並”の評価となった『革グローブ』だが、裸よりはましだろう。まずは装備してみよう。

 結果として「裸にグローブのみ」というマニアックな装備となった。

 あなたがもしその気なら、15歳男子のハーフオークの若者(多分筋肉ムキムキで、体には戦いでできた無数の傷がある)が、真っ裸で両手に革グローブのみを装備して暗闇で仁王立ちしているところをイメージしてみよう。どうだろう。想像できただろうか。暗闇だからわかんないか。まあそうだよね。

 ともあれ、これでアーマークラスは1プラスされて+8である。微々たるものではあるが、前進と言えよう。

 この@のなんとも凄い点は、特に何の装備もないのに、レベル50の腕力ゆえ?なのか、ほぼ素手でダンジョンの壁を掘り進めることである。この15歳はすごい。年例的にはバキに出てきた若い頃の花山薫というべきか。あるいは「素手で穴を掘り進める」という面では、アメリカ人の某海王を髣髴とさせるところもある。
 …ということは、これからろくな目にあわないのか。キャンディ〜?

上質!

 しばらくすると、いくつかの物品を拾うが、概して呪われていることが判明する。1階ってこんなところだったか?

 と、そこでなんとか『並のショートソード』と『上質のクローク』を拾う。ちなみに、”上質”というのは、各種の機能に対して、幾分かの上方修正が加わっているアイテムである。武器であれば、命中精度の修正と打撃力の修正となる。しかし、それほど大きな向上ではない。

 さらに良いものには”高級品(特殊機能のあるアイテム:通称『エゴアイテム』)”、あるいは”特別製(主として神様からもたらされる☆や★の印があるアイテム:通称『アーティファクト』)”といったカテゴリーがある。

 とはいえ、この”まったく何もない”現状では、並だろうがなんだろうが贅沢を言えるものではない。早速装備する。

 その結果、アーマークラスは「9」に上昇した。鑑定できないといつまでもこんなものなのだろうか。この世界の物品は、鑑定しないと正体がわからないだけでなく、なぜか効力も有効にならないような気がする(気のせいかもしれない)。攻撃力は若干上がった。


 しばしうろうろするうちに、腹が減って衰弱状態に。
 これはいかん。あわてて地上に上がり、宿屋で飯を食って寝る。
 どうなんだこれ。

空腹死

 とりあえずまた1Fから潜る。すると、2階付近で高級品の『スピア』を拾う(正式な鑑定はしていないので正体は不明)。一気に打撃の与ダメージが150まで上がる。なんだろうこれ。良くわからんが、望ましい状況ではある。しかし、飯がないのでどうしようもないし、光源である『ランタン』などが拾えないとさらに辛い。そして腹が減ったのでまた地上に戻る。

 次に潜ると、1Fで突然『爆発の薬』を見つけた。別名「ニトロ・グリセリン」なんだそうだ。
 これ、実はとてもレアな”薬”である。本当なら地下20階程度にならないと見つからない。それが、入って早々の地下1階なんかに転がっている。なんか妙な感じである。とりあえず持ち帰ろう。まだ使ったことがないけど、いつか誰かにぶつけてみたい。ちなみに、自分で飲むとダメージ500だそうだ。ほぼ死にそうだ。これ、何のためにある”薬”なんだろう?

 気がついたら麻痺していたり(1階から”麻痺攻撃”のモンスターが出現するなど普通はない。生きて逃れられたのは僥倖だ)、盲目になっていたりしたが、とりあえず基礎体力の良さと、1Fなので何とかなったようだ。しかし、1階から大変だな。このゲーム、こんなにしんどいものだったっけ?
 改めて感心する。

 武器や防具の”何か”を拾ってみたのだが、鑑定出来ないのでいかんともし難い。簡易鑑定で『上質の軟革よろい』と出てきた防具を装備してみたら、アーマークラスが17まで上昇した。嬉しい。敵の攻撃で「耐久力」と「魅力」は落ちたままであるが、これはしょうがないだろう。

 この肉体のレベルだと、低階層では戦闘自体は楽勝である。問題は飯だ。あとは鑑定の巻物などが落ちていないことには仕方がない。そして、それらが落ちているのはもう少し深い階層であるようだ。仕方なく、戻れる保証がないのに無理に3階、4階と潜らざるを得ない。店でモノを買わないというこのプレイの制約上、これは仕方がない。


 そして、しばらくして、無理をして4階に潜っていたところで、食物が尽きて死んだ。腹が減ってきたところで戻ろうとしたのだが、地上までの階段を最後まで登りきることができなかった。ランタンもなく、暗闇の中で、あらかじめ死ぬとわかっていて、きちんと死んだ。

 なんだかrogueをやっているような気分になった。むしろ、あちらは必ず「3の倍数階」には食料が落ちているわけなので、そうした設定がないこのTinyAngbandにおいては、結果的には一層厳しい戦いとなってしまった。

人生一年生

巻き戻し

 これはどうしたものか。いかんともしがたし。

 とりあえず、時間を戻し、真っ裸になるところからもう一度やってみようと思う。


 再度地下に潜る。

 と、今度はすぐに1階でいきなり『帰還のロッド』を拾い上げた。これは、振るとその場から地上に一気に帰還できるありがたいアイテムだ。しかも”ロッド”は使った後に時間経過で魔力が自動補充されるので、お金がかからず、かつ恒久的に利用できる。

 この便利アイテムも、普通は地下20階近くになってやっと出てくる代物だ。しかもレア度はほどほどに高いはずである。
 何だこりゃ。どういうことなの?


 こちらが想定していた手順としては、最初に『召還の巻物(読んだ場所から地上に一気にテレポートできる)』を拾って、それを大事に使い続けて潜っていくのだろうと思っていたのだが、なんで突然1階で『帰還のロッド』なんだろう。まあいいや。これも運ということか。


 あれ、今度は『ランタン』が落ちているぞ。これが一般的な光源だ。普通は店で買う。また、このランタンを継続的に使うためには、燃料である『油つぼ』が必要になるのだが、その『油つぼ』もあたりにごろごろしていた。ラッキー。神様ありがとう。

 ということで、今回は何とかなりそうな気がしてきた。
 これはこれで運が良すぎるという気もするが。

 以降は、とりあえずもぐれるところまでもぐって、空腹になったら『帰還のロッド』を振るの繰り返しとなった。おまけにしばらく行くと、食料類が割と落ちているようになり、また『遅消化のアミュレット(腹の減り具合が遅くなる)』も何とか入手したので、当面食糧問題は解決してしまった。なーんだ。

#個人的に、低階層で食料がほとんど落ちていないのはバランス面でどうかと思う。もっとも、これは通常であれば地上の雑貨屋で安価に購入するものではあるので、本来は問題にならないはずなのだった

 これはこれで、なんというか、微妙な感じである。途中で『召還の詔の巻物』を見つけてもぜんぜん嬉しくもないし、また深く潜ってもあまり緊迫感がない。


 …まあいいか。


 とりあえず、拾った装備を次々と取り替えて、『高級品』や『特別製』ではない、単なる『上質装備』の嬉しさというのを久々に味わったりもしていた。いいよね、命中精度+5とか打撃力+7とか(推測)。心が温まる。
 武器の精度と打撃力を強化してくれる『武器強化の巻物』もことのほか嬉しく感じる。遠距離武器も、打撃力+7くらいの少しよい『普通のクロスボウ』を入手し、それに加えて『普通のクロスボウの矢』を20本ほど手に入れたので、そこそこ使える。

 そうだ、これが幸せってものだ。”特別製”や”高級品”ばかりが人生ではない。

 この@はハーフオークの戦士ということで、生まれつきの不器用さが半端ないためか、この状態で本攻略と同じ”二刀流”にすると命中率が極端に低くなることが判明した。仕方なく、片手に武器、片手に盾という戦士の標準スタイルとなった。これはこれでいいのかもしれない。いい盾を拾ったらさらに硬くなりそうだ。そうか、こういうのもあるのか(孤独のグルメ調に)。

 また、溶岩の地形で浮遊抜きで直接歩いてみたら、あっという間に体力が半減以下となった。足が大火傷である。すぐに回復するとはいえ、これはさすがにまずい。ということで、浮遊機能のある装備が必須になったのだが、幸いにもたまたま拾った未鑑定の『浮遊の指輪』が呪われていなかったらしく、無事に浮くことができた。ここは賭けに勝ったといえよう(もっとも『浮遊の指輪』はなぜかほとんど呪われていないのだが)。

 この段階で10階以降に突入していたのだが、必須の『耐麻痺の指輪』を拾ってもう片方の手につけていた。おかげでせっかく拾った『スピードの指輪+4』が半端に浮いている。売り飛ばすか? このルールだと金に代えてもそんなに使えないけど。ちなみに、『スピードの指輪』はどんなものでも店の最高値で売れる。具体的には3万$で。なかなかの収入になったりするのでありがたい。

ヒーリングと鑑定

 途中、理由はわからないままに、各種能力値が異様に低下し、拾った薬をいくつか飲んでも治らなかったので、仕方なく地上にいるときにヒーリングを受けた(どうやらこれは見えない「幽霊」の類に触れられたためらしい)。

 これは俺ルール的には微妙なのだが、あまりに酷い状況だったので仕方ないものとした。6回攻撃して平均ダメージが50以下というのは、このプレイにしてもどうかしている。普通にプレイしている限りでは治せそうにない。

 また、地上ではワンドやスタッフ類は充電しても良いこととした(ここでかかる金は仕方ないと考えた)。

 これは主として光源問題のためである。定番の”永久光源”は以前の自分が拾ってしまって自宅に置いているので、ほとんど光源自体が出てこないことによる。このため『光のスタッフ』等を代用品にせざるを得ない。一般光源は『ランタン』と『油つぼ』に頼ることになるが、拾った物だけで行けるのかどうか。幸いに、ある階でまとめて5つほどの油壺を拾ったので、それでしばらくは繋いでいけるだろう。ブレスで光のスタッフが焼かれてしまうと苦しくなりそうだ。銘でも刻んでおくか(→やってない)。

 あとは、地上に戻ってきたときに1回だけ店舗で”全鑑定”をした。これもまた甘甘のルールなのだが、鑑定関係の巻物やスタッフがなぜかまったく出てこなかったため、あまりに正体不明の物が増えすぎて、売るにも売れずに困ったのでこのようにした。呪われた品を店主に売りつけて地団太を踏ませるというのもそれはそれで面白かったのだが、面倒になった。


 ちなみに、このTinyAngbandでは、落ちている薬類や巻物類については「ネガティブな効果を持つモノ」があまりない。ほとんどのアイテムは、まずは試してみることができる。このあたりは、やばい薬や巻物がたくさん落ちていて慎重な扱いを強いられるrogueとはずいぶん違う。例外は、先に出てきた『爆発の薬』と、状況によっては『肉体狂戦士化の薬』くらいだろう(こちらは体力的には強化されるため、それほどのデメリットはない。問題は、この薬が効いている間は巻物が読めなくなるくらいだろうか)。

 なので、鑑定道具を使うのはもちろん、拾って自分で試すことでわかるアイテムもあり(でもすぐには分からないものも多いのだが)、あるいは拾ったアイテムを店に売り飛ばすことでも完全な鑑定が可能になる(ただしその場合には、万一とてつもない神アイテムだった場合に取り返しがつかなくなる危険がある)。


 なお、このプレイはすでにレベル50に到達した@であるため、大半の巻物・薬品類についてはすでに知識を持った状態である。ただ、装備類については拾うたびに鑑定をしなければ正体が分からない。これが本当の意味での「プレイ開始」であれば、巻物や薬品の類も含めたあらゆるアイテムを鑑定しつつ進めなければいけない。これはこれで割と大変なのだった。

無価値の価値

 途中『無価値の靴』を拾った。以前拾ったときには意味もわからず捨てていただのが、先日、実はこれが”呪われた高級品(以上)”だと知ったので、とりあえずこれの呪いを解くことを目標として進めることにした。『解呪の巻物』か『解呪のスタッフ』を拾えたら装備してみよう。もっとも、その前に『鑑定の巻物』か『鑑定のスタッフ』が出てこないと話にならないのだが。

新しい冒険

 そして、そんなこんなで、手持ちの持ち物の”インベントリ(冒険中の@の持ち物を入れておくスペース。20項目程度しかない)”が常に8割方埋まっているのはどうかという感じだ。

 加速0の現在では、『スピードの薬』(一時的に速度を+10してくれる薬。かなり大事)は重宝するし、熱や冷気に対する『耐性の薬』はドラゴン相手にたぶん必要になるだろうと思われるので常に拾っている。『ヒーローの薬』(勇気が出て恐怖に犯されなくなり、かつ打撃精度が若干上がる)も同様である。

 また、実は貴重な祝福系のアイテムである『聖唱歌』『聖預言』の巻物類(こちらも打撃精度が上がったり、敵の攻撃が当たりにくくなったりする)が浅い階層でもちまちまと落ちているので、それはそれで本攻略のために拾っておく。『テレポートの巻物』も今回の戦いではまじめに必須になっている。『ドア・階段感知の巻物』や『魔法の地図の巻物』もないと困る。

 となると、ほとんどインベントリが余らない。戦闘関係のワンド・スタッフ類はほとんど無視して、武器強化・防具強化などの有効な巻物は拾いもせずに地面にある段階で唱えて使ってしまっているのだが、それでも拾える物はほとんどない。

 この状況で、以前と同じく、20階程度の階層まで普通に戦える装備を用意できるだろうか。
 ここからが本当の冒険のはじまりである。


 この行為というのは、”オーバーロード”という作品で、本来は超絶強い主人公が、あらためてそこそこの弱装備と不慣れな職業で世間を旅しているのに似ていると思った。世間を舐めているというのとは少し違うのだが、なんとも難しい。

 そういえば、現在の自分の社会的立場は”君主”となっていた。ということは、このプレイは本当は王様その人がその身分を隠して市井?の様子を伺っているのに等しいのかもしれない。別名”暴れん坊将軍プレイ”とでも名づけよう。


 第1週目はこんなところで終わった。

第2週 短めの探索

 第2週。いきなりだが、時間がなく、とりあえず1回だけ潜る。

 地下10階付近を攻めている。

 しばらくいったらようやく『鑑定のスタッフ』が落ちていた(より低レベルの『鑑定の巻物』よりも先なのは不思議)ので、件の無価値の一品を鑑定してみたところ、残念ながら『騒音の靴』であった。即座に捨てる。捨てたら自動的に壊す。ううむ。
 実はもしかしたら、呪いを解いたら反対方向のベクトルが復活して、隠密行動がとれるようになったりするのかしら。もう遅いけど。
#追記:そういうわけでもなさそうだったので、破壊で正解だったようだ

 と、がっかりしたのもつかの間、転がっていたショートソードが”高級品”と出た。早速鑑定してみると 『デーモンスレイヤーのショートソード』
とあった。ありがたいことに、耐火炎機能と透明視認機能が備わっていた。これは嬉しい。

 これまでのメイン装備であった『上質バトルアックス』と打撃力はそれほど変わらないものの、副次機能がいくつかついていてとてもありがたい。これまでよくわからないままに何かに触れられては各種能力が低下していたような気もするので、透明なモンスターであるゴーストを”見る”ことができるのはとても助かる。これで少し楽になった。

 引き続いて、いろいろな敵と戦っていくわけだが、どういうわけか、戦いが終わってみるといろいろな装備が呪われている。地味に厳しい。能力もげそげそと削られており、なかなか各種復帰の薬が手に入らない。仕方なく、呪われて能力も低下したままに戦い続ける。

光とアリと酸のブレスと

 ちまちまと地下13階まで進んでいる。

『鑑定のスタッフ』は当然として、それ以上に『光のスタッフ』がありがたかった。部屋全体を照らしてくれるアイテムは、何であれとても助かる。これがないと、すべての部屋を手さぐりに近い状態で隅々まで歩く羽目に陥るからだ。これは便利なアイテムだったのだなあ。

 と、しばらくしてアリと遭遇して、『光のスタッフ』は酸のブレスにさらされて消えてしまった。これは悲しい。またどこかでお会いしたい。というか、こんなことなら、さっきもう一本落ちてたのを無視せずに拾っておくのだった。アリさんめ、許さん。大事な『スピードの薬』も壊しおって。中階層はこういったことが頻発するから嫌だ。

『アイスボールのロッド』と『聖預言の巻物』を拾い、これらは本攻略に向けて持ち帰ることにした。これはこれでまた地味な作業である。

 途中『鑑定のスタッフ』を使い潰したが、幸いにも『魔力充填の巻物』である程度復活した。この巻物も、本来なら自宅に持ち帰って貯蓄する対象の巻物だが、これは仕方がない。

俊敏!?

 そうこうしている内に『俊敏のセスタス』なるモノを拾った。何かが+4されるらしい。見たところ、特に他の特性は付加されていないので、名前からおそらくスピード?かと思われるのだが、良くわからなかった。
#これは後から誤りと判明した。『俊敏の○○』は”器用さ”に寄与するアイテムらしい。良く調べて見たら、無鑑定の状態でもたしかに”器用さ”に+4されていた

 さて、手持ちインベントリが一杯になったため、地上に出て病気を治してもらい、また『解呪の巻物』を一つ買って(結局使わなかったスピードの指輪+4を一つ売り飛ばしたら3万金になったのでこの辺はよしとしたい)一度にすべての呪いを解いた。

 とはいえ、劣化した上質装備が戻るわけでもなく、劣化しない特別製の装備がほぼ入手できない現状では、とりあえず装備を毎度毎度磨り潰しながら潜るしかなさそうである。消耗戦だ。ACはとりあえず50程度でうろうろしている。とはいえ、地味に伸びているのは確かだ。

 また、そろそろランタンの燃料である『油つぼ』が消費されつつあり、そうなるとまた地味に『油つぼ』を探しに1Fからやり直さなくてはいけないのかもしれない(このアイテムは低階層でよく落ちているため)。これはこれで、なんだかなんともいえない。買い物をしないとなると、こういうところが辛い。これもどうしたものか。

貨幣価値

 ちなみに、このゲーム内の貨幣価値だが、西暦2020年前後の日本円に換算して、1$=200円〜300円前後ではないかと思われた。

 その根拠は、売られている食料品の価格にある(下図)。通常の食料はレーションひとつが3$となっている。これで@はほぼ半日程度動けるわけなので、日常的な意味での『一食』とみなしてよいだろう。現在、大人の男性がコンビニで飯を買った場合に、一食600-900円程度かかることを考えると、それが3$程度に相当するというわけだ。

雑貨屋に売られている品物の一例
一般的な雑貨屋の店頭例 なお、実はこれはゲーム開始直後の画像(発掘した過去のデータファイルからの再作成)なので手持ちのお金がまだ少ない。

まとめ

 ともあれ、2週目はこんなところで終わった。

 存外厳しいものだ。これまでの”自分自身の力”というものは実に弱く、装備によって助けられていたのだということを痛感する。『それがお前の実力だと思うな。そのモビルスーツの性能のおかげなのだぞ』という感じのランバ・ラル先生のお言葉が心に響く。あれは決して負け惜しみじゃないのだ。確かに、これまでの戦いというものは、自分の実力ではなく、あれらの装備の力で勝たせてもらっていたのだ。ここまでの戦いで、それがよく分かる。

#…もっとも、実際にはアムロは”あれ”が実力で、最終的にはむしろガンダムの性能の方が足を引っ張るようになるのだが…。まあどうでもいいことである。

 ちなみに、こういうプレイばかりして、いつまでも最後のラスボスを倒しに行かないというのは、5人いたはずのイスタリの中で3名が任務を放棄したという記述を思い出す。もし自分がイスタリであったなら、まさに今の自分は「任務を放棄してい遊び呆けている」ということになりそうだ。いや、一応目の前の敵と戦ってはいますけど。

 とはいうものの、使命を帯びて海を渡ってきた魔法使いと違って、自分のような頭の悪いぼんくらハーフオークには世界を救う義務は本来ないはずであろう。

 実際、このゲーム世界内では、サウロンさんとかモルゴスさん等が”世界に迷惑をかけている”という描写があまりない。むしろ、私の方が勝手にあちらさんのテリトリーであるダンジョンに潜って行き、出会った相手に一方的に喧嘩を売りまくっているわけなので、この世間的にはどちらが『悪』なのかは定かではないのだった。

第3週 はじめてのたからもの

高級品!

 じわじわと第3週目である。

 とりあえず『油つぼ』を求めてあらためて1階から潜る。こういうときに限ってなかなか見つからない。仕方なく、食料と『鑑定のスタッフ』を消費しつつ潜っていく。

 今一つインパクトがない状況が続く。『鑑定のスタッフ』の消費が早く、仕方なく、一度所持して簡易鑑定をかけてから、必要なものだけをスタッフで鑑定することとした。なに”上質”だって?捨て捨て(傲慢な姿勢)。

 と、あるところで拾った『鎧』を担いでしばらくしたところで、簡易鑑定が”高級品”と出る。
 やった!

『鑑定のスタッフ』で正式鑑定すると、これが
『耐性の鎧』
と出た。装備してみると、基本4耐性(酸、火、冷気、電撃)について耐性がついた。ありがたい。これで、むやみに大ダメージを食らうことはなくなりそうだ。助かります。
 早速装備する。

 その後うろうろしていると、『トラップ感知のロッド』をなぜか何本も拾う。さらに、『ドア・階段感知のロッド』も同じく何本も拾う。なんだろう不思議。とりあえず、ロッドを振りつつ進む。あそーれ、そーれ。

 またしばらく行くと、今度は『イルミネーションのロッド』を拾う。このロッドは、『光のスタッフ』の上位バージョンと言ってもよいもので、これを振るだけで広い場所が一気に見通せるようになる。しかも、時間がたつと自動的に充填されるので、何回でも使える優れモノだ。おお、これはうれしいぞ。

 実は、今までこのロッドの使い方が理解できていなかったのだが、未だにテレパシーや永久光源が手に入らないこの”暴れん坊将軍プレイ”でやっと意味がわかってきた。これは実に便利だ。

 実は、このゲームは敵の攻撃等によって手持ちのアイテムが破壊されたり消失させられることがある。たとえば、巻物は火の攻撃で燃やされるし、薬は冷気の攻撃で割られてしまう。また、防具は酸の攻撃で劣化させられてしまう。

『スタッフ』という”魔法の杖”も、例外ではない。火の攻撃で燃やされたりすることもあるようだ。

 ところが、同じ魔法の杖の類でも、最上級の『ロッド』類は焼けたり折れたりして無くなるということがない。ので、敵の攻撃等によって燃えて消失してしまう危険がある『光のスタッフ』に頼らなくてもよくなるというのは大きい。ついでに、このロッドは充電期間も短く、実践で”使える道具”であるとわかってきた。

特別製!

 さらに潜りつついくと、なんと出ました『特別製』の鎧!やったね!こうでなくっちゃ。
 鑑定してみると、『☆硬革鎧『ヴォロロド』』であった。

 このプレイに入ってから☆装備(アーティファクト)は初めてである。

 こうした☆がついた装備装備は、毎回のプレイでランダムに出てくる神様からの賜り物である。この種の装備は、一般的に通常装備よりも高い機能を備えている。武器ならば攻撃力がひときわ大きく、防具ならば防御力がとても高い。

 また副次機能としての”耐性”や”能力”の数も多い。浮遊機能を持った鋭い剣や、危険に対する警告機能を持った加速つきの弓など、複数の機能を備えていることもある。これはとても便利だ。

 そして、なによりも酸や冷気、炎や電撃などの攻撃では劣化しないのだ。
 なんとありがたいことでしょう。

 なお、『ヴォロロド』という名前に深い意味はなく、プログラム側が適当につけているらしい。

 ちなみに、★のマークがついた装備については本家”指輪物語”からの由来があるため、固有名詞扱いであり、どのプレイでも必ず同じ名称になる。

銘を刻む

 なお、装備には”銘を刻む”という行為ができる。

 これは、単にその装備に名前をつけるという意味だけでなく、若干の効能をもたらす。

 簡単には、"%all"という銘を刻むと、インベントリ上でその装備の各種機能をすべて表示してくれるのだ。

 しかし、この『☆ヴォロロド』さんを、その%allの銘を刻んで装備してみても、何が変わっているのか良くわからない。

 これはやはり、きちんと*鑑定*しないと効果がはっきりしないものなのだろうか。
 とりあえずマイナスにはならないだろうと推測して装備しているのだが、効果がさっぱりわからない。『耐性の鎧』に戻した方が良いのかもしれない、と思いつつ、なんとなくありがたいので、しばらくそのままである。まあ☆装備なので、酸の攻撃などでも劣化しないのはありがたいことではありますまいか。
 一方、単なる”高級品”の『俊敏のセスタス』は、アリさんの攻撃でだばだばと劣化してしまい、残念ながら一部の数値はマイナスになっているので、悲しいのだ。

 それでも外せないのは、それに換わるものが未だに入手できていないことによる。


 深くなっていくと、いろいろと拾える物も出てきた。今度は『高級品のバトルアックス』である。

 鑑定してみると
『妖精のバトルアックス』
と出た。なんだ、これ。
 実は『妖精の○○』は本プレイでも見たことがなく、初見である。どういうものなのだろう。


 ということで、早速二刀流で装備した。攻撃力は正直並程度だが、浮遊と、魔法道具と、遅消化と、スピード+1と、なんと”永久光源機能”がついてきた。これは驚いた。こういうのもあるのかアゲインである。

 これにより、『ランタン』と『油つぼ』を求める旅はこれで終焉を向かえた。このおかげで『浮遊の指輪』もいらなくなったので、『腕力+3』の指輪に変え、また『遅消化のアミュレット』も不要になったので『能力保持のアミュレット』に変えた。これでまたかなり楽になったといえよう。

 こういう装備交換で工夫をするのも、このゲームの楽しいところである。

 また、光源のところは完全に空いてしまったが、これは何で埋めるべきなのだろうか?まだ拾える特別製の光源があるだろうか?それとも、どこかで『ランタン』を拾ったらとりあえずは装備しておきなさいってことなのか。

獲得の巻物

 さらに、ありがたいことに『獲得の巻物(高級品以上をゲットできる巻物)』を拾った。19階である。深さは十分であろう(後述)。期待しつつ読んでみたところ、天空から足元に
『耐酸のドラゴンシールド』
が転がってきた。

 悩ましい。

 今の僕は二刀流なんだよ。付帯機能のついた高級品の武器を二つとも装備していないといろいろ大変なんだよ。いくら良いものでも盾を持つことはできないんだよ。今のところは。

 ということで、残念ながらその場に置き去った。悲しい思い出である。これよりも、どちらかといえば『アシッドボールのロッド』の方が大切なんだ。いや、もっと言えば『聖唱歌の巻物』の方が後のことを考えるとずっと大事なんだ、安いんだけど、これなかなか売って無いから、と心の中で叫びつつ現場を去る。

#とはいえ、この後アリに苦労させられるわけなので、この耐酸シールドは持っていても良かったのかもしれないなあ、と思うのだが、この時はそんなことを考える余裕がなかった

#さらに後日気がついたところでは、一般的に『ドラゴンなんとか』は、通常の機能に加えて何らかの追加機能を持っていることがわかった。ということは、このシールドをその場で装備して、きちんとステイタス確認をしていれば、もしかしたらこの後の戦い方が変わっていた可能性もあった。未熟であったと反省しきりだ。

鑑定のロッド

 しばらくして、なんと『鑑定のロッド』を拾い上げる。

 これは、『鑑定のスタッフ』のロッド版である。鑑定回数は1回だけだが、しばらくすると自動回復するので、何本か抱えていると、事実上無制限に鑑定が可能になるというありがたいアイテムである。

 正規プレイの中ではすでに9本拾っているが、この裸、もとい暴れん坊将軍プレイでは始めてである。これはどちらのプレイ面でもありがたい。『鑑定のスタッフ』がなくなっても、最悪これでしのげる。先にロッドを振って鑑定しておいて、ロッドの回復前に必要な品が出てきたら拾った『鑑定のスタッフ』で、という使い方になる。『妖精のバトルアックス』が魔法道具利用の特性を持っているせいか、どのロッドも充電がそこそこ早く、成功率も高い気がする。気のせいかもしれないが。

『殺戮のクロスボウの矢』も20本ほど拾った。早速、先日学んだ”=g”の銘を刻んだ。これは便利だ。射撃の後に地面に落ちていても勝手に拾ってくれる。そこで、溜まっていた『並のクロスボウの矢』99本をあっさりと捨て去る。さようなら、皆さん。これまでありがとう。使ってなかったけど。

 呪われた『テレポートの冠』もあったが、たまたまその時に呪いを解く手段がなくて泣く泣く捨てた。もしかしたら後日役に立ったのかもしれない。

強行偵察

 さて、このような状況で、一度20階で赤いD(ドラゴン)に対して、薬や巻物によるドーピングなしで戦ってみたが、さすがに厳しいものがあった。何とか倒したものの、たった一匹を相手にして800近くあるHP(体力)をほぼ半分近く削られた。加速もほぼなく、アーマークラス50前後ではこんなものか。

 この装備と戦い方では、まだドラゴンは厳しそうだ。赤いアリもかなり厳しかった。VやW相手に必須になりつつあった、呪いを解くための『解呪のスタッフ』を見事に消失させられてしまった(TinyAngbandでは、解呪は巻物とスタッフだけでロッドはない)。貯めていたつもりの『スピードの薬』も、いつのまにか2つしか残っていない。
 もう少し浅い階で装備を拾うことにしようと思う。

死の予感

 と、そのあたりでうろうろしていつつ、インベントリも一杯で、これ以上拾っても持ち帰ることもできなさそうなので、そろそろ引き上げる頃合か、と感じながらも、あらためて20階に下りたところ、なんと珍しくもピンク色の文字(難易度が最高の状況を表す)で

『恐ろしい死の幻が目に浮かび、気絶しそうになった!』

という階に出てしまった。正規装備ならまだしも、この状況では厳しい。さっさと『帰還のロッド』を振って逃げ帰る。そこに何があったのかは良くわからない。


 見よ、(へたれプレイの)王を!


 そういえば、以前正規プレイで同じメッセージを見た際には、17階で青いD(ワイバーン)の100匹の群れだった。本来であればすぐさま離脱か、と思ったが、たまたまその時に持っていた『吸血のショートソード』がナイスな一品で、相手からHPを吸収して自分のHPに追加できる特殊機能を備えていた。たまたまたくさん溜まっていた『スピードの薬』の効果と相乗で、大半の青ドラゴンを血祭りに上げてくれたのであった。あの時はすごかった。
 調子に乗っていたら最後には死んだけど。

 しかし、今回は『吸血装備』もなく、スピードも遅く、鎧も微妙でダメージの軽減も期待できないので、逃げるに越したことはないと思われた。20階であのメッセージということは、たぶん最強の雑魚こと”バルログ”さんとか”タイタン”さんたちの群れないしそれ以上の戦力だろうし。現状の”裸一貫”に近い状況では一匹も倒せない可能性が高く、そもそも生きて還れるとも思えない。

 このゲームはとにかく”逃げるが勝ち”というところがある。”勝てる相手とだけ戦う”というのが生き残る鉄則である。そして、そう思っていてすら時々逃げそこなう。その際どいタイミングを図るのは、@の能力ではなく、プレイヤーである”あなた”の経験と勘である。

#後から思えば、もしかしたら、宝物殿である「Vault」という構造物が存在した可能性もあったのだが、このときはまだそのことに思い至らなかった。ここでもまたプレーヤーは未熟であった。

速度の意味

 そういえば、未だに対麻痺装備が出てこないので、指輪は麻痺に備えて『対麻痺の指輪』を装備することになる。こうなると加速はどこで調達すれば良いのだろう。さすがにこの階で加速が『妖精のバトルアックス』の+1だけというのは厳しいものがある。


 実は、このゲームにおける”加速(速度)”はとても重要である。

 多くのモンスターは人間に比べて高速で動いており、その速度に追いつけないと、敵の攻撃が連続攻撃になる確率が高い。@の速度が遅いと、敵を追いかけることもできないし、そもそもモンスターから逃げ切れない。速度が速ければ、戦闘の際に常に先手を取れるし、敵と大きな速度差がある場合には、こちらが一方的に攻撃可能になることも多い。最悪の場合には”走って逃げる”ことも不可能ではない。

 とにかく、いかにして”加速装備”を入手するのかが@強化の要になる、とこのプレーヤーは言い切るのだった。

 そして、その加速が、現在わずか+1しかないのだ。たいていのモンスターには走り負けてしまうし、先手を取られることになる。敵の群れに囲まれたら、その先手攻撃が複数襲ってくるわけなので、ダメージも大きい。厳しい現状と言えるだろう。

まとめ

 とはいうものの、じわじわとではあるが、装備がそろっていくのは嬉しいものだ。あとは高級品のクロークやブーツ、テレパシー機能のある冠あたりがありがたいのだが、そう上手く行くかどうか。もし『テレポート・アウェイのワンドかロッド』を複数本拾えれば、目の前の敵を放り投げていけるので、この装備でもそこそこ戦えそうなのだが、そこまで贅沢は言えまい。そもそもテレポート・アウェイは効かない敵も多いわけで、決定打にはなり得ない。


 とりあえず20階まで来ることはできた。が、現段階ではまったく余裕がない。日常と死が隣り合わせである。装備は大事だなあ(実感)。

 己の実力などというものは、ある階(特に麻痺攻撃をくり出してくる敵)を超えると存在しないに等しいのだとわかった。このTinyAngbandではいわゆる「増強の薬(@の各種能力のベースラインを上げてくれる薬)」の類が(おそらく)出ないので、身体固有の基本能力値が上がるということがない。なので、レベルが50で止まると、基本能力もそこで止まってしまう。後は装備での擬似パワーアップしかないのだ。

 それがわかっただけでも、このプレイの意味はあったのかもしれない。

 もっとも、ネット上に講評されている皆様の*勝利*記録を拝見すると、多くの人はレベル30台半ばである。ここから、このプレイヤーがどれだけへたれなのかがわかろうというものだ。

第4週 死亡遊戯

パニック!

 ようやく4週目である。


 とりあえず先週と同じ装備で潜ってみる。地下20階、割と深層だ。


 が、何かおかしい。


 最初の段階から画面の見えないところに何かがいて、それが敵を次々と召還してくる。あれよあれよという間にDとL、Wなどに囲まれ、身動き取れなくなる。『体力回復の薬』を飲んでもあっという間に削られてしまう。しばらく戦ってはみたが、埒が明かない。仕方なく、おもむろに『テレポートのスタッフ』で跳んで逃げようとしたのだが…なぜかすべてのスタッフが”空”になっている。


 え?

 …ダンジョンに潜るときにすべて充填していたはずなのに!?


 これは初めての経験だった。後から思えば、これがいわゆる”魔力吸い”という現象、というか攻撃らしかった。通常プレイでは”反魔法属性”を持った鎧を着ているため(?)、遭遇したことがない事象であった。なんだなんだ。どうすりゃいいんだ。


 パニックに陥り、あっさりと死んだ。


 真面目にプレイしていて、敵との戦闘で真面目に死んだのは久々である。ちょっとショックだった。


 後から冷静に考えると、実は『ショートテレポートの巻物』は2巻持っていたわけなので、それを使えばもしかしたら逃げられていたのかもしれなかった。焦ると見えるものも見えなくなるものだと改めてわかった。またもや反省である。

再起動

 気を取り直し、先週の@を呼び出し、あらためて潜り直す。で、すぐに上の階に上がってしまう。この装備で20階はさすがにきつかった。もう少し楽なところで装備を拾うことにした。


 とはいうものの、例のごとく、装備の限界から、トラブル対応のための『道具類』が多くなる。
 ロッドだけでも『帰還』『トラップ感知』『ドア階段感知』『鑑定』そして『イルミネーション』、スタッフは『テレポート』『周辺感知』『鑑定』『解呪』『癒し』『スピード』『アイテム感知』『邪悪存在感知』、ワンドは『テレポートアウェイ』があると安心する(なんとなく使わないが)。『全感知のロッド』が出てくれれば、『トラップ』『扉階段』『周辺』『アイテム』がひとつにまとまるのだが、今回の暴れん坊将軍プレイではまだ一本も出てくれない(メインプレイでは10本近く出ていたのだが)。『鑑定のロッド』がもう1,2本拾えれば、スタッフは不要になるかもしれないが、レア物ゆえに期待はできない。

 そんなこんなで、インベントリの空いているスロットは、初期状態でも4欄程度である。それに『聖預言・聖唱歌の巻物』があれば必ず拾うし、攻撃的ロッドも一応貯めているし、ということで、ほとんど余裕がないのであった。


 ここであらためて本プレイでの定番装備であった
『★スラインのアーケン石』
の”全感知(千里眼)”・”帰還”・光源、ついでに”加速+3”の4要素を備えた特性がいかに素晴らしいのかが実感できた。確かに、あれを使い始めてから、プレイが格段に楽になったのだった。今になってよくわかる。また『スピードの指輪』も、メインプレイでは普通に+8などが拾えていたのだが、あれも相当な僥倖であったのだとわかった。今回はせいぜいが+4や+3といったところである。


 などと愚痴っていても仕方なく、19回からむしろ上の浅い階に上っていくこととした。実は食べ物も不足気味である。

 浅い階層でしばらくわちゃわちゃとやっていると『光のクオータースタッフ』を拾う。『光源』機能を備えているが、現状では『妖精のブロードアックス』と被っている。発動も光関係(スターライト)であるようだが、しかし、あまり使うまい。ということで、しばらく持っては見たものの、置き去ってしまう。同様に、『殺戮の○○』がいくつか入手できたものの、やはり機能が足りない。


 悲しい思いでいると、そこに『アンデッドスレイヤーのダガー』が手に入る。これは、今使っている『デーモンスレイヤーのショートソード』にある『透明視認』に加えて、『生命保持』と、なんと『対地獄』が備わっていた。文句はあるまい。打撃力は二刀流でもやっと300と言うところだが、善しとしたい。さようなら、『デーモンスレイヤー』さん。これまでありがとう。


 しかしそれにしても、防具が厳しい。高級品防具が『耐性の鎖かたびら』と『俊敏のガントレット』しかない。かたびらはさておいて、ガントレットは☆付きではないため、敵の攻撃で劣化してしまう。時折道端に落ちている『防具強化の巻物』で多少は戻しても、すぐにまた劣化させられる。靴やヘルメット、クロークも普通のものしか入手できていないので、あっというまに劣化する。おかげでアーマークラスは40台まで低下しており、拾ったもので常に代替し続けてている状況である。本当に参る。

『エルフのクローク』や『☆の靴』、あるいは『護りの○○』などを拾えないだろうかと悩む。

*鑑定*!

 そこで、地上に戻り、先日拾った『☆の硬革鎧『ヴォロロド』』を、デーモンスレイヤーさんを売り飛ばした金で*鑑定*してみたところ、隠密+4、赤外線視力、恐怖、火、盲目への耐性があった。

☆硬革よろい『ヴォロロド』 (-1) [6,+10] (+4隠密) {{+隠赤r炎盲恐}} それは隠密行動能力に影響を及ぼす
それは赤外線視力に影響を及ぼす
それは恐怖への完全な耐性を授ける。
それは火への耐性を授ける。
それは盲目への耐性を授ける。
それは酸・電撃・火炎・冷気では傷つかない。

 先にも述べたが、この”*鑑定*”とは、通常の鑑定よりもさらに詳しい情報を得る方法である。一般に、高級品以上のアイテム類は、通常の鑑定だけでは実はその本質がわからない。この*鑑定*をかけることで、はじめて真の正体を明らかにできる。
 すなわち、*鑑定*をかけると、そのアイテムの正確な特性(耐性や免疫項目、具体的な向上数値など)が把握できるようになるのである。そして、そのための巻物は1300$ほどする。割とお高い。

 ちなみに、この鎧における「隠密(敵に見つかりにくくなる機能)」はとてもありがたい。一方、恐怖耐性と火耐性については、自分自身の身体が備えた自前の耐性とかぶっている。また、アリの酸攻撃への対抗策が問題になるこの階層では、やはりここは『耐性の鎖かたびら』で一次耐性を張っておくほうが安全性が高いだろうと思われた。とはいえ、とりあえず考えが変わる日も来るかもしれないので、売り飛ばさずにお家にしまっておいた。


 しかし、今気がついたのだが、知能が基本値がただでさえ18/40しかないのが、種族で−1、職業で−2されていて、現実の値が18/10しかないのが少々笑えた。装備でのサポートも見事なまでになにもない。さすがぼんくらハーフオークの戦士である。ちなみに賢さはかろうじて装備で+1されていて27ある(ちなみにアンデッドスレイヤーさんにサポートされているようだ。なぜだろう?)。


6つのパラメータの状況図。左の青文字が基本値で、それに「種族」「職業」「装備」による補正がかかる。黒地に青文字がとても読みにくい。色の変更もできるらしいのだが、よくわからない。

 よくわからないのが、各種性能について、装備で複数の耐性がある場合、それらの効果が加算されるのか、という問題である。たとえば、体力回復は自分の特性としてすでに持っているが、それ以外に装備で加算された場合、ボーナスポイントがさらに加算されるのか、というところがよくわからない。体力復活あたりで試してみたいのだが、タイミングがつかめない。

#後日試したところ、体力回復については重複のボーナスはないように見えた。装備に関わらず、ほぼ同じペースで回復しているようであった

賢者の魂

 また潜ってみる。『賢者のアミュレット』を拾う。現在の『能力維持のアミュレット』と比べて、対麻痺がついているのはありがたいが、もともと最低値の[ちのう][かしこさ](あえてひらがなで)を”保持”してくれるというのは微妙に悲しい。むしろ上げて欲しい。

 ともあれ”警告機能”もついているので、しばらくこれでいってみるか。これは、何か危険なことがあると直前に教えてくれるという便利機能である。今の”ひ弱な”@には大事な機能に思える。

 あれ、気がつくとアーマークラスも50に上がってる。いいことあるなあ。賢者様だからかなあ。

 これで『対麻痺の指輪』が不要になるので、指輪のスロットに『殺戮の指輪(+6,+10)』を装備してみる。戦闘力がやや上がる。とはいえ、二刀流の両腕を足して350程度である。命中精度が上がるのは嬉しいが、戦闘力という面から言えば、片手持ちとあまり変わらない。が、武器についている特殊能力が必須なので二刀流にならざるを得ない。これもどうかと思う。

 だが、実はこれにはある種の必然性がある。このゲームでは、特殊能力がついている装備品が、圧倒的に『武器』が多いのだ。たとえば(聖戦士)(防衛者)といった特殊機能のある銘はなぜか『武器』にしかつかない。また、高級品以上の特殊機能付き『防具』はめったに落ちていないし、『光源』カテゴリに至っては特殊機能は特別製の一品物しか存在しない(推測)。アミュレットや指輪も同様である。
 そのため、今回の”拾うべき物はあらかた拾ってしまった”後の縛りプレイでは、防護面でも『武器』の特殊能力に頼らざるを得ない。不思議な状況ではある。


 ともかくひたすら潜る。繰り返し潜る。

 途中『耐性の鎖かたびら』が『耐性の金属製ブリガンダイン・アーマー』に置き換わりACが+1される、体力の指輪+3が+4に置き換わる、などの心温まるイベントがあったが、他には概して何もなかった。

 しかし、どうしてこんなに『トラップ感知のロッド』(13本)と『ドア・階段感知のロッド』(12本)ばかり落ちているのだろう。拾う自分も悪いのだけど。

ガレ場探訪

 すると、ある階に、広大な“ガレ場(岩場, :の密集地)”があった。たくさんの:が並んでいて、
:::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::@
:::::::::::::::::::::::::::::::::::
という感じに見える。

 実はこうした岩の中には、かつての戦士達の遺した(?)様々な装備が眠っていることがある。そこで、:を見つけると自分はとりあえずわっせわっせと掘ることにしている。

 要するに、ある種の宝探しである。モンスターと闘わなくてすむので、プレーヤー的に気楽でもある。

 そこで、その階のモンスターを一通り平定した後で、このガレ場を掘ることとした。


 そこは広大な岩場であった。
 予想に違わず、いろいろなものが落ちていた。たいていのものは使えないが、『スピードの薬』や『耐性の薬』があり、ありがたかった。そうそう、こういうところ、大事なんだよ。
 などとぼやきつつ、ともかく掘る。掘る。掘る。掘りまくる。

 果てしない掘り出し作業の繰り返しの途上で、ようやく『エルフのクローク』が手に入る。隠密+2だが、ないよりはかなりましだ。とてもありがたい。早速装着する。

 次いでなんと『(聖戦者)フレイル』を掘り出した。直前に同じく掘り出して拾っていた『*鑑定*の巻物』を読むと、とりあえず+1の攻撃と、透明視認が追加された。が、今の装備に備わっている「対地獄」と「対生命力吸収」の大事な機能が消えた。うーん。どうなんだ。

 装備を入れ替えて検討してみたが、残念ながら、V(吸血鬼)相手の生命力吸収に対抗する術がないと、17階以降はやはり厳しい気がした。しかたなく、その後、せっかくの(聖戦者)さんはお家でお留守番となった。(防衛者)さんならまた話は違ったかもしれない。

機能不足の悩み

 掘り終わり、地上に戻り、お家に置く物をおいて、飯を食い、眠り、あらためて18階付近を攻めてみる。と、PやらWやらの混雑した集団に遭遇し、仕方なく『スピードの薬』を消費して切り抜ける。

『スピードのスタッフ』(スピードに限らずだが)は、気がつくとアリさんに消されていたりするので信頼性は低い。人間、最後に頼るのは薬である(酷い台詞だ)。せっかく溜めていたのがまた残りわずか2つになる。悲しい。でもこれが人生だ。

 そして、やはり問題になるのはスピードだ。+1ではいかんともし難い。辛い。逃げる相手を追うことすらままならない。どうしたものか。ああ、あの指輪だ、指輪が欲しい…
 もちろんただの『スピードの指輪』のことだ。スピード。そう、この世界ではなによりもスピードが大切なのだ。+6もあれば上等なんだが。


 繰り返し潜りつつ、磨り減っていく金属帽子やブーツなどを落ちていた新品と交換しつつ(こういうところ、なんか微妙にVガンダムみたいだ)、なんやかんやでACがようやく68まで上がった。こういうところは地味でいいなあ。どうせまたaとかnとかに削られるんだけど。

 また、テレパシー機能がないのが存外つらい。どこかにテレパシー装備の帽子か兜が落ちていないだろうか。

 似たような機能として『啓蒙の薬』を拾うと、そのときの階全体の状況がわかる。その場はかなり楽になるが、あまり拾えるものでもないので、あてにはならない。


 その後、『ドワーフの軟革ブーツ』を拾って装備したところ、耐久力が860まで上がる。100近いアップだ。これはメインプレイとそれほど遜色ない値である。ドワーフ様様。ありがたやありがたや。
 もっともAC自体は低いし、☆つき装備ではないためこれも劣化してしまうので、いずれはなんとかせねばならないのだが。

 なお、本日終了までに『トラップ感知のロッド』は16本、『ドア・階段感知のロッド』は17本に増殖した。いつかこれらをすべて捨てて『全感知のロッド』1本に置き換えるのが私の夢だ。

 ここまでで第4週を終えた。

まとめ

 厳しい、苦しい等、いろいろぼやいてはいるのだが、なんだかんだで4週間でここまできているのだから、相当に早いペースではある。メインプレイのレベルまではほぼ半年かかっているわけなので、それに4週間で近づいてきているのはすごいことなのではなかろうか。

第5週 凡庸な辞世の句

 さて第5週目である。

 早くもやや飽きてきたきらいのあるこのプレイではあるが、とりあえずは続けてみる。


 まず地下17階に潜ってみるが『聖預言の巻物』以外には特に何もない。続いて19階に潜ってみるが、同じく『聖預言の巻物』以外には特に何もない。ふと気がつくと、経験値が減らされているのだが『経験値復活の薬』が入手できないので、仕方なく戻る。地味である。


 引き続き潜る。『追加攻撃のメイス』『邪滅のメイス』を拾うが、特殊能力がないため、『アンデッドスレイヤーのダガー』と交換する必然性がない。仕方なく、売り飛ばす。微妙に空しい。
 続いて『溶解の首切りソード『旭豹』(これも名前には特に意味はない)』を入手するのだが、やはり特殊能力に欠ける。どうしたものか。

 しばらくして『知能の硬革帽子』を入手する。そこそこなんとかなる感じがするようなしないような。いかんせん、最低の知能をいまさら少し上げてもらっても、どうしたらいいものやら。とはいえ、一応装備する。

 19階でいきなりドラゴンと遭遇し、倒したところで『高速度のクロスボウ(+1加速)』を入手する。やっと弓でまともなものが出てきた。これまで世話になった『普通のクロスボウ』にお別れをする。これまでどうもありがとう。

 ここまで来て、ようやく(指輪とアミュレットを除いた)すべての装備が『高級品』以上となった。長かった。アーマークラスは64と、決して高くはないのだが、このプレイならまあこんなものかというところである。

凡庸の非凡

 20階でうろうろしていたらなんと『凡庸の巻物』を拾った。めったに見ないレアアイテムである。すばやく拾い上げる。


 さて、この『凡庸の巻物』とはいったいなんだろうか。

 これは、通常の意味では、”あらゆるアイテムを特殊能力のない平凡な状態に戻してしまう”困った巻物である。一般的に、アイテムの特殊能力がなくなるのは困ることだ。この巻物の存在に何の意味があるのかはわからないかもしれない。

 だが、このアイテムの本当の機能は、”あらゆるアイテムの初期化”なのである。

 これは、どんな強力に呪われたアイテムであっても、この巻物は、その呪いもろとも、そのアイテムを初期化してしまうことを意味する。このゲームの解釈では、どのアイテムも、形作られたその原初から呪われているわけではなく、作り出される途上で”呪い要素”が付加されるとみなされている。つまり、アイテムを”初期化”してしまえば、その呪いすら初期化されて消失するのだ。
 これはすごい機能である。

 たとえば、の話をしよう。
 このゲームで入手できる最強かつ最凶のアイテムの一つは『★一つの指輪』である。そう、”指輪物語”の主題である例のあれだ。

 この指輪は、装備した@に強大な能力を授けてはくれるのだが、一方では”永遠の呪い”がかかっていて、一度つけてしまうと外せない。最高級呪い解除アイテムである『*解呪*の巻物』(一巻8800$もする!)を何巻連発しても、この呪いは解けない。

 であるため、一度装備してしまったら、もうどうしようもないのか、と思われるのだが、ひとつだけ解決法がある。それがこの『凡庸の巻物』である。この巻物を唱えると、さすがの最悪のアイテムも、あっさりと『(ただの)力の指輪』に戻るのである(特殊能力は何もなくなる)。指から外すことも普通にできるようになる。
 なかなかグレートな巻物であるといえよう。

 もちろん、これはそれ以外の”永遠の呪い”がかかったアイテムにも使える技だ。だから、お家に9つもある『幽鬼の指輪』に対しても当然同じことができる。いつか、この9つの指輪を凡庸化して、サウロンさんに叩きつけることを夢見るこの@は、その目的のために実はすでに9つの『凡庸の巻物』を入手している。そう、準備は整っているのだ。いつでもいける。そのための必殺アイテムなのである。

 どうだ、すごいだろう。


 とまあ、ここまでは一般的な説明をしてみた。


 本当は、それすらもこの『凡庸の巻物』の本質ではない。
 そう、この巻物には、もっととんでもない使い方があるのだ。

 このゲームには『願いのスタッフ』という、ある意味”究極”のアイテムが存在する。

 これは、そのスタッフを振れば、”ゲーム中に登場しうるどんなアイテム”でも神様が下賜してくれるという”特殊中の特殊”アイテムだ。そう、正しく”名前”が書けさえすれば、そしてゲーム中に登場しうるアイテムであれば、”必ず”もらえるのだ。あんな指輪やこんな刀、こんなブーツにそんな鎧、とにかく”名前を知ってさえすれば”、どんなものでも100%間違いなくゲットできてしまうのだ。

 正直に言うと、このアイテムは、まともに使ってしまうとゲームを壊す。だから、この『願いのスタッフ』はまずめったに出てこない。おそらくだが、このゲーム中の最レアアイテムといってもよいだろう(もし万一、通常のタイムアタックプレイ中の初期に出現したら、最短時間の更新を真面目に狙えるだろう)。さらに、このスタッフはわずか1回だけしか使えない。通常のスタッフならできる”魔力の充填”による再利用もできないことになっている。

 だが、何事にも”裏技”と言うものがある。

 貴重な1回を使い終わって”残り0回”と表示されている『願いのスタッフ』に、この『凡庸の巻物』を読むとどうなるか。

 お仕事が終わって空になっていた『願いのスタッフ』は、『凡庸の巻物』で見事に”初期化”され、利用回数が”残り1回”に戻ってしまうのだ!

 そして、この効果は、この巻物がある限り、何回でもかけることができる。初期化ですからね。ええ。

 つまり、『凡庸の巻物』とは、万能の『願いのスタッフ』を初期化して何回でも願えるようにするための(名前に反して非凡な)超強力アイテムなのである。

『凡庸』はすごいのだよ、諸君。


 そして、何を隠そう、実はこの@は、先の半年間の本プレイの最中に『願いのスタッフ』を一本拾っていたのだった。


 @の自宅の所蔵品アイテム一覧。通称「自宅インベントリ」

 つまり、一度完全に使い果たしてもう何もできなくなってしまった(魔力充填も受け付けない)アイテム類を、まったく利用していない”まっさら”な状態に戻せる、大変ありがたい巻物なのだ。

 つまり、この『凡庸の巻物』を拾えれば、@はその数だけ神様から欲しい物をなんでもいただける、ということなのである。世間の噂では、もらえる者の水準は、@のレベルに依存していると言う話だ。つまり、あまりレベルが低いと願いもかなわない可能性があるらしい。だが、この@はすでにレベル50に到達している。最高レベルだ。
 すなわち、願いは”すべてかなう”のだ。


 な、すごいだろう。
 そうだ、すごいんだよ!
 あーっはっははは、あーっ
 (アリさんのブレスぼわー)
 え?


 長いモノローグの後の喜びに舞い上がったのもつかの間、『凡庸の巻物』は、次の瞬間に赤いアリさんの火のブレスによって焼失した。


 なんということだ。@悲しい。涙が止まらない。妖風が目にしみる(ちょっと違う)。


 次からは、この『凡庸』を手に入れたら、状況が何であれ、すぐさま帰還することにしようと心に誓う。油断してはいけなかった。戒めとする。

テレパシーの性質

 気を取り直そう。

 ここで『テレパシーのアミュレット』を拾ったので、装備してみた。遠方の敵の動きが見えるのは確かにそこそこ楽ではある。が、実はすべてが見えるわけではなく、寝ている相手はどうも検知できない可能性が高いようである。またj(ゼリー類)のように意識というものを持っていない(らしき)敵はそもそも引っかからない。でもないよりは気が楽だ。

 が、気がついたら大事な『対麻痺』が消えている。あわてて『賢者のアミュレット」を装備しなおす。いかんともしがたし。

運が悪い

 20階でオレンジ色のp(ソーサラーという上級魔術師。モンスターをたくさん召還する困ったやつ)にいろいろと召喚モンスター群を呼ばれてHPが削られて大変になったので、とりあえず持っていた『レベル・テレポートの巻物』を読んでみたら、ずぶずぶと下の階に沈み始める。

 この巻物は、読むと確実にその階から脱出できるという便利な代物である。ただし、より楽な階層である上に行くのか、厳しい階層である下に沈むのかは運次第である。


 そして、今回は、運が悪かった。


 で、さらに運悪く、出てしまったのが緑j(スライムやゼリー)の「ピット」の中であった。半年以上プレイしていて、はじめての経験だった。よりによって、こんなことってあるのか。

「ピット」とは、同じモンスターが100匹ほどひしめいている狭い部屋だ。中のモンスターは人口過密の故なのか、エラい勢いで怒りまくっており、@を検知し次第、容赦ない攻撃を仕掛けてくる。

 出現の瞬間より、四方八方から酸のブレスを吐きまくられる。あちゃー。なんてこった。ちなみにテレポート関連のアイテムはもうない。どうしたものか。


 仕方なく、まずは『帰還のロッド』を振って、帰る”準備”をした。
 そう。このロッドは、効果が現れるまでに若干のタイムラグがある。つまり、振った瞬間に即帰還できるわけではないのだ。ここが恐ろしいところである。

 そうしておいて、まずは『耐性の薬』を飲んで上位耐性をつけ、次に『スピードの薬』を飲んで何とか時間を稼ぐ。ブレスを吐きかけまくるjの群れの只中で、壁に穴を開けようと努力する。


 そして、こういう時に限って、よりによって壁の材質が”花崗岩”だった。

 このゲームの岩石には、”普通の岩”と、硬い”花崗岩”、さらに硬い(と思われる)”石英”、そして絶対に破れない”永久壁”という4つの種類がある。通常のピットの壁は普通の岩であり、この@では素手でも一撃で掘り抜ける。が、なぜか今回に限り、このjピットの壁がお堅い”花崗岩”なのだ。


 なかなか穴が開かない。開かない。開かない。開かない。おお、やっと開いた。これで逃げよう。jは足が遅い。何とかなるはずだ。


 と思ったら、その目の前には赤いa(aはアリ類)の群れがいた。
 これは火アリだ。
 そして、一般に、火アリの攻撃である”火のブレス”は、結構大変な攻撃力を持つ。そして、このアリさんもお怒りなのか、容赦なくその火ブレスを吐く。


 前門のa、後門のj。囲まれて酸と炎のブレスの中に佇んで、なすすべもなく辞世の句を推敲し始めたところで、かろうじて地上への帰還に成功する。
 ぎりぎりセーフだ。


 今回は本気で危なかった。HPも「危険」を示す赤い文字色の表示だった。残りは2桁程度だっただろう。あと一ターン分ブレスを喰らっていたら死んでいた。助かったのは偶然である。


 それにしても、『レベル・テレポートの巻物』は、危機からの唯一確実な脱出方法である、と聞いていたのだけど、実はそんなことはなかったぜ。

 ちなみに、アリさん達はテレパシーでは感知できない。昆虫だからなのか、理由はよくわからない。

潜りなおし

 気がつけば呪われまくってアーマークラスはわずか19となっていた。解呪の巻物一発で49まで戻すものの、様々な攻撃(主として酸)で装備は劣化されまくりである。どうしたものか。


 この状態で21階に戻る気がしなかったので、また1階から潜りなおすこととした。

 ということで、1回から順番にチマチマと潜っては戦い、アイテムを拾い、ということを繰り返しながら潜っていく。

 じりじりと13階までもぐったところで、『麻痺知らずの革グローブ』を拾った。これで『テレパシーのアミュレット』を装備しても良い条件が整った。
『俊敏のガントレット』さんは荷物である。

 と思ったものの、”対盲目”と”対混乱”機能がなくなってしまっていた。これはこれでどうかという感じである。


 とにかく、何かの装備で常にテレパシーが入ってこないと辛い。できれば、防具装備と兼ねたいので『テレパシーの兜』的な装備が出てくるとありがたいのだが、世の中期待通りには行かないものだ。

防衛者さん、登場!

 再び潜っていった地下17階で雰囲気オレンジ。何やら妖しいものがあるようだ。

 テレパシーで見てみると、壁の中にドラゴンがいた。ドラゴンだ。

 とりあえず、スピードを上げるなどして準備をし、戦う。

 そこで、これを倒したところでついに出た! 攻守の要『(防衛者)グレートソード』さんのご登場であった!


 これは、高級品の中でも特殊なもので、これ一本でいろいろな機能を持った素晴らしい武器である。以前の通常プレイでも、@はこれをメイン兵装にしていた時期もあったくらいだ。

 この『防衛者』さんを装備してみると、一気に打撃修正が上がった。また、4元素への一次耐性機能がすべて備わっていて、ついでに対麻痺、対毒もあり、透明視認もあり、ついでに急回復、浮遊もついていて、さらに隠密+4である。文句なし。

 と一瞬思ったのだが、良く見ると、対地獄と生命保持が消えている。また、基本4元素への耐性は鎧と、対麻痺と透明視認はアミュレットと、急回復は自分自身と、浮遊は妖精のブロードアックスと、各々被っていて、実は『あれあれ』という感じであった。どうしたものか。

 たまたま一緒に拾った『アンデッドスレイヤーのウォーハンマー『翔隼』(これも名前に深い意味はない)』だと対地獄と生命保持がついていた。あれえ。要するにこれまで使っていた『アンデッドスレイヤーのダガー』の攻撃力アップバージョンである。
 こっちのほうがよくないか?なんということでしょう。


 とはいうものの、せっかく手に入れた待望の『防衛者』さんを外す気にならず、『妖精のブロードアックス』さんも必要であったので、『翔隼』さんには荷物になって頂く。ヴァンパイアの群れとかを相手にすることがあったら、そのときに装備しようという腹である。

 それにしても、『☆装備』でもないと、防具がどばどばと性能が削られてしまって、プレイヤーはとても悲しい。やりにくいことおびただしい。
 いまさらだが☆の固めの鎧などが出てくれないだろうかと思うのであった。


 ちなみに、他にも『デーモンスレイヤーのバスタードソード』さんとか、『邪滅のフレイル』さんなどが登場したのだが、残念ながら、その場でお別れしたのであった。『魔力支配の革グローブ』は持って帰っては来たものの、売り飛ばさざるを得なかった。惜しい。

全感知の喜び

 すると、15階でなんと待望の『全感知のロッド』1本を手に入れたぞ!

 これは、@の周囲のダンジョンの地図やアイテムのありか、トラップの配置、そしてモンスターの位置を教えてくれるありがたいロッドである。テレパシーで検知できないものも教えてくれるので、より安全である。おまけに、ロッドなので再利用が可能だ(ただし回復までにはかなりのターン数を要する)。

 今現在、トラップ感知のロッドが23本、ドア・階段感知のロッドが19本あるわけだが、それがうまくいけばこれにすべて置き換わるわけだ。ありがたやありがたや。でも意外に充填の時間が長いので、どうしたものかとも思う。


 などとほのかに喜んでいたら、持ち物にしていた先の『銘つきアンデッドスレイヤー』さんが消失していた。いつの間に? コメントをさかのぼって見ても良くわからない。相当前に燃えるか溶けるかして消失したのか、謎である。
 あれまあ。このプレイ的には結構痛いかもしれない。


 そうしてしばらく潜っていたら、今頃『(吸血)ムチ』を拾う。うーん、どうしよう。もうこれ以上モノをもてない。面倒なので、23本あった『トラップ感知のロッド』、19本あった『ドア・階段感知のロッド』をすべて捨ててしまうことにした。これでスロットが新たに一つ空いたわけだ。それで何とかこのムチを持ち帰ることにした。

『ムチ』が一マス遠方の敵を攻撃できるとか、目の前の複数の敵を攻撃できる属性とかだったらいいのにと思う。

まとめ

 これで目的は達成できたので、今回は良かったということにしようと思う。
 不注意でせっかくの『凡庸の巻物』を失ったのは痛かったが、次からは気をつけよう。

 それにしても、しだい次第に各種の『高級品』を拾えるようになってきたのだが、しかし『特別製』のアイテムはほとんどゲットできない。もしかしたら、すでに過去の自分が大半を拾い尽くしてしまっているのだろうか。

 だとしたら、このプレイ自体が少し空しいのだが。
 実際はどうなのだろう。

第5週半 体調不穏(リアル)

向上のプロセス

 不意に体調を崩してしまった。病院に出かけていくわけだが、ご存知の通り、お医者というのは待ち時間が膨大に長い。どうせ待っているのであれば、その時間をこのゲームに費やしてみようと思いついた。


 ということで、無為な待ち時間を使ってちまちまとプレイした。

 結果的には、聖預言の巻物いくつかと、『勇者のアミュレット』を入手した。赤外線視力(なんといろいろ合わせて合計100feetを達成)と体力回復、そして炎のバリアを張ってくれるようだ(正直、このバリアは何かの役に立つのかよくわからない)。これは適宜『テレパシーのアミュレット』と使い分けながら進むのが妥当であろうか。

 また、なくしてしまった銘入りの『アンデッドスレイヤーのウォーハンマー『翔隼』』さんの代わりと言っては何だが、銘無しの『アンデッドスレイヤーのバトルアックス』を手に入れた。

 これを『妖精のバトルアックス』の代わりに装備して見ると、いろいろ良さげなのだが、永久光源機能がなくなった。が、実は今のところ『ランタン』が生きており、時おり燃料の『油つぼ』も拾ったりするので、今のところ何とかなるのかもしれない。ちなみに、『トラップ感知』『ドア階段感知』の陰に隠れていたが、実は『イルミネーションのロッド』も現在までに12本を数える。いざとなったら、これをマクロで連発できたりしないだろうか。もっとも、魔法道具支配も消えてしまったので、動かない場合が増えるだろう。こちらはどうなることかと思う。


 さらにありがたいことに「スピードの指輪(+7)』が登場した。いろいろあるが、このゲームはやはりスピードが物をいうことは、これまで述べた通りだ。腕力の指輪を放棄して装備する。このおかげで、少し戦いが楽になった気がした。

 地味なガレ場掘り等により『スピードの薬』もちまちまと溜まりつつあるので、他の装備と薬でのブーストを合わせての+19が実用域に達しつつある。なんとか形になってきた。


 実際に潜ってみると、確かにロッドの失敗率が上がっている。とはいえ、それほどの損失のようにも思えず(その場で2、3回試せば大体成功する)、とりあえず当面は攻撃の面は『アンデッドスレイヤー』さんと『防衛者』さんにお願いする事とした。『妖精』さんはお家でお留守番である。

『ドラゴンブーツ』も拾ったものの、持ち帰って*鑑定*したところ、付加属性は対電撃、対盲目、対轟音というところだった。このプレイの初期状態ならば感涙モノであったはずだが、しかし残念なことに、対盲目以外はすでに持っているし、盲目も、テレパシーなどがあればそれほどの問題にならない(危機に『テレポートの巻物』を読めなくなるが)。いずれにしても、『ドワーフブーツ』の耐久力+100には代え難い。このブーツはすごい

 ということで、やはり惜しみながら別れを告げた。ちなみに防具装備屋よりもブラックマーケットの方が若干だが高く売れた。現在の防具屋の買取上限価格はなぜかわずか5000$なのだった。


 拾った『獲得の巻物』で入手した『吸血のレイピア』が割と使えるようなので、今度は『アンデッドスレイヤー』さんと交代していただいた(こちらも安全のためにお家で留守番していただく)。生命保持があるため、それほどデメリットもなく、吸血での体力回復があるので存外ありがたい。打撃はそれほど高くはないが、何とかなるレベルであろう。『吸血ソード』が、特に対ドラゴンに有効であることは経験済みである。17,8階くらいであればこれでいける気がする。


 などとやっていたら自分の診察の番が回ってきたので、今回はここで終った。

第6週 箱と矛盾

野望の箱

 以前から考えていたことがあった。
『箱』である。


 TinyAngbandでは、時おり「箱」が落ちている(あるいは倒した敵が落とす)。

『箱』にはたいてい罠が仕掛けられており、それを外してから開けてみると、中にはそこそこの宝物が複数入っている。宝物といっても、そこそこのお金とか、そんなにいいモノではないけれども、多少は嬉しい、という類の代物が大半だ。極めて稀に、☆や、あるいは★装備が眠っていることもある。


 中身はさておいて、問題は、『箱』の中には”複数のモノ”が含まれているという点である。

 このゲームは、一度開いた「箱」を閉じて物資を格納して運搬するということができない。Nethackにはそういった仕組みがあったような気がするのだが、残念ながらTinyAngbandにはそうした仕掛けがないのである。だから、すべての持ち物は生身で外界にされされている。それゆえに、アリさんやらナーガさんやらに炎や冷気のブレスで消されたりするわけだ。
 ただし、まだ開いていない箱であれば、それを抱えて持っていくことはできる。つまり、箱をあえて開けずに持ち運ぶコトで、運搬量を増やすことができるのかもしれない。
 また、知覚が鈍く、箱の罠の種類の識別ができない場合には、もしかしたら、箱をまとめてスタックできる(インベントリを一つにしてしまえる)のではないかと密かに期待をしていた。
 これはある意味画期的である。複数のモノを含んだ箱を一つのスタックにまとめられれば、潜在的な持ち物の量が格段に増えるという可能性が考えられた。

 ということで、今回は「箱」プレイを試してみた。

「二重耐性」の意味

 なお、「二重耐性」という概念は、どうも複数の装備で対応するということとは違うようで、『耐性の薬』を使って張るしかないということがわかってきた。つまり、装備で一次耐性を備え、『耐性の薬』で二次耐性を備えるということになるらしい(あるいは、特殊装備の「始動」で備わることもあるようだ)。

 ということは、自分が装備している「防衛者」さんがいれば「耐性のブリガンダインアーマー」さんは基本不要ということがわかった。そこで、先日入手していた『☆の革よろい』さんを装備してみることにした。隠密+4ということで、それなりにしずしずと潜伏できそうで喜ばしい(結果的に隠密は『超越』ランクとなった)。『耐性の薬』自体はそれなりに拾えているので、二重耐性を張ることについてはおそらく問題あるまい。


 さて、そんなこんなで17階に潜ってみたところ、ありがたいことに『高速度のクロスボウ 加速(+4)』を拾った。こんなところで、なんということでしょう。本プレイにも使えそうである。これで加速は素で+11になった。早速これまでの『高速度のクロスボウ 加速+1』と交換する。その他の属性も完全に上位互換であった。


 しかしながら、肝心な『箱』が出てこない。こういうときに限って。

拾い物いっぱい

 ここまでのところ、『吸血ソード』はそれなりに有効ではあるのだが、しかしそろそろ『ランタン』が油切れを起こしそうになっている。どうしたものだろうか。
 と心配していたら、都合よく18階で新品の『ランタン』を拾う。ラッキー。

 また、『光のスモールソード』を拾うのだが、いまひとつ使い道がなさそうに感じる。調べてみると”電気オーラ”という珍しい機能があった。ついでに永遠光源でもあったので、少し使ってみようと思う。便利なんだろうか。『吸血ソード』さんの生命保持が消えてしまったが、なんとかなるだろう。

 小難しい”耐性パズル”も、対地獄をのぞけばほぼ埋まっている。防衛者さんには感謝である。

『ミスリル製鎖かたびら(+20,+7)』を拾う。これは、いつかアーティファクト生成の巻物を拾ったときの素材にしてみよう。

 さらについでに『ドラゴンキラーの鋼鉄のクロスボウの矢』も拾う。微妙といえば微妙なのだが、ドラゴンには良く効くわけだし、いいのかも。これは本プレイ用の素材としよう。

あらためて、箱

 どうも箱にはいくつかの種類があるようだ。『木の箱』『金属の箱』そして大きさも小さなモノと大きなモノ。少なくとも4種類がありそうだ(後から調べたところ、これらの箱に加えて大小の『鋼鉄』の箱があるようだった)。

 そこで、いくつかの箱を入手して鑑定もしないでいたのだが、残念ながら、持っているだけでは炎や酸を吐くアリさんなどに壊されてしまうことが大半で、正体が不明なままに消えてしまうのであった。うまくいかないものだ。

 中身が★や☆つきであっても箱自体が中身ごと壊れてしまうというのも妙な話だとは思うが、そういうものらしい。箱は開けるまで中身が確定しないのがこの世界の理ということなので、いずれにしても消失してしまうのだ。


 で、このあと、うまく同じ箱を2つ手に入れる機会に恵まれたのだが、まったく同じ『大きな木の箱』であっても、残念ながらインベントリは二つに分かれてしまった。そういうものらしい。たとえ罠の種類がわからない状態で持てていたとしても、箱というものはひとつ一インベントリと扱われてしまうようだった。

 ということで、我が野望は水泡に帰したのであった。

ショートボウの矛盾

 さて、気を取り直して進む。

 ここで『高速度のショートボウ『焔燕』』を手に入れた。これもまた加速に+4が加わるなかなかの逸品である。

 しかし、すでに加速は+4あるし、おまけに『ショートボウ』というのが如何ともしがたい。自宅に持っている矢はすべてクロスボウ用の矢なので、今更ショートボウを入手しても使い道がないのだ。

 と思っていたのだが、ところがこれがなんということか、試しに装備した瞬間に、ヒットポイントが860から一気に1000を超えた。耐久力にこれほど影響があるとは、驚いた。本プレイとほぼ同水準か、あるいは構成によってはこれを超えるものだ。これが『銘入り』の効果か…無視するにはあまりに影響が大きい。どうしたものか。とはいえ、さすがに今更普通の矢(細身の矢?)を探して装備するというのはあまりにアホである。

 弓による攻撃を一切考えないということであれば、これが使えるのだろう。けれど、遠距離攻撃は、直接接敵するといろいろと吸い取ってくる”ドレイン系”や、遠方から黒い念を送ってくる”呪い系”の敵に対して必要なときもある。『クロスボウの矢』の威力は通常の『矢』よりも大きいし、強敵に対して直接の接触の前に必要となる戦術でもある。

 そもそも弓系の最終目標である『★クブラゴル』(なんと加速+10)が”クロスボウ”だということで、自宅には高級クロスボウの矢を貯めているのだが、状況によっては戦術の変更もありえるかもしれないと思った。おそらくだが、『★クブラゴル』はボスの戦いの後に出てくるだろうから。
 今後考えよう。

 しかしなんでまたよりによって『ショートボウ』なんだろう…。

アイテムいろいろ

『凍結のモーニングスター』も見つけるのだが、これも今更感が漂う。これよりも後を考えると『聖預言の巻物』の方が大事なのだ。

 次に、不意に謎の特別製クローク『☆ベレグルヒ』なるものを拾った。正直よくわからない。なんだこれ?とりあえず装備してみよう、と思ったものの、Wと戦った際にえらくむやみに呪われたらしく、気がつくと5つほどの装備が呪われており、そのうちひとつが『エルフのクローク』であった。このゲームでは、呪われた装備はのろいを解くまで脱げないし、交換もできない。どうしたものだろうか。

 とりあえず、近所でたまたま『*鑑定*の巻物』を拾ったので読んでみたところ、この☆は魅力と麻痺、電撃への耐性をつけるようである。が、どれもいらなかったり被っていたりで、正直、必要なのは+16という”減らない数値”だけである(これだけでも相当なものだが)。むしろ、『エルフのクローク』の隠密+2の方が大切かもしれないくらいである。せっかくの『☆クローク』なのに、微妙すぎる。なにか悲しい。せっかくなので、一応もって帰ってお家に貯める事とした。

『エルフのクローク』の隠密+3も拾った。が、肝心なAC性能が+2となっていて、今装備中の『隠密+2、AC性能+6』と比較して、正直交換するほどの魅力を感じなかった。それでも隠密が+4以上あれば交換したのだが。ちなみに『エルフのクローク』は酸とか熱とかでは劣化しないので、ACがいつまでもそのまま保たれるありがたい装備でもある。

『殺戮のガントレット』も入手して喜ばしいと思ったものの、微妙な数値で、装備してみるとかえって打撃が減ってしまうものもあった。
 が、その直後、なぜかもう一度同じ『殺戮のガントレット』が入手できた。こちらは数値が高く、結果的に多少打撃が上がったので、装備してみることとした。そしてお世話になってきた『俊敏のガントレット』さんは荷物となった(そしてこれはこれであとから問題を生じるのだった)。

『オークスレイヤーのマンゴーシュ』さんはスルーさせていただいた。申し訳ない。

 ありがたいことに『(防衛者)メイス』を拾った。二人目の防衛者さんである。喜んで装備してみたのだが、どうもすでに持っている防衛者(グレートソード)さんの下位互換で、むしろない属性もいくつかあったため、装備交換の対象とはならなかった。惜しい。防衛者って一つで十分なんだなあ。残念だけど売り飛ばした。結構な金にはなった。ううむ。

 以前からお世話になっていた『俊敏のガントレット』さんを荷物にしていたのだが、間違って落としたら、呪われて一部の要素がマイナスになっていたためか、あらためて拾おうとしたところ「破壊します」と表示が出て、容赦なく破壊されてしまった。あれえええ、やめてえええ俺自身〜。こういうこともあるのか。しまった。器用さを補助してくれるアイテムがなくなってしまったわけだ。これはこれで痛い。

『追加攻撃のメイス』とか『地震の追加攻撃のブロードアックス(+3攻撃)』なども出ては来たのだが、正直あまり意味もなく、持ち帰りはしたものの、割とすぐにお店にドナドナされていった。地震って起こったら困るんですよあれ。いろいろなくなっちゃうし。しかし、このゲームは他にも『地震のなんとか』で追加攻撃が+3とか+5とかを見たことがあるのだが、地震と追加攻撃に何の関連があるのだろうか。

 それにしてもアーマークラスがコンスタントに50前後で実に低い。どうしたらよいものか。『☆装備』は出ることは出るが、パズルが微妙に完成しない。

 実は、このゲームでは地上の工房で防具の”防護レベル(アーマークラス)”を上げることができる。自分のレベル50では、どの機能も+10までは上げられる(お金はかかるが)。本プレイではそういう形で☆なしの防具の水準を保っていたのだが、このプレイでそれをやるのはやや気が引けている。おかげでどの防具もほぼ0か下手をすればマイナスの数値を示している。明示的な買い物はしないことにしているので、防具向上の巻物も買えないし、どうしたものかと思う。下手に落とすとまた自分に壊されてしまう。

 魔力支配がないためか、ロッドの種類によっては成功率が思ったより低いことが見えてきた(とくに周辺感知)。4回くらい試行しないと成功しないことも多く、このあたりもそろそろ少し考えたい。魔力支配を持っている『妖精のブロードアックス』さんの復活もありえる。

中間まとめ

 そんなこんなで6週目は終った。いろいろ試行錯誤をしたが、結局『箱はその場で開けるべし』ということを理解した。

第6.5週 悪化の一途

 体調がさらに悪化してきた。そこで医者に行くわけだが、また待ち時間にこのゲームをプレイするコトとした。


 16階17階18階19階とじわじわと薬などを拾い、20階に突入してみる。さすが20階、ドラゴンが出る。ドラゴンが出ると、アイテムも出る。

 そんなこんなで、このプレイで始めての★アイテムの登場である。『★バトルアックス『ロサラング』』である。しかし、装備してみてもこれというステイタスの変化が感じられない。なんだろうこれ。
#後で*鑑定*で調べてみたら、当然打撃は増すものの、それ以外には特にメリットのない武器であった。やっぱりなんだろうこれ


 ここで『忍びの影のクローク(+3隠密)』が登場する。これはよろしい。装備している「エルフのクローク」をこれに変えると、アーマークラスと隠密が多少変わるのだが、しかし知覚や探索能力は格段に落ちる。とはいえ、周囲の感知は基本的にテレパシーとか周辺感知とか啓蒙とかで行なっているので、別段どうということはない気がする。


 おお、『周辺感知のロッド』の3本目だ。これはこれでとてもありがたい。魔法の地図いらずである。
 欲を言えば、あとは『全感知のロッド』がもう一本と、やっぱり『鑑定のロッド』がもう2本ほど欲しいところである。なかなか出てこないものだなあ。
 ちなみに、現在『鑑定のロッド』は10から15ターンで再充填されるので、理論的には10本程度あれば無制限に鑑定ができるのだ(本プレイでは9本あるのでそれに近い状況になっている)


 20階ということで、例のごとく、オレンジpにいろいろ呼ばれてごたごたしているところで、もう一つ出てきたのが本プレイ二つ目の★装備、『★バック郷のスリング』である。加速+3は悪くないのだが、如何せん『スリング』なんだよなあ。うーん。鉄の弾とか集めてないよ。どのみちこの段階で出て来られても困るのだ。誰かこれきちんと装備して使っている人とかいるのだろうか。

 もしかして、これで『爆発の薬』とか武器として投げられるようになるのだろうか?


 ドラゴンを倒して『ドラゴンアーマー』を拾う。これはこれで嬉しいのだが、しかしこれを装備するとACは相応に上がるが隠密が下がる。ドラゴンはがさつなのだ。アーティファクト生成の元ネタにするのはよさそうであるが、どうしたものかと思うが、今回はまずは持ち帰って置いておく。


 ほかにも『強力射のスリング』とか『耐冷の革製ラージシールド』とか『耐電のフルプレートメイル』とか、さすがドラゴンさんは物持ちである。が、残念ながら持ち帰る事はできそうにない。


 不意に入手できた『吸血のグレートアックス』は、数値的には割と嬉しいものだったが、実際に装備してみると、これが与えるダメージは意外に『吸血レイピア』よりも低い。両手持ちだからではないかと思われるのだが、難しいところである。売ってもいいかもしれないが、とりあえず持ち帰り、その代わりに以前入手していた『吸血のムチ』を売り飛ばす。残念ながら拾ってから一度も装備しなかったなあ。


 全般的に、この暴れん坊将軍プレイになってからの持ち物は一応取っておきたいということもあり、自分の家のインベントリが一杯になってしまっている。不要と思われる武器などを売ってはみているが、すぐに一杯になってしまうのは困ったものだ。

 使うあてが大してないはずの『攻撃的ロッド』の収集とかがいけないのかもしれない。あるいは、さっさとサウロン先生に突撃して、9つもインベントリを使っている無駄な『ナズグルの指輪』を捨て去ってしまおうかという気すらし始める。あれ、どうせ使わないし。


 しかし、ここまで来ても20階を安全に渡ることは難しい。17、8階で物資を調達して、それを20階での探索で消費するということの繰り返しになっている気がする。少しずつでもアーマークラスが上がっていければ、もう少しきちんとした戦いになるかもしれない。使える☆とか★が出てくれば何とかなるものと思われる。


 そんなこんなを考えているうちに、病院の自分の番が来た。

第7週 復活の日

 プレーヤーの体調がさらに悪くなり、なんとある朝倒れてしまい、救急車で病院に担ぎ込まれて入院という状況となったが、幸いにも二日ほどで復活した。
 復活退院が週末だったので、なんとなくこのゲームをプレイした。


 地下15階から18階程度をうろうろする。薬や巻物を確保する。
『アンデッドスレイヤーのグレートアックス』を入手するのだが、これを装備しても『対地獄』が加わるだけで、打撃も落ちるし吸血もなくなるし、ということで残念ながら、さようならとする。そもそも前に拾っていた『アンデッドスレイヤーのバトルアックス』の完全下位互換であった。おまけにそれほどの値段にはならなかった。空しい。

 しかし、どんどんアーマークラスが悪くなる。参る。

 呪われていない『折れた剣』を修復すると高級品が出るといううわさで試してみたが、残念ながら単なる『マンゴーシュ(+6,0)』とあいなった。こちらも空しい。

『穴掘りのつるはし』も入手したが、本当に穴掘りの能力しかなかった。つるはしだからねえ。さようなら。

 久々に『全復活のロッド』を拾った。本プレイでも2本しか拾っていない貴重品である。これがあれば『全復活の薬』がいらなくなるか?といえば、おそらくそうはなるまい。魔力道具利用が弱い昨今では微妙なところである。貴重品ではあるのだが、これも留守番かもしれない。前にも言ったけど、このゲーム、最後にはなんだかんだで薬なのよね。

 ロッドのメリットは炎とか酸で消えないところなので、物資の収集の際にはこれをもって行くのはよいかもしれない。もっとも、物資の収集などの際にはそれほど危機に陥るようなこともないので、これ自体が不要なのだ。ついでに言うと、『全復活の薬』は最近は結構落ちていたりするので、それほどの貴重品感覚がない。飲みたいときに好きに飲んでよい感じのアイテムであるので、ロッドになってもありがたみに欠けるというのが本音である(同じことは『スピード』『癒し』にも言える)。


 引き続いて地味に16−19階を探索する。すると、ついに自宅に『スピードの薬』が99個溜まってしまった。これである意味もう好きなように使える。『体力回復の薬』も同様である。が、『*体力回復*の薬』はさすがにまだ3つしか拾えていない。これは本当にレアである。『凡庸の巻物』よりも見ない。


 しかし全感知も鑑定もここまでほとんどロッドを拾わない。ちと辛い。『イルミネーションのロッド』ばかり23本も溜まってしまった。とかぼやいていたら、『周辺感知のロッド』の4本目を拾った。これはこれで『魔法の地図の巻物』が不要になるのでありがたい。とはいえ、これは難易度が高いらしく、3回連続で失敗するなどがざらになっている。これでも一応魔法道具利用は”超越”になってはいるのだが、見た目の表記だけではない”何か”があるのだろう。こういうところを鑑みると『妖精のブロードアックス』さんのありがたみが次第にわかってきた。


『勇者のアミュレット』を拾って自宅に持ってはいるのだが、結局テレパシー機能の必要性から、持っているだけでほとんど装備していない。これは何とかしたいものだ。

 さらには装備がへたりすぎてアーマークラスはなんとわずか40である。どうしたらいいのか。

『勇者のアミュレット』をもうひとつ拾ったが、もともとある耐性とかぶりすぎる。良く調べたら、今もっているものの完全に下位互換であった。うーん、そういうものなのか。売ったら3万になったのでそれはそれでと思う。これで財産が700万ゴールドを超えた。

『エルフのクロスボウ(+2隠密)』をがれ場から発掘するが、隠密が+2ではなあ。やはり売り飛ばす。


 18階で一匹だけドラゴンに遭遇したが、残念ながらたいしたものは持っていなかった。そうだよなあ。雰囲気白かったし。


 そんなこんなで、やはりドラゴンがうろうろしている20階に突入しないとだめなのだと思いつつ、そして、アーマークラス40でどうやってドラゴンの群れとまともに戦うのか、わからないと思いつつ、終わりとした。

7.5週 療養の日々

 退院後も療養が必要となっている。

 ということで、その件も含めてまたお医者に通うこととなり、必然的に待ち時間があり、その間にこのゲームをプレイすることとした。


 とはいえ、ほとんど進展がない。18、19階というあたりをうろうろすると、得るモノも大きいが失うものもあり、正直あまり嬉しくない。といって、16階17階を徘徊すると、それはそれで退屈である。どうしたものか。

『エルフのクローク』を見つけるが、隠密+2ということでスルーせざるを得ない。
『アニマルスレイヤーのなんとか』(覚えてもいない)も見つけた瞬間からスルー決定である。すまぬすまぬ。アニマルはねえ。

 一方、最近は、最終戦に必要と考えられるようになった『対邪悪結界の巻物』を集めつつある。それを含めて、やはりインベントリが足りなくなりつつある。探すと意外に落ちていないもので、かなりの回数潜っても現在までに5巻が溜まっただけである。そもそもこの巻物、レベルの高い敵にはきかないという噂を読んだのだが、真偽が定かではない。レベルの高い敵ってどこから?バルログには効くのか?


 18階で青Tの群れに遭遇し、適当に戦っていたところ、いつもどおり呪われまくってACが16にまで下がっていた。16って、どんだけ呪われてるんだ。素の身体ACがそもそも7あるわけで、それ以外にわずか8だけというのは、ある意味すさまじい呪いである。
 ちなみに、なぜ呪われることでアーマークラスが下がるのか、という説明は私にはできない。

 それでも大してダメージを食らわないのは、さすが『吸血ソード』さんのおかげである。ドラゴン相手だとさすがに少し削られるが、それでも少し休めばすぐに回復できるレベルである。

『解呪のスタッフ』を拾って呪いを解けばAC40が付近まで回復するのだが、それでも40なのだった。もしかして、俺、実は鎧とかいらなくないか?さすがにそうもいかないか。

 とにかく、18、19階で薬や巻物を使わないで耐えられれば収支は黒字である。がんばろうと思う。使うなら20階以降であろう。

『反魔法のアミュレット』とか出てくるのだけど、正直アミュレット枠はテレパシーで手一杯であるし、そうでなければ勇者さんの出番である。どうしたものかなあ。テレパシーの冠が出ないかなあ。

 すると、不意に『スピードの指輪+4』が出てきた。微妙ではあるが、『殺戮の指輪』に代えて一応装備してみる。が、やはり微妙ではある。与えるダメージが400から300にとかなり減ってしまったので、やめようかなあ。もう少し戦って判断しようと思う。


 などとぼやきつつプレイしていたら病院が自分の番になった。
 地味な日々だ。

第8週 一進一退

 体調は一進一退である。
 週末が来たので、とりあえずプレイしてみた。


 19階のガレ場をあさるが、正直大したものがない。とはいえ、お土産の類の巻物や薬などがいくつか溜まったので、すぐにお家に帰ることにした。


 さらに、もう一度19階に戻ったものの、なぜかその階には上がる階段が見つからず、仕方なく20階に下りていく。20階にはドラゴンが2、3匹たむろしていたのだが、残念ながらあまりこれというものがなかった。


 仕方なくもう一度19階に上がってうろうろしていたら、
『☆鋼鉄ヘルメット『ミスガエア』』
なるものを拾い上げた。早速装備してみると、なんとACが60にアップである。久々に心躍る。が、それ以外の特殊能力がどうも何もないように見える。なんだろうこれ。

 あとから*鑑定*してみると、なんのことはない、『寒さへの耐性を授ける』だけの本当になんだかわからない装備であった。☆で削られないことだけが取り柄である。しかしそれなりにありがたい。

#と当時は思っていたのだが、さらに後から観察すると、このヘルメットは、装備すると打撃精度にサポートがある装備だった。プレーヤーは当時この意味が理解できていなかった。これはこれで本当は貴重だったのだ

☆鋼鉄ヘルメット『ミスガエア』 (+14,+0) [6,+14] {r冷}
それは寒さへの耐性を授ける。
それは酸・電撃・火炎・冷気では傷つかない。


 そして、ついに『ランタン』の油が切れた。24本もある『イルミネーションのロッド』でしのいではいるが、毎回のコマンドが面倒で仕方がない。
 と思っていたら、なんとタイムリーに油つぼを拾う。こういうところは割と運が良い。


 しかし、ロッドの失敗や罠解除の失敗が妙に増えてきた。なぜだろう?特に呪われているわけではないのだが。

 ヘルメット装備を変えたら器用さへのサポートがなくなったのが原因だろうか?何事も一長一短である。


 というところで『エルフのグレートソード』を拾う。これはどうも隠密と遅消化がついているらしい剣である。吸血能力はなくなったが、これはこれでダメージも増えたし、隠密はなんと「英雄」クラスになった。その名の通り、なかなかグレートな剣だ。少し使ってみようと思う。

 良く見ると、この剣のおかげで器用さと知能と魅力が2ずつ上がっている。知能と魅力はさておいて、あらためて器用さが上がっているので打撃回数が増えてダメージが上がっているし、またこの影響で罠解除の失敗が減ったようだ。さすがエルフの名を冠するだけのことはある。ついでに光源の機能もあり、吸血能力がなくともこの階層ならそこそこいけるかも?という気がする。


 基本的な自分の戦い方が、まずは敵がこちらに気がつかない状況で先制攻撃をかけて素早くつぶしてしまうという方針なので、隠密とスピードが命となる。それ以外は『それほどひどく失敗しなければ良い』という程度である。

 拾っていた『冷気の鋼鉄のクロスボウの矢』を使い果たし、事実上使える矢がなくなってしまったので、どうせならということで、先日拾っていた『高速度のショートボウ『焔燕』』を装備してみる。やはりHPが1000を超える。加速もこれまでと変わらず+4である。なるほどなあ。こうなるともう武具ではなく単なるHP増強+加速装置である。ちなみにこの『ショートボウ』で使える矢は持っていない。そう、一本も持っていないのだ。


 とはいうものの、特に問題なく潜っていく。
『エルフのグレートソード』さんの調子がよいので、『吸血ソード』さんもお家でお留守番である。よく考えるとグレートソードの両刀使いと言うのはなかなかすごい。俺は宮本武蔵か。

 それにしても先日拾った『☆ヘルメット』に強い呪いがかかってしまっていて、通常の『解呪のスタッフ』では解けてくれない。8800$もかかる『*解呪*の巻物」を使わねばならないと思うと多少気が重い。高いんだあれ。


『耐酸の金属性スモールシールド『蒼燕』』を拾ったが、残念ながらいまひとつである。銘入りなのになあ。むしろ銘無しの『反射の革製シールド』を試してみることにする。ACが75まで上がる。これでとりあえず一度潜ってみる。適当に戦ってみるが、それほど悪くない。実は二刀流ってそんなにメリットなかったのか? やや疑念を抱く。

『全感知のロッド』の2本目がやっと出た。これで少し楽になる。『全復活のロッド』も再度出てくる。『癒しのロッド』も3本目くらいだろうか。


 2階続けて『少しは運が向いてきたか』という表示が出たものの、特に何も得るものがないことが続く。なんだろうこれ。このロッドの群れのことなのか?


 18階のがれ場をあさっていたら、やっと出た出たやっと出た、ゲームのアイドル『鑑定のロッド』2本目である。これはとてもありがたい(”ヤットデタマン”とか知らないだろうなあ)。

ルビーの指輪

 と、次の19階(雰囲気白だったが)で不意に出現してきた『ルビーの指輪』。曇りガラスの向こうに雨が見える気分になる。
 ちなみに、未鑑定ということは新しい何かである。

 早速鑑定してみたら、なんとここで
『★勇猛なるトゥルカスの指輪』
が出現した。当然全プレイを通して初めてのご登場である。トゥルカス様とは、指輪物語世界の中で最強のヴァラール(神様)であり、相当なご利益が期待できそうだ。

 直後に『*鑑定*の巻物』を拾ったので確認すると、この『★指輪』、加速と腕力と耐久力と、あと器用さに+4されるようだ。これは戦士としては万能に近い底上げである(どうも能力修正などの一部は、やはり『*鑑定*』されないと明確な表示にならないようだ)。<

★勇猛なるトゥルカスの指輪 (+4) {{+速腕器耐!!}}
ヴァラールの中でも最も素早くかつ勇猛なトゥルカスの宝だ
始動したときの効果...
加速(期間 20+d20) : 250 ターン毎
...ただし装備していなければならない。
それは腕力に影響を及ぼす
それは器用さに影響を及ぼす
それは耐久力に影響を及ぼす
それはスピードに影響を及ぼす
それは酸・電撃・火炎・冷気では傷つかない。

 ともあれ、早速はめてみる。

 とりあえず、HPがさらに100ほどアップした。明らかに本プレイを上回る数値である。詳細は、と見ると、腕力が***(測定限界を超えている表示)、耐久力も217とほぼ同様の水準である(***表示になるのは220以上)。あと、特に表示はないのだが、加速が15のままだ。ということは、おそらく加速機能も持っているのだろう(表示はされていないけど)。逆に言えば、それ以外の機能があまりない。さすが戦いの神様である。もちろん自分の職業は戦士なので問題はなさそうであるが、もしこれからスピードの指輪+10とかを拾ってしまうと、どうしたものかということになるかもしれない。とはいえ、もちろん本プレイの最終装備候補である。

 事実上『スピードの指輪+4』の超上位バージョンであったので、即座に装備して実戦に望む。ちなみに売り飛ばしたスピードの指輪は3万になったのだが、売値はなんと17万となっていた。おいおいそりゃないぜミスター。

 これでACがなかなか減らない79になってようやく勝負になってきた。

 などと未だに地下18階付近でぶいぶい言わせているへたれ君主は思うのであった。

初登場!

 しばらくいくと、またもや19階でこの段階での”未知の巻物”が出現した。何だこれと鑑定したところ、こちらも本邦初登場、『*獲得*の巻物』であった。へええ、こんなものがあったのか、と感心する。単なる『獲得の巻物』は一つだけ高級品以上を落としてくれるアイテムだが、この『*獲得*の巻物』は、2,3個頂けるというありがたい逸品である。

 とはいうものの、そもそもの『獲得の巻物』自体が微妙な高級品を落としてくれるなんとも言い難いものであるので(先日出てきた『耐酸のドラゴンシールド』など)、それが複数回繰り返されるとしてもそれほどの期待をしてはなるまいと思う。

 ちなみに、とりあえずブラックマーケットに持っていったところ、即座に最高値20000円の値段がついた。初めての経験である。さすがに売らなかったが。果たして、売ったらいくらで販売されるんだろう。見当もつかない。

*獲得*実験

 ここで問題になるのが、この『*獲得*の巻物』の効果が実行階によって異なるという説である。では実験してみよう。

 世界をいくつかに分けてみる。
 1回目は安全な地上で読んでみる。
 結果は3つであった。

  1. 『美貌の硬革帽子』 魅力に影響を及ぼす 永遠の明かりを授けるなど
  2. 『ドワーフの鉄鋲底の靴』 腕力と耐久力 ACが74から86に上がった。ただし、耐久力が1111から1086に少々下がった。
  3. 『追加攻撃のダガー』 打撃回数に影響を及ぼす

 確かに如何とも評価し難い。まともなのは唯一ドワーフ靴だが、しかしHPが現状の軟革ブーツよりも下がるのは微妙にどうしたものかと思う。

 で、世界を戻し、今度は20階付近に潜って試してみる。

  1. 『耐電の金属性ブリガンダインアーマー』
  2. 『★ヒムリングの硬革よろい』
  3. 『耐電のローブ』

 ★がでてきたとはいえ、微妙さの点ではやはりなんとも言いがたい。
 この★ヒムリングさんは、調べてみると、多少は硬いが、現状装備の『☆ヴォロロド』さんの隠密+4以上のメリットがあまりないようだった。

 今度は無理やり地下23階まで潜って試してみた。

  1. 『耐電の軟革よろい』
  2. 『電撃の首切りソード』
  3. 『邪滅の粉砕のメイス』

うーん、かえってタコになってないか?

もう一度地上で読んでみよう。

  1. 『(防衛者)ブロードアックス』
  2. 『美貌の硬革帽子』

 あれ、これだけ?あきらかにレベルが落ちている気がする。
 もう一度19階で試してみよう。

    『耐冷の鎖かたびら』
    『ドラゴンアーマー[15,13]』

うーん、どうなんだこれ。『アーティファクト生成の巻物』の素材にしかならないぞ。そもそもドラゴン何とかはもう結構あるし。

また地上で試してみる。

    『知能の金属帽子』
    『殺戮のフレイル』
    『強力射のロングボウ』

 うーん。

 さらに地上で

    『麻痺しらずのガントレット』
    『知能の硬革帽子』

 うーんうーん。

 もう一度19階で。

    『凍結のダガー』
    『耐火の軟革よろい』
    『★金髪のケレゴラムのラージシールド』

(3)は一見素晴らしいのだが、機能があきらかに防衛者さんと被っている(かつ少しずつ足りない)し、ACも『反射革製ラージシールド』と比べてそれほど上がらない。メリットは対地獄があるくらいだろうか。最終戦付近に重要になるのかもしれないが…

今度は中間階層の10Fで。

    『高精度のクロスボウ『烈鷲』加速+2』 加速+4あれば考えたが…
    『毒殺のランス』
    『耐電の金属製ラージシールド』

さらにもう一度。

    『★ガントレット『パウアハッハ』』⇒調べてみると実はこれも微妙。
    『尊厳の金の冠』

13階で

    『護りの首切りソード』
    『耐酸の軟革よろい』
    『32本の破邪の矢(+6,+6)』

 明らかにタコである。

 次は14階で

    『★ロングソード『オルクリスト』』⇒悪くないけど実は現状装備では防衛者さんと代えるほどよくもない
    『追加攻撃のロングソード』
    『電撃の毛皮のクローク』


 そろそろ飽きてきた。


 少なくとも、地上で読んだ場合には、まともなもの、特に★は出てこないように見える。
 とはいうものの、深い階層ほど良いものが出るかといえば、どうもそうでもなさそうだ。何が影響するのだろうか。それとも、単なる偶然なのだろうか。


 また、いろいろ試してみてわかったのが、減らないAC以外、役に立っていなかったと思っていた☆ヘルメット『ミスガエア』さんを外すと、精度が大きく落ちることだった。へー、そうだったんだ。

 よく見ていなかったけれど、通常の[ ]のAC数値以外に、確かに( )に入った数値がある。これが精度と打撃力に影響を与えていたようだ。気がつかなかった。うかつに捨てられない。

 あと『殺戮のガントレット』さんも、地味に精度と打撃力にきいていた。なるほどなあ。殺戮さんはあれはあれで外れってことはないのね。
 なんだかんだで戦士は直接攻撃が一番強力だしねえ。


 ともあれ『*獲得*の巻物』をここまで試してわかったことは、得られる品がの個数が2、3個といっても、まともなものはそのうち一つあるかないかである。★が複数ということはまずなさそうだ。


 正直なところ、この特殊な巻物は扱いに困った。1巻しかないし、自宅にはもうあまり置き場所がないので、とっておくこともしたくない。とはいえ、使うのは良いけれど、何が出てくるのがうれしいのかもよくわからない。

 テレパシー装備の小手や鎧とか盾(あるのか?)が出てくれればそれで善しとしたいと思っていたのだが、ありがちな話で、こういうときに限って出てこない。せめて『アーティファクト生成の巻物』あたりが出てくれれば、なんにでも転用できるのだが、そういうものは出てこないのだろうか。


 かくして実験の途中で8週目は終った。微妙に宙ぶらりんである。

8.5週 待つ時間

 例のごとく医者の待ち時間でプレイしてみる。

 なお、実験はもうあきらめて、件の『*獲得*の巻物』はとりあえず自宅に無理やりスペースを空けて保管とした。一旦忘れよう。


 ということで、あらためて中階層に潜る。


 潜ってすぐに『全感知のロッド』が一本加わる。ありがたい。


 さて、ここで、少し溜まってきた『啓蒙の薬』を使うことを考える。この薬があれば、その階の地形や地図はすべてわかってしまうはずなので、『全感知のロッド』も『周辺感知のロッド』も不要なはずである。
 ということで、この2つロッドを自宅に置いて、『啓蒙の薬』2つだけを持って潜ってみた。2階層程度を探索する予定で、各階で一つずつ消費という腹積もりである。ちょうど使い終わればインベントリも空くし、一石三鳥である。


 で、試してみたところ、確かに有効なのだが、どうもおかしい。遠くの地形は上手く認識できないような気がするし、何よりも各種トラップに引っかかるようになった(特にテレポートの罠)。どうも『啓蒙の薬』は知能や知覚に関連して、表示される情報が変わってくるのかもしれない。

 そこで詳しく調べてみると、この『啓蒙の薬』は全体マップは表示してくれるものの、トラップまでは表示しないといことらしい。


 ということで、たとえ『啓蒙の薬』があったとしても、やはり『全感知のロッド』や『周辺感知のロッド』が不要になることはなさそうである。そうなると、むしろ『啓蒙の薬』の方が不要になる感じだ。マップ探索の初期に拾ったらその場で飲んでしまう、くらいでよいのかもしれない。


 また、理由はわからないが、一度幻覚に陥った。こういう時に限って『癒しの薬』も持っていない。これは厄介である。

 幻覚状態では、あらゆる対象が混乱して見えてしまうため、戦いにくいことおびただしい。物品については、直接触れれば確定できるが、見た目がどんどん変わってしまうのでやはりやりにくい。

 さらに、よせばいいのにその状態で”召還のルーンのトラップ”が刻まれた箱を解除しようとして失敗、さらにもう一度失敗。その結果、あたり一面にぎらぎらと七色に輝く謎の敵が出現するという状態に陥った。
 とりあえず真面目にテレポートして(久々だ)逃げ出し、ターン数を稼いで幻覚をなくして(結構かかったが)から戻って戦った。正気に返ってみれば雑魚の群れであった。やれやれである。


 不意に『☆のヘルメット(細かいところを記録していない)』を拾うのだが、今一であった。うむ。美貌とか知能とか戦士のワシには基本不要なのじゃよ。今まさに欲しいのは「テレパシー機能」なのじゃ。さらばじゃ。もっとも一度こういう装備を重視して戦ってみるのも面白いかもしれない。何かが変わるのだろうか。

★バルド弓 登場!

 19階でうろうろしていたら『★バルド弓』がついに出た。

 これは指輪物語の前日譚となる作品”ホビットの冒険”の中で、人間の勇者(といって良いんじゃないかと思うんだが、あまりそういった風にみなされていないのが不思議)である”湖の街のバルド”さんが、一撃でドラゴンを葬り去ったというありがたい強弓である。これを対をなす『★バルド矢』はずいぶん前に本プレイ中に入手していたので、これでありがたい『★バルドセット』がそろったことになる。
 これで君もドラゴンを一撃で倒せるぞ!

 が、この「★バルド弓」の特性がまた今一つ微妙であった。
 こんな具合である。

★射手バルド王のロングボウ (x4) (+17,+19) (+3) {{+器;麻倍}} 後に王となる湖の街の陰気面バルドが竜を射抜いた伝説のいちいの弓だ。彼が龍を射抜いた矢は歌に唄われ語り継がれている。
それは器用さに影響を及ぼす。
それは麻痺に対する完全な免疫を授ける。
それは矢/ボルト/弾をより強力に発射することができる。
それは酸・電撃・火炎・冷気では傷つかない。

 御覧の通り、弓としては強力だが、付加機能が特にないので、現状の『加速+4と耐久力+2』の銘入りのショートボウと交換するにはいささか躊躇せざるを得ない。そもそものターゲットであるスマウグさんも本プレイでとうの昔に倒してしまっているので、存在意義自体が微妙であったりもした。だってスマウグさん、HPたったの2000くらいじゃないですか。普通に普通の武器で倒せてしまうわけですよ(舐めた物言い)。

 まあ試しに並D相手に使ってみてもいいかもしれないなあ。一撃でドラゴンを倒せるというのはそれはそれで楽しいかも。それとも、あれは対スマウグさん専用のスレイングなんだろうか。いずれ試してみよう。もっとも『バルド矢』は一本しかないので、どの道使いにくい。コピーして増殖させられればいいのに。『複製の巻物』とかないのだろうか(たぶんない)。

 でも、良く考えたら、これって普通の「ロングボウ」だ…自宅に溜めている矢はすべて「クロスボウ」用の特殊矢なので使えないではないか。どうしたものか。今から普通の矢を溜めるか?やはりアホだ。矢のパワーとしては通常の矢よりもクロスボウの矢のほうが大きいし、特殊機能もある逸品も多い。必然的に最終装備はクロスボウにならざるを得ない。

 なんだかバランスが悪いことだ。

テレパシー武器と装備交換

 ふと銘入りの『人殺しのブロードソード『なんとか』』を拾う(かなりいい加減)。どうせ役に立たないよなあ、と思いつつ、たまたま拾った『*鑑定*の巻物』で調べたら、意外にも”テレパシー”の能力がついてくることが判明した。

 あれまあ。そうなると話は違う。単なるテレパシー能力の付加に占有されていたアミュレット枠をこれで開放できるのだ。ということで、久々に二刀流に舞い戻った。ACは多少減るが仕方がない。こういう付加機能の『武器』が存在するとは、これまで気がつかなかった。後から調べてみると、すべての『人殺し』武器にテレパシー能力がついているわけではないようなので、これはいわゆる『銘入り』装備の”追加機能”のようだ。


 そうして久々に『勇者のアミュレット』を登板させてみたのだが、意外にこれが防衛者さんと耐性が被りまくっている。ということは、いらないということだ。むしろ、今必要なのはむしろエライ勢いで失敗しまくり(普通に連続4,5回は失敗するようになったのでイライラする)の『周辺感知のロッド』の確実な起動なので『魔法道具支配のアミュレット+2』をリリーフでマウンドに上げる。これはこれでアミュレット枠が魔法道具支配専用になってしまっているわけなので、状況はあまり変わっていないのかもしれない。


 結局、魔法道具を武器でサポートしたいなら(ここしばらくご無沙汰ではあるが)『妖精のブロードアックス』さんに、テレパシーを武器でサポートしたいならこの『人殺しのブロードソード』さんに、各々頼ることになるわけで、残った部分をアミュレット枠でサポートするという構造は変わっていないのだった。


 もっとも、★装備以外にアミュレット枠でなにか有効なものがあるのかといえば、実はそれほどないので、今回の縛りプレイ(ここまで装備が充実してくると、もはやあまり縛られていない気もするが)では結局この『勇者のアミュレット』くらいしか該当装備がないかもしれないと思う。ゲーム開始時に目撃した件の『英雄のアミュレット』が本当に存在していれば、装備してみたいものだと思うが、おそらく適わぬ夢だろう。


 というあたりで自分の番が来た。

第9週 テレパシー

 深夜にふらふらと適当に潜る。

 すると、20階で『☆鉄ヘルメット『サウアドリング』』発見。なんだこれ。*鑑定*したところ、テレパシー持ちであった。全体はこんな感じだ。

☆鉄ヘルメット『サウアドリング』 [5,+20] (+3) {{+賢器魅r炎轟;感明(賢}}
それは賢さに影響を及ぼす
それは器用さに影響を及ぼす
それは魅力に影響を及ぼす
それはあなたの賢さを維持する。
それは火への耐性を授ける。
それは轟音への耐性を授ける。
それは永遠の明かりを授ける。
それはテレパシー能力を授ける。
それは酸・電撃・火炎・冷気では傷つかない。

 これでようやくテレパシー機能のある防具装備が入手できた。テレパシーということで、頭装備だとしっくりくる。しかもACが23ということで割と硬い。これ、もしかしたら、本プレイで使っている『★スランドゥイル王の硬革帽子』よりも良いかもしれない。ひょんなところで最終装備候補出現である。

 さて、そうなると、他の装備も多少代わってくる。テレパシー機能のついた『人殺し』さんにはお家に帰っていただき、久々に『妖精のブロードアックス』さんにご登板願う。これで魔法道具の成功率が上がり、かつ他の機能もいくつか付加される。アミュレット枠は結局『勇者』さん以外に該当なしということで、他の装備と被りまくったが、仕方がない。あまり意味もなく「火オーラ」とかついたりした。あとは精度と打撃力が少し上がったはずである。もしかしたらここで『反魔法のアミュレット』の出番かもしれなかったが、手元になかった。今度見つけたら拾っておこう。

 結果的に、打撃も500近くになり、ACがコンスタントに80を超えた。ありがたい。隠密は超越、スピードも+16と、まあほどほどである。


 その後『西方国のロングソード』も出たりしたのだが、今一つ使い道がなく、持ち物スペースに余裕もなかったので現地で別れを告げた。さらばである。君のことはたぶん忘れない。

王の不意の帰還

 この状態でなんとなく21階に潜ってみたところ、オレンジGが群れを成していた。「ドリード」というモンスターの皆様である。深層では珍しくはないが、集団でまとまっているのはこのゲームではじめて見る状況だ。いわゆる”ピット”という状態になっている。

 なぜか瞬間的に感知され、わらわらと迫ってくるではありませんか。G系の皆さんは幽体なので、色を問わず壁抜け能力を持っている。そのため、道を通らずに、一面の波のように@に迫ってくる。ちょっと怖い風景だ。おまけに速い。こいつら本気だ。

 例のごとく『ヒーローの薬』を飲んで、『スピードの薬』を加速して、『聖唱歌の巻物』を詠って『耐性の薬』で二重耐性を張ってまじめに戦ったみたが、存外面倒であった。先ほど述べたように、この皆さんは幽体なので、壁とか関係なくわらわらと群れて向かってくる。そのため、必然的に@は”囲まれる”ことになる。

 一匹あたりは雑魚打撃とはいえ、囲まれるとさすがになんだかんだで細かくHPを削られる。昨今珍しく『体力回復の薬』を2服ほど使ってなんとか数十匹を退治した。いやはや。合計600回復は割と大きい。

 それはそれとして、なんとか攻撃の第一陣を捌いた。残りの皆さんは、恐れおののいてどこかに散っていってしまったので、それはまた後から何とかしようと思った。


 さて、このオレンジGのありがたいところは、実は結構な物持ちであることだ。一通り退治し終わると、かなりの物資が残っていた。一山17個とか20個とか、ある意味D以上にお宝もちである。

 まず真っ先に拾えるものを拾う。おお、欲しかった『鑑定のロッド』がひとつ出てきたぞ、これで3本目だ。ゲットだぜ。ラッキー、などと必要なものを少しずつピックアップした。


 ところが、だ。
 さてこれから本格的に鑑定を、と思ったところで、なにを勘違いしたのか、間違った巻物を読んでしまった(らしい)。しかも、それがよりによって『レベルテレポートの巻物』であった(ようだ)。あれよあれよという間になすすべもなく上の階に上昇して行く。
 ああああ何をやってるんだ俺は。
 そして、さようなら、未鑑定アイテム達よ。

 半年以上プレイしてきて、こういうおかしなミスをするのだなあ。不思議でならない。階が下がっていかなくてまだ運が良かったかもしれないが。

 このゲームでは、これはもうあきらめるしかない。戻ったところで、それはもう別な世界である。オレンジGピットに出会うことも、おそらくもうあるまい。
 このゲームでは、どの敵も、どの階も、どのアイテムも、一期一会なのだから。

ロッドの意味

 気を取り直して、20階で例のごとくがれ場をあさっていたら、未鑑定『銀メッキのロッド』が出る。はじめて見る。なんだろう。鑑定したところ、初登場『体力回復のロッド』である。うーん。使えるのか使えないのか。というか、まだ世界にこんなものがあったのかという意味で驚く。

 調べたところ、回復力は500あるので、通常の『体力回復の薬』(通常300の回復)よりも大きくありがたいのだが、一度使った後でどのくらいの頻度で回復させていただけるのかが問題となる。それによっては使えるかどうか、というところである。概して薬類の方が確実なんだよねえ。皆さんが最終決戦等で持っていかないのも推して知るべしである。ロッドは失敗もあるわけで、大事な局面では頼りにくい。


 その後、ある階で『鑑定のロッド』を2本立て続けに拾い、幸せな気持ちになる。これで探索がかなり楽になった。『箱』を見つけて罠を鑑定して、複数個の中身を鑑定して、となると4、5本は必要なのだ。これで探索効率が上がる。


 と、不意に『凡庸の巻物』を発見する。先日の教訓から、即座に『帰還のロッド』を振り、安全な場所で待機した。今回は無事持ち帰った。一安心である。

願いの狼狽

 さて、さらに潜りなおしてまた20階付近をうろうろしていると、道端で『願いのスタッフ』を発見する。まずは反射的に拾う。

 拾ってから一瞬狼狽する。


 え?

 『願いのスタッフ』だって?


 鑑定してみても、確かに『願いのスタッフ(1回分) 』である。間違いない。

 はい?

 おいおい。

 なんということか。
 このゲームで最もレアといえるアイテムを『再度』拾うとは、なんということか。
 無条件に即座に即効で帰還する。


 とりあえず、何に使うのか思いつかないので、まずはお部屋に溜めておくことにする。先ほど拾った『凡庸の巻物』を、以前から持っていて残り回数が0になっていた『願いのスタッフ』(そう言えばこれは何を願ったのだったかなあ?実験だけして実際には何も得ていなかったような気もする)も初期化して利用可能にして(『凡庸の巻物』にはこういう裏技的な使い方があるのは先に述べた通り)、自宅のインベントリを少し節約した。

 しかし、普通は『願いのスタッフ』複数とか、ありえないだろう。どういうことか。

 願うものがあるとしたら、それはもちろんスピード系の三種の神器なんだが、さすがにそれを願ってしまうとゲームが終わってしまう気がする。そもそもこれらはプレイ的に『拾ってナンボ』という気もする(特に『★フェアノールの硬革ブーツ』)。

 せめて『アーティファクト生成の巻物』くらいがいいところだろうなあ。ドラゴンセット作ってみようかなあ。ドラゴンアーマー、ドラゴンシールド、ドラゴンヘルム、ドラゴンブーツ。ドラゴングローブの5点セットである(武器はなく、すべて防具であったはず)。これらをすべて☆装備にできれば、これまでとは別な観点から装備を組み立てることができそうで、楽しそうだ。

 などと妄想しながらあらためて潜っていたら、なんと、その『アーティファクト生成の巻物』を立て続けに2巻も拾ってしまう。この暴れん坊将軍プレイで初である。あれえ。どうなってるの?
 こんなに運が良くていいのだろうか。


 さて、こうなってしまうと、正直手がつかない。
『*獲得*の巻物』ですら保留中なわけで、さらに複数の『アーティファクト生成の巻物』、ひいては複数の『願いのスタッフ』が手中にある。これらの品は、実のところゲーム自体を壊してしまう危険性があるアイテムであり、とくに『願いのスタッフ』は、★装備であっても(名称をきちんと書きさえすれば)普通にころりと出てきてしまう。地上でも問題ない。しかも、通常は一回限りの利用なのだが、『凡庸の巻物』を使えばリセットできてしまうので、現在自分はその気になれば9回初期化できる。こうなるともう何でもありになってしまうのだ。


 実は本プレイで『願いのスタッフ』を拾ったときにいろいろ実験をしたのだが、『★リンギル』『★クブラゴル』『★フェアノールの硬革ブーツ』を出して装備し(この3点セットで加速+30である。ちなみにこの値はラスボスであるモルゴスさんの加速と同値である。)、何も考えずに特に準備もせずにバルログのトップであるゴズモグさんに挑んだところ、(護衛の諸君がうざかったので『テレポートアウェイのロッド』を1回使った以外は)『クロスボウの特殊矢』で削っておいて近接戦闘、という一般的パターンでほぼ問題なく退治できてしまったという記憶がある。そのとき、このゲームはスピード命なのだなあ、と思った。

 なので、これらの万能アイテムについては、使うのにいささか躊躇する。

 そもそもこの『裸一貫プレイ』を考え始めたのも、そのあたりからだったような気がする。何でもできてしまうので、逆に何か縛りが欲しかったのだ。


 なお、調子に乗って拾い続けている『帰還のロッド』は12本、『イルミネーションのロッド』に至っては40本になってしまった。明らかに馬鹿である。これだけで重さが20キロ以上あり、重量オーバーの源となっている。そろそろまじめに処分を考えないといけないのだろう。


 しかし、こうなると9つもある不要な『ナズグルの指輪』が自宅で邪魔で仕方がない。さっさとサウロン先生に立ち向かって、その前に件の指輪たちを『凡庸の巻物』でただの鉄の指輪にして、挑発するのに使うべきだろうかと思っていたのだが、『願いのスタッフ』を複数拾ってしまった今となっては、そんなことに『凡庸の巻物』を使うこと自体がもったいない気がしてきた。


 などと考えて第9週は終わった。

第10週 実験

実験1 ドラゴン実験

 まずは、いろいろと並行世界で実験してみた。

 ためしに『ドラゴンシリーズ』のアーマー、シールド、ヘルム、ブーツ、グローブに対して、『凡庸の巻物』を利用してリサイクルした件の『願いのスタッフ』で『アーティファクト生成の巻物』を願い続け、読んでみることを繰り返した。果たして、ドラゴン的なアイテムだけで満足のいく装備ができるのか、という点の確認である。


 結果的には、実は基本耐性などがばらついているのと、また結局『反魔法』のついたアイテムは出なかった。あれは相当にレアなのだなあ(実はドラゴン装備ではつかないことになっているのか?→後日拾ったドラゴンブーツにはきちんと反魔法装備がついていたのでそういうわけではないようだ)。

 また、ドラゴンシリーズだけでは、よほど運よく生成できなければ耐性パズルがうまく埋まらないこともよくわかった。埋まるのはほぼ左側の項目欄だけである(”対地獄”が埋まりやすいのは助かるが)。機能的な面で中央や右の項目はほとんど空いたままとなった。これでは戦いにくい。

 本プレイでは、アーティファクト生成で作った『☆ミスリルの超鎧』が良くわからないうちにべらぼうな機能数を保持していたので、鎧はおそらくそれが最終装備になるかもしれない。が、上記にも書いたが、最終戦あたりで必要になるかもしれない”反魔法機能”のついた装備がほぼなく、『☆ミスガエア』という弱いランスにしか見つかっていないので、とりあえず片手はそれを装備し、もう一方の手にもう少し強い武器を装備する、という形にせざるを得ない。必然的にACは低くなるし、攻撃力も微妙なままとなる。その状況は今でも変わっていない。

 このプレイにはいってから『追加攻撃の指輪(+2)』も見つけてはいるのだが、しかし指輪は基本的にスピード系を装備することが必須である。本プレイでは右手に+10、左手に+8を装備している。もしフェアノールブーツを拾えたら、左手を外して『★トゥルカス』さんにご登板願うところなのだが。もしもう一つ追加攻撃の指輪+2を拾うようなことがあれば、もしかしたら両手に追加攻撃+2をはめて+4回攻撃として戦ってみるという選択肢もあるかもしれない。が、結局は『スピードの指輪』に戻りそうな気がする。


 現状で微妙になりそうなのは手装備なので、『ドラゴングローブ』に生成を読み巻くって、対地獄と対魔法を同時に期待するか(期待薄だが)、あるいは直接『反魔法のアミュレット』に生成をかけてみるというのもあるかもしれない。これなら確実なのだが、最終装備候補の『★夕星』を超えるメリットがある装備になるかどうかが問題である。そもそも『アミュレット』に生成をかけられるのかどうかもわからない。

 と思って早速試したところ、残念ながら、『アーティファクト生成の巻物』は防具や武器にしかかけられないようだった。アミュレットや指輪は対象の選択肢の中に出てこない。残念である。

 ちなみに、試しにたくさんある矢にかけてみたところ、複数の対象にかけることはできないということで、一本を残してすべて壊れた。そして残ったその一本が☆つきの矢となったのだが、それも『装備しなければ効果がない』矢だったので、それはそれで困ったことになったのであった。どう使えばいいのやら。性質が一本一本違うため、インベントリを大量に消費してしまうことになる。実用的ではないだろう。

実験2 凡庸実験

 なんとなく気になって、もう一つ実験をしてみる。

 願いのスタッフで『★一つの指輪』を願って、それを『凡庸の巻物』で機能消失させてしまえば、そもそもこのゲームの目的は半ば達成されるのではなかろうかと思った。少なくとも、この世界を救うことはほぼできたといってもよいのではあるまいか。この世界には指輪を作ったサウロンさんの親玉であるモルゴスさんがいらっしゃるので、すべてではないとしても、世界の問題の結構多くは解決しそうである。

 そこで、願いのスタッフで『★一つの指輪』を願ってみた。

 これが、あっさりと『金無垢の指輪』として出現したのには、当たり前なのだが、正直驚いた。装備して『*解呪*の巻物』をいくつか読んでみたが、残念ながらさすがにこの世界最凶の呪いは解けないようだった。

 そこで、『凡庸の巻物』を読んで見たところ、機能も何もない『力の指輪』となった。

 装備しても、@の能力は何も変わらない。ブラックマーケットで売り飛ばすと20000円の値はつくのだが、しかし調べてみても実際には何の力も機能もない。事実上ただの飾りの指輪である。

 しかし、ある意味これで世界は平和になったのではあるまいか。フロドもこれで旅に出る必然性が無くなったはずである。サウロンの脅威は取り除かれた。あっさりと。ほぼ何の苦労もなく。杖一つと巻物一つだけで。未だかつてこんなにインスタントな指輪物語があっただろうか。
 この状態でサウロン戦に挑むとどうなるのだろうか。少し気になった。


 しかし、これは『本当の世界』とは別なお話ではある。

資源収集

 元の世界に戻る。

 とりあえず普通に潜っていったところ、『凡庸の巻物』を2巻立て続けに拾った。あわてて家に戻った。そういうこともあるのだなあ。これで11巻である。『ナズグルの指輪』をすべて凡庸化してもまだ2巻残る。

 それ以外は『聖預言の巻物』や『邪悪存在退散の巻物』、攻撃的ロッドなどを拾い集めて貯めることに終始した。

 ついでに言えば、しばらく前からなんとなく集めていた『レベルアップの薬』が15個ほどに達している。キャラ自身はすでにレベル50で完全にストップしているので、飲んでも効果はまったくなく、今更貯めても仕方がないのではあるが、相当な貴重品なのでなんとなくもったいなく、拾ったら持ち帰るようにしていたのだが、それがいつの間にかこれだけ溜まっていた(見過ごしたものも、ためしに飲んでみたものもいくつかあったので、実際には20個を超えていたと思われる)。99個貯めてみるのも面白いかもしれない。
 とはいえ、次キャラに引き継げるというわけでもないので、何か空しい。


 しばらくして、このゲームではじめて『(妖刀)グレート・ソード』なるものを拾った。妖刀カテゴリ自体、ここまで長時間プレイして初めてのご登場なので、相当にレアな一品ではある。呪われているため、一度手放してからあらためて手に取ろうとすると、おそらく反射的に@によって自動破壊されてしまうと思われたので、見つけた瞬間に拾い上げた。成功である。

 呪われていたので、持ち帰り、解呪の巻物でこの呪いを解いてみた。さらに、マイナスだった精度の数値を、武器を鍛える場所で鍛えて+10まで上げて(レベル50は+10まではお金で上げてもらえる。実験なのでこれは勘弁してもらおう)、そこそこ使えるようにして装備して潜ってみた。果たして、この妖しい刀の効果は何なのだろうか。

 まずは、攻撃力は二刀流で600を超えるほどにパワーアップした。これはすごい。本プレイに匹敵する。また、切れ味が鋭い(敵を『ぶった切った』の表示が出る)のと、世間的に珍しい”反魔法装備”であるので、ありがたいことはありがたい。

 のだが、さすがに”妖刀”らしく、何より”反感”がずば抜けていて、装備した瞬間に町の人たちが敵に回る。まあその程度は気にしなければよいのだけれど、むしろフロアに入った瞬間に敵が目覚めて襲ってくるのが問題になった。隠密も何もあったものではない。とても面倒である。弱い雑魚ならなんとでもなるが、赤いaさんとか灰色のnさんなどは遠方から火とか酸とかを吐いてきたりするので、せっかく拾ったありがたい巻物などが消えてしまう危険性が高い。


 しばらくはこの妖しい刀を装備して17-20階くらいの中層で戦ってみたが、自分の基本戦略である『皆様がお目覚めにならないうちに静かに消滅していただく』という戦い方にはなじまなかった。

 結局、面倒になったのでお家に帰っていただき『妖精のブロードアックス』さんに再度ご登板いただいた。うむ。妖精さん、なんだかんだで便利だなあ。魔法道具支配力はほんとに大事だ。いっそ☆の妖精さんとか出てこないだろうかと思うくらいである。今度試しに願ってみようかなあ。

 とはいえ、あきらかに敵であるユニークの皆さん(もはや三人ほどしか残っていないような気もするが)は最初から@には反感全開なので、あんまり関係がない。その意味で、これは対ユニーク武器としてはそれなりに有効なのかもしれないという考え方もできそうだ。ただし、テレポートを妨害するのは困ったことではある。逃げなきゃいいんだが、おそらくそうもいくまい。危機一髪のときに装備を持ち替えている余裕があるかどうかはわからない。


 それにしても、『鑑定のロッド』が5本あると、とても楽である。ほぼ立て続けに鑑定していっても途切れることがない。ありがたし。


 自宅に戻り、いろいろな不要装備類を売り飛ばしてスペースを空ける作業を行う。そのついでに装備カテゴリを一つ一つ確認していくと、やはり“手装備”が貧弱だということがわかる。現状では『殺戮のガントレット』だし、本プレイの装備でも実はあまりこれというものが出ていない。

 これこそ『アーティファクト生成の巻物』の出番なのかもしれない。次は真面目にドラゴングローブをアーティファクト生成にかけてみようかと思う。対地獄と対生命力吸収がついた装備になれば万々歳であろう。


 ブーツについていえば、件のスピードキング『★フェアノール王のブーツ』が拾えれば、それをベースに構成を直していくことになるのだが、拾えない現状では『★ドワーフ王の鉄鋲ブーツ』で腕力と耐久力と器用さとACを固めることになりそうだ(このプレイでの『ドワーフの軟革ブーツ』の強化版というところ)。そうなるとスピードはやはり指輪でフォローかなあ。
 結局、ブーツベースで考えた場合には装備のパターンが2つあるということになりそうだ。


 また、もしも良い特性の盾が出てきて、二刀流にする必要がなくなったら、武器を一本にして命中率を上げることもできるかもしれない。現状では実は攻撃が敵にかわされることが割と多いので、効率という面ではあと一歩というところである。そこで妖刀さんの出番になるのかもしれない。


『(聖戦者)首切りソード(攻撃+1)』を拾う。が、似たような聖戦者がすでに自宅にあり、これを装備する必然性はない。実のところこの“聖戦者”カテゴリの武器も、なんとなくもったいなくていくつか貯めてはいるのだが、いまひとつ使いどころがないままである。

 久々に『*体力回復*の薬』を発見。ありがたく持ち帰る。これでもまだ4つしかない。貴重品である。体力を1000回復となると、対最終戦用というところか。しかし、飲むタイミングが難しそうな薬だ。


 とにかく潜っては物資を拾い、地上に持ち帰って貯めるという地味な行為の繰り返しである。ついでに『全感知のロッド』が一本増えて少しうれしい。とはいえ、もうこのあたりで必要十分であろうか。実は本プレイと同じ本数だけ溜まっていた(もっとも本プレイではこの『全感知のロッド』は『★アーケン石』に置き換わっていてお役ご免になっている)。『鑑定のロッド』も増えてきたので、収集効率もほぼ問題ない程度に上がってきた。

 ロッド類も、一本あたりは軽い(200g程度)のだが、まとまってくると馬鹿にならない重さになる。『イルミネーションのロッド』を調子に乗って集めていたら40本以上溜まっていたのを、数本を除いて処分する。これはこれで部屋一面を照らすのに便利な装備であり、数本は欲しいが、復活も早いロッドなので、それほどたくさんはいらない。3,4本もあれば十分であろう。
 そうしたら、加速が15だったのが17になった。そうか、@は今まで無駄なロッドの重量にあえいでいたんだね。気がつかなかった。済まぬ済まぬ。

 さらにいえば、実は『耐性の薬』や『体力回復の薬』もいつのまにやら相当量溜まっていて、@を圧迫しつつある。とはいえ、これらのアイテム類は使うときにはあっというまに使ってしまうので、持てるならたくさん持っておきたいところだ。
#そして、これは後日有効に機能するのであった


 意外に拾えない(かつ消費が早い)のが『経験値回復の薬』である。これは、本来であれば店で買えるものなので、いくらでも入手可能なのだが、このプレイでは原則的に『お金で”買い物”はしない』方針を採っているので(『*解呪*』は巻物を買わざるを得ないので貫いているとまでは言い難いが)、拾うほかはない。また、現状の装備には“対生命力吸収”が欠けているので、Vにはかなりの確率で経験値を減らされてしまう。ということで、拾っては使い、拾っては使うの繰り返しとなっていて、溜まるということがない。これはいずれ装備で対応するのが妥当であろう。『吸血』武器であれば無条件につくのだが、これはこれで他の耐性が消えてしまう。どうしたものかというところだ。不思議と『妖刀』さんにこの対生命力吸収機能がない。いかにもありそうなんだが、なぜだろう。

博物館の夢

 このTinyAngbandで少し残念なところは、博物館(マゾム館)がないところである。自宅に置いておくほどではないが、捨ててしまうのももったいない記念品的なものを飾る公的スペースが”マゾム館”なのだが、これは原作準拠である。

 ホビットは互いに贈り物をする風習があり、それが封を切らずに?互いに回りまわってくるということになっているようなのだが、そのなかでビルボ・バギンズ氏も、冒険の報酬としてドワーフの王であるトーリン・オーケンシールドからもらった『ミスリル製の鎖かたびら』(それ一着でホビット荘全体よりも価値があると評したのはガンダルフだったかギムリだったか)をいったんはそのマゾム館に寄付していた(最終的には回収してフロドに譲っている。そしてこのミスリルの鎖かたびらは旅の途上でフロドの命を救い、ひいては世界を救っている。ふと思ったが、この『ビルボのミスリル製鎖かたびら』はこのゲームではなぜか出て来ない。もう一方の『つらぬき丸』は★装備で出てくるのに、不思議である。閑話休題)。

 このAngbandでも、実装によってはその『博物館』があり(例 XAngband)、そこに捨てられない宝物を置いておくことができたのだが、このTinyAngbandではそのあたりは省略されてしまったようだ。残念である。もしあれば、『★ナズグルの9つの指輪』や、『★ペルシエル王妃の鉄冠』など、使えないけれども捨てるには忍びない、という代物をおいておくことができるのだが。もし最終的に『★一つの指輪』や『★大鉄槌グロンド』などを入手したら、それらも飾ってみたいものだ。そうなったら中つ国でも有数の博物館になるだろう。


 このゲームの表向きの最終目的は、ラスボスである”モルゴスを倒す”ことにあるわけだが、自分は違う目標を設定してもよいのではないかと思っている。

 それは、”博物館”を実装して、そこに冒険の過程で得られた素晴らしい”収集物”を飾ることである。敵を倒してそれで終わりではなんだか殺伐としていて夢がない。むしろ、それはあくまで手段というか中間目標であって、素晴らしい博物館を作り、中つ国中から客を呼ぶという最終目標を置くのがよいのではないだろうか。良い収蔵物が入ると、物語中の名の知れた人(旅の仲間の誰かとか、エルフの王とか)が見に来てくれるとかしたら、やる気が出そうだ。そういう実装を誰かしてくれないかなあ。


 などと適当なことをぼんやり考えている間に10週目は過ぎ去った。

(続く)

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