007 | 別冊サライNo.10 大特集 カレー | ****** | 小学館 2000 | ****** | 680円 |
「サライ」の何故か別冊カレー特集。サライらしくいろいろと書いている。
レシピという側面では,明治のカレーレシピ集として,明治時代の各種西洋料理本からカレーに関連するところを抜き出して解説している.この非常に初期の段階から,すでに「小麦粉を入れてとろみを出す」という内容がほぼ全てのレシピに記載されている(例外あり).材料としても「綿羊の冷残肉」「鶏,海老,鯛,蛎,赤蛙等」「兎」「コールドミートの細片」「鱸」などがあり,また「カレーの味噌汁」「万年カレー」「乾燥カレー」など謎のメニューもある.
本の冒頭に「絵で見る日本の原風景」として,日本橋の「印度風カリーライス」のペン画が示されている.確かにこういう店だった.他に,会社員五十人が勧めるカレー屋100という企画もいろいろな地方に別れていてよい.
各界の人々がカレー体験について語っている部分が多い.したがって,主として日本の生活におけるカレーの位置付けをあらためることとなっている.川本三郎さんの,文学や映画の中におけるカレーの記述採集などは珍しい.