009 | 美味しんぼ 「激戦!カレーバトル編」 「熱闘!カレー大戦争編」 | 原作:雁屋 哲 画:花咲アキラ | 小学館 | 1999 | ISBN4-09-109213-6 C9479 ISBN4-09-109219-5 C9479 | 286円 | 蘊蓄 |
食い物マンガの「美味しんぼ」でのカレーの段をまとめたもの.本としては2冊だが、内容的には連続するものであるので一つとして扱う。
レシピとしての詳しいデータは掲載されていないが、スリランカの「カラヴィラ・サンボール」「デル・カレー」、インドの鶏のカレー、山岡のカニカレー、海原雄山のポークカレーなどがストーリーの中で紹介されている。また,個人的には,一連の「大戦争」とは別に掲載されている「骨髄カレー」 の方がより一層うまそうにみえるのであった.でも骨を手に入れて割ること自体が難しそうだ.
例によって蘊蓄の嵐が吹き荒れる.海原雄山の顔がでかでかと画面にあらわれ,そこに深刻な顔をした山岡一党の姿が並び,画面中央に「カレー大戦争...!!」と来た日にはなんだか“とほほ”な気分になりかけるのだが,そんなことでめげてはいけない.いろいろな本を読んできたが,この本にしか書かれていない事柄もあるのだ.さすがによく調べてある.おまけにこのマンガの中に出てくる辛島夫妻著「カレーの身の上」という本は手に入っていないのでなんだか悔しい。また、インドにカレーライスがないという話は面白い。要するに日本に来て「和食を下さい」というようなものなのだ。
しかしまあ、海原雄山も皿が出てきてスプーンを掴んだとたんに「カレーとはなにか」などという質問を突然し始めて、一口も食べないままに店を出て行くとは失礼極まりない客である。そのあともう一回来て味を褒めて帰っていったということなのだが、それなら最初から食べてくれと思う。
カルピンチャ、セーラ、ランパ、シャヒジラ、ヒンなど、はじめて聞くものが多い。使ってみたいものだ。