021 | カレーなる物語 | 吉田よし子 | 筑摩書房 | 1992 | ISBN4-480-04163-X C8339 | 1068円 | 蘊蓄 スパイス紹介 |
カレーの歴史やアジア各国の料理,そしてスパイスや各種醤類などの食材紹介を含めた総合多角的カレー談義.
他の本にはない「カレーの未来」という段で,カレー麺というものが普及するのではないかと予想しているが,これは最近になってカップラーメンのカレー味の種類が増えている事から,当たりつつあるような気がする.確かに,麺も好きでカレーも好きな日本人が両者を重ねあわせるのは時間の問題だったのかもしれない.しかし,このような“よく知っている人”でも「カレーにはご飯の上にとろりと広がるとろみが必要だ」と考えるのだなあ,とある意味感心する.本当にそういうものなんだろうか。
“カレーを分析する”の章では個々のスパイスではなく,カレーという広がりの内部でどのような位置づけがなされるか,といった意味でのスパイスや各種食材の解説がなされている.また、とうがらしだけは,別に一章を割いて化学的成分なども含めて解説している.