022 | カレーライスの話 | 江原 恵 | 三一書房 | 1983 | 650円 | 蘊蓄 |
日本におけるカレーの存在を,3章構成で細かく記述している.
第一章では会話形式で現代日本の食文化の一端をになう「カレー」についての現状の記述を行う.第二章では日本におけるカレーの誕生とその浸透を,明治から大正にかけての資料を中心として示す.第三章では北海道での調査を軸にして,日本に「日本風カレー」が浸透している様子を語っている.日本で最初にカレーが家庭に浸透していったのが北海道であったということをはじめて知った.こうした側面での資料は他にあまりない.労作である.しかし、やはりこの手の知識を伝達するのに,第一章の会話形式は向いていないのではないかと思う(実際にあった会話をもとにしているのかもしれないが).