023 | たかがカレーというなカレー | 究極グルメ軒・編 | 小学館文庫 | 1998 | ISBN4-09-416521-5 C0195 | 495円 | エッセイ |
37名のカレー好き人間が好き放題に語っていた断片を,種々の文献から集めたり書き下ろしたりしてまとめたもの.よくもこれだけ集めたものだ.
全体は4部構成になっており,第一部は「カレーは記憶」としてカレーにまつわる思い出を,第二部は「カレーは文化」として多少の蘊蓄を含めたカレーの語り,第三部は「舌は一味,カレーは百味」としてカレーに関してこだわりの一家言を持っている方々のエッセイの集大成,第四部は「果てのないカレー遍歴」として,カレーを独自の視点で鋭く追っている方々の一言である.しかしながら,全体を通して読むと,あえて4部構成にすることの意味はあまりないような気もした.とにかく皆様こだわりの方々である.ラーメンにこだわる方とはどこか異質なものを持っているようだ.荻正弘さんのエッセイなどは本それ自体も持っていたが,こういうところであらためて眼にすると感慨も新たである.塩田ミチルさんの「カレー粉はYMO」というタイトルはなかなか強烈.本当に昔からカレーというものが食べられているのだなあ,とわかる.