033 | 日曜日の遊びかた 森枝卓士の「カレー三昧」 | 森枝卓士 | 雄鶏社 | 1989 | ISBN4-277-81206-6 C0077 | 1200円 | 蘊蓄 レシピ |
カレー大王のレシピ本
最初に自作のカレーを手にした筆者と,次に各国のカレーの写真がある.どれもうまそうだ.日曜日に作る「男の料理」という感じである.レシピとしては,「インド式カレーの基本パターン」として,玉ねぎの処理,スパイスのブレンドなどから始まる基本のレシピ,タイの赤カレー「キェーン・ペット」,マレーの「サンバル・ゴレン」,同じくマレーのタマリンド風味の「アッサム」,簡単にではあるがイギリス(オーブンで焼く)・フランス(カレーソース)・和風のレシピ,他にはチャパティ・プーリー,そしてチャツネ類である.インディカ米の炊き方についての一節もある.森枝さんの本としては珍しく、全般的に文章で説明しており,図や写真はほとんどない(さし絵はあるが).途中に各カレーのスパイス配合表があるのが最も特徴的であろう.
最初にエッセイがあり,カレーの歴史が簡単に語られる.タイトルにもあるように冒頭で「カレーは男の料理」と捉えている.また「何がカレーか」という題に関連して,「すり鉢文化圏」の概念を提唱している.その後レシピが続く.材料の入手方法,つけあわせや食べかたの話も出てくる.しかし,全般的には一つ一つの記述は短く,この部分については森枝さんご自身の書かれた他の本の要約という印象もある.