040 | 図説 東南アジアの食 | 森枝卓士 | 河出書房新社 | 1997 | ISBN4-309-72567-8 C0339 | 1800円 | エッセイ |
東南アジアの食物たちを大きな写真入りで解説してくれる。
上記のものの延長線上にある一冊.全体的に量が多く,より深まっている印象がある.森枝さんご自身がカメラマンなのであたりまえなのだが,写真がとてもきれいで(本の大きさも上記の文庫本よりも大きいので迫力がある)市場の光景など実感をもって伝わる.
森枝さんが実際に東南アジアにでかけた時の写真入りエッセイ.さまざまな文化の中での食の在り方が実際の写真で理解できる.
読んでいてとにかく料理のうまそうなきれいな写真が多く、腹立たしいほど腹が減る。
日本では確かにいろいろなものが食べられる。しかし、そんなものがミニチュア的文化であることがわかってしまうくらいに、アジアではさまざまなものが食べられている。野菜も肉も、魚も果物も、そして虫や発酵食品なども、実に幅広い。それらが市場に集まり、そこに人々が群がってわっせわっせと食べている。すごいことだと思う。こういう本を読むと、日本でもいいから市場の近くに引っ越したくなる。
一方で、納豆や豆腐、漬けものや塩辛、蒟蒻や山菜、するめ、ういろう、ちまき、雷おこしなど、一見“和”と見なされるようなものも見受けられるらしい。川海苔を食べるところまであるそうだ。日本人がどこから来たのか、食べ物からでも推測できようというものだ。
最後のほうに、森枝さんご自身の東南アジアへのかかわりのきっかけが語られていて興味深い。