043 | アロラさんのスパイシーベジタブル料理 | レヌ・アロラ | 柴田書店 | 1995 | ISBN4-388-05759-2 C2077 | 1800円 | レシピ 蘊蓄 |
ベジタブルという視点に限った形でのインド料理の紹介
ベジタリアンという視点からインド料理を解説している.肉や魚をつかわない,という事なのだが,当然食材はまだまだたくさんあるので制約は感じられない.レシピの例としては、サブジ・カレー・スープの類が、インゲンとキャベツのサブジ、ポテト カロンジー、サブジ ミローン、バルワ サラガム、ダム キ コム、ダヒ ケ チャワル、マライ コフタ、パニール プラオ、マライ コフタ、ダム]アルビ、カディー、ガッテーなど、読んだだけではよくわからないものが並ぶ。サラダ・ライタその他では、さといものサラダ、インディアンサラダ、ビーツサラダ、ガーリックライタ、ベーガンライタ、チーズカバブ、パラック カ パコラ、バルワ タルマル、チャート キ カチョリ、ピャージ キ プーリ、などやはり実際に見てみないと何のことやらさっぱりわからないのであった。眺めた印象では、豆類や芋類をよく食べている。豆についていえば、日本人だとせいぜい大豆と小豆、グリーンピース程度だが、世の中にはもっとたくさんの豆類があるのだ。また,飲物が、ウェルカムドリンク、マドラシコフィ、タンダイ、ヒマラヤチャイと4種類あるのがうれしい.
冒頭に「インドのベジタリアンの話」がある。インドでは実にたくさんの人が当たり前のように肉を食べずに暮らしていることがわかる。昨今の狂牛病のような“肉が食べられない”で困っている人間たちのあわてふためきとは全く別の世界に済んでいる人々が何億人もいるということだ。さすがインド。同じ食材を朝昼晩と使っても、スパイスと調理法の違いでまったく飽きがこないのだそうだ。すばらしい。このまま狂牛病が広がっていくと、世界にはインド人だけが生き残るであろう。それならそれで仕方がないという気もした。それこそがインド六千年の歴史の深みなのかもしれない。
末尾に、スタータースパイス、形を見せるスパイス、色やとろみなどのスパイす、辛さのスパイス、自家製ミックススパイス、といったものの例が挙げられている。内容的にはそれほど変わったものは出ていない。