044 | インド スパイス料理 | レヌ・アロラ | 柴田書店 | 1991 | ISBN4-388-05659-6 C2077 | 3800円 | スパイス紹介 レシピ |
インド出身の方が生活の中の視点でスパイス解説と数多くのレシピを記している.力作.上の武政さんの記述と比較してみると面白い.
基本パターンとその後の本格的な応用メニューに別れている。基本パターンの最初の「カレーベース」でトマトを入れるのが変わっているといえば変わっているが、あとはこれを使った「チキンカレー」や「じゃがいものボールのカレー」「ラムと玉ねぎのカレー」、カシューナッツを使った「チキンの胸肉のカレー」など、またサブジとして「じゃがいもとグリンピース」「カリフラワー」「なす」といった野菜を使ったサブジが並ぶ。個人的にはここまでで十分に堪能できる。次に本格的なメニューでは「ムグライムルガ」「マドラシチャワル」「ハラムルガ」「マトンビリヤニ」「ニブカパニ」「デーシパラックカレー」「トマトカショルバ」「サンバル」といった、写真をみなければ日本人には想像もできない名前の料理が並ぶ。その他にも「ペパーミント風味カバブ」などトマトの赤さで華やかだし「カーダモン入りラムカレー」はうまそうでたまらない。パニールと野菜を炒めた「パニールムグライ」、ココナツジュースを加えた「卵のカレー」、屋台料理の「バタタプーリ」などが目を引く。さらに上級のマハラジャコースでは、「ムルガージョウドプリマハラジャ」というなんだか名前だけでもものすごいものがあり、また一方で「スパイシーエッグ」「オクラのサブジ」、レンコンを使った「マンゴーチ」、クミン入りのレモンスープ「ジラパニ」などが掲載されている。全体と通してデザートも多く、甘い団子の「ベサンラッドゥ」、カスタード風味の「セマイキキール」、インド番のフレンチトースト「シャヒトゥコラ」などが並ぶ。さらに巻末には日常的に取り入れることのできる簡単な料理「アジョワントースト」「じゃがいものポタージュ」「がんもどき」「ハンバーグステーキカレーあんかけ」などがある。もう全体を通じて腹が鳴りっぱなしのレポートである。 ちなみに「基本レシピ」では1レシピ見開きでカラー写真がついており、慣れてきた後半では写真がなく、簡単な手順のみで解説している。
はじめに「スパイスと食材の話」としてクミンやカルダモンを始めとするいくつかのスパイスが解説されている。珍しいものとしては、ヒング(アサフェティダ)、カロンジー、アムチュールなど。また、豆もレンズ豆、チャナ豆など6種類が、さらにその他の食材として米類やバリー(豆の保存食)、ジャルジラ(スパイス水)なども写真と共に説明されている。