045 | 料理上手のスパイス50 | 武政三男 園田ヒロ子 | 日本文芸社 | 1997 | ISBN4-537-01867-4 C0077 | 1400円 | スパイス紹介 レシピ 蘊蓄 |
スパイスの解説とレシピをスパイスの特性まで化学的に(それほど難しくなく)書いてある本.
見開きで左側に食材、右側にその特徴を生かすレシピ、という形で使い易いものになっている。必ずしもカレー的なものばかりではなく、例を挙げると「オールスパイス」では「フルーツケーキ」「ボロネーズ」、「オレガノ」では「ホタテのハーブマリネ焼き」、「カルダモン」では「シュリカンド」という西インドのデザート、「梔子」では「梔子染め稲葉うどん」、「クミン」では「旬菜のスパイシー天ぷら」という具合で、他の本とはひと味異なる。
冒頭の部分で「ハーブは薬品だがスパイスは食品である」という分類の仕方が書かれているのが印象に残った。それに引き続き「スパイスを正しく使いこなすために」という章でさらに詳しく「スパイスとハーブの相違」「スパイスの基本作用」など、基本的な事柄をわかりやすい文章で記してある。また末尾に「プロに聞くコツ」として、さまざまな店の料理人たちが自分の守備範囲でのスパイスの利用のポイントを語ってくれており興味深い。
最初に「基本スパイス」として43種類、「ブレンドスパイス」として7種類が挙げられている。レシピ部分とは別に、末尾にスパイス名の英名と和名の対応づけがされている表があり「マジョラム」が「まよらな」と呼ばれるのだとわかる。また重量換算表があり、小さじ大さじなどがどの程度の重さになるのかが主要なスパイスについて記されているのは便利だろう。