054 | 東京カレー 食べつくしガイド 104/380店 | 小野員裕 | 講談社 | 1998 | ISBN4-06-209398-7 C0095 | 1200円 | 店紹介 蘊蓄 |
食べも食べたり東京近辺380店舗のうちから104軒を選んで星でランキングして紹介.とは言うものの,必ずしもよい評価ばかりではなく,厳しい星もある.
カレー店舗を「インド風」「インド風喫茶店」「純インド風」「インド料
理屋」「欧風」「洋食屋」「喫茶店」「専門店」「おふくろ的」「ミックス」
「個性的」「エスニック」「ノンジャンル」と分類して、各々について筆者の
コメントがあり、さらに星印をつけて評価している。
自分が東京で食べ歩く時の示標として利用させていただいているが,自分と
しては「総論賛成・各論反対」である.
「日本風インドカレー」というものが日本人向けのカレーの最高峰である事は賛
成するが,この筆者のいうところの星の数と自分の食べてみた感想とがほとんど
一致しない.むろん(前書きにもあるように)これはあくまで「個人的な見解」
なのだから、当然のことであり、所詮食い物の好き嫌いであるので,そうならな
いほうがおかしい。
それを承知の上でぼやいてみると,新宿の中村屋のカレーは本当にそこまで絶
賛するほどうまいのだろうか.バランスがいいのは認めるが,今となってはそれ
以上でもそれ以下でもないような気がする.御茶ノ水のエチオピアも,悪いとは
言わないが,そこまでだった.上野のデリーも,個人的には“日本インドカレー”
の標準原器的位置づけとしてとらえているものの、味はさておき香りがどこか妙
だ。
共栄堂もきわめて「普通」だ.等の感想を持ってしまう.もっとも,それは私の
好みが甘めのカレーに偏りつつあるためかもしれない.私の一応の好みは(ここ
には載ってないけど)東京なら東大赤門前の「万定フルーツパーラー」のカレー
だから,という事で手を打ちたい.でも一度浜松の「やさか」に来てポークカレー
とブラジルカレーを両方とも喰らっていただきたい.それとあと誰か日本のどこかで
「菩提樹」を再発見してほしい.