061 | アジアひとさじのチカラ | 平松洋子 | 雄鶏社 | 2000 | ISBN4-277-66141-6 C0077 | 1200円 | レシピ 蘊蓄 エッセイ |
エッセイと写真とレシピの混在で構成されるアジアのご飯の自作的記述.
完成写真があり、レシピ自体は文章で材料と手順だけを記している。
前半は唐がらしが主体で「白菜キムチと豚肉のチゲ」から始まり、
「豚肉のラープ」「トムヤムクン」「タイ風味 魚介のヤム」といったところ。
唐がらしペーストである「タデギ」の作成方法も。唐がらしを、粉と荒挽きとを
両方利用して辛さの深みを出す、というのは日本では思いつかないものだ。
ナンプラーでは「豆腐ともずくの精進スープ」「豚スペアリブとレンコンのスー
プ」「揚げ卵はさみバゲットサンド」、その他「カボチャの納豆チゲ」「おぼ
ろ豆腐の塩味チゲ」「ゆで豚 アミの塩辛添え」「トマトと水菜のシンプルヤム」
「鶏肉入りフォー」「トマトと卵炒めのっけごはん」「パイナップル風味のゴ
イ」「ココナツミルク風味 鶏肉入り汁かけごはん」などなど。
また“小さなおかず”として、小皿に盛った小さな簡単おかず類がある。「じゃ
がいもの黒酢炒め」「タイの塩漬け肉(ネーム)」「台湾風卵焼き」など。
“あんなたれ、こんなたれ”として「ヌクチャム」「レモン風味のチリソース」
「ベトナム風味 なますだれ」「唐がらしシュガー」など。
いずれも作成手順の記述は簡単だが、手続き自体もそれほど複雑ではないよう
なので、必要十分なのかもしれない。
作者が現地に出向いて自分の足と舌で観察したいろいろな出来事をエッセ イにまとめている。また、レシピ自体も、作成方法というよりも、作った結果 の味のイメージの記述を中心にしているので、読む部分が多い。
スパイス自体の解説は少ない。扱われているのは主として唐がらし、ナン
プラー、そしてカーやレモングラス、パクチー、ミント、といったもの。ただ、
一つだけ写真で「パクチーファラン」という細めのホウレンソウのような外観
の野菜があり、これが正体不明。