063 | 本格カレーを作ろう | ナヴィ インターナショナル編著 | ナツメ社 | 1998 | ISBN4-8163-2461-5 C2077 | 1300円 | 食材 レシピ 蘊蓄 |
スパイスや食材の写真,アジア各国の各食材のカレーレシピ,簡単なカレー の歴史など,これ一冊で総合的な内容を誇る力作.
北インド・南インド・スリランカ・パキスタン・タイ・インドネシアの各
地域のカレー料理を、肉類・魚介類・野菜類に分類して約50種類を紹介してい
る。種類としては、「チキンカレー」「マトンカレー」「ビーフカレー」「フィ
ッシュカレー」等、同様のものを各地域によってどう変わるのかを示している
ところが多い。こうした“地域比較レシピ”は珍しい。しかしそれにしてもイ
ンドネシアの「しじみカレー」は、もうこれだけでいくらでもビールが行けそ
うな感じである。
見せ方として、見開きで、左ページに材料と簡単なさし絵のついたレシピを文
章で示し、右ページに完成したきれいなカラー写真、という形をとる。それほ
ど親切というわけではないが、イメージをつかむには十分ということであろう。
直接的な紹介はないが、撮影協力店舗として巻末に「北インド・ガンガー パレス」「南インド・アジャンタ」「スリランカ・シーギリヤ」「パキスタン・ ガンダーラ」「タイ・バンコック」「インドネシア・ジュンバタン・メラ」の 住所と連絡先が掲載されている。また、スパイスを扱っている全国の店舗が200 件以上掲載されているのだが、多くがデパートだったりする。
「カレーの知識」として、鍋類やスパイスクラッシャーなどの道具の紹介と、
とても簡単なスパイスとカレーの歴史が4ページほど掲載されている。「S&B
カレー」の旧社屋の写真があるが、ほとんど国会議事堂のようであるのに驚く。
また、途中「カレーの食べ方」として、右手だけでカレーを食べる手法を写真
入りで解説してくれている。
冒頭に、スパイス・ハーブ類の写真と名称が掲載されている。内容としては
「クミン」「カルダモン」「コリアンダー」等、一般的なものである。次に、
材料全体の解説が入る。たとえば、肉について「牛肉」では「肩ロース」「リ
ブロース」「サーロイン」「ヒレ」「ランプ」「肩肉」「ばら肉」」「タン」
「外もも肉」「内もも肉」と部位に分けて解説がしてある。豚・マトン・鳥も
同様である。魚介類・野菜類・その他の食材では、写真の例が挙げてある。
途中に挿入されている「スパイスと食材の相性チャート」は、各種スパイスと
肉・魚貝・野菜の各食材の相性を、表の形でまとめているので良いヒントにな
る。たとえば、「アジョワン」はカツオと豆類にはよくあうが、他のものにはあわ
ない、あるいは「じゃがいも」に合うスパイスは、レッドペッパーとクミンとコリア
ンダーとジンジャーとガーリックとターメリックであるということがわかる。