066 | dancyu 2000年7月号 今世紀最強 熱いぜ!カレー | プレジデント社 | 2000 | 860円 | 店舗紹介 レシピ |
食雑誌dancuのカレー特集の一つ。嵐山光三郎・安西水丸・小野員裕のお三方 が口角カレーを飛ばして語る。
お三方の語りと蘊蓄と店舗紹介はさて置いて,レシピとしては,東京ヘルシー 館の野菜カレー(豆の醗酵物テンペを使っていた),平松陽子さんの家庭での スパイスカレー「クレソンとラムのカレー」「プチトマトのレッドカレー」、 そしてスパイスライスの作り方もあり、いずれも力強さがあるカレーだ. また,よく読むと,対談のところに嵐山光三郎氏のカレーのレ シピが語られているのだが,いかにも「らしい」作り方でまたうまそうだ.ハ インツの業務用のフォンドボーを薄めずにそのまま使って、さらに100グラム 2000円ほどする牛肉を炒めて加えて4分間煮る。これでうまくなかったら、確か にどうかしているなあ。
嵐山光三郎・安西水丸・小野員裕のお三方が,対談しつつ自分の好みの10店舗を挙げており,それに加えて編集部が全国から38店舗を挙げている.例を挙げると小野氏「デリーの上野店」「千葉稲毛のシバ」「高田馬場の夢民」,安西氏は「新宿中村屋本店」「銀座のナイル」「千代田区のアジャンタ」,嵐山氏は「日比谷公園内の松本楼」「築地市場内の豊ちゃん」「宮崎の杉の子」等々である.編集部のほうはといえば(これは首都圏のみだが),インドカレーは「御茶ノ水のエチオピア」,「千葉稲毛のシバ」,「横浜のシタール」等,欧風カレーは「京橋のドン・ピエール」,「麻布十番のグリル満点星」,「荻窪のトマト」等,タイカレーは「錦糸町のゲウチャイ」,「阿佐ヶ谷のピッキーヌ」,そして無冠の帝王「個性派」ジャンルでは「高田馬場の夢民」,「町田のアサノ」,「神保町の共栄堂」,そして「高輪のサンライン」などなど.よくもこれだけ食べ歩いたものだと思うのだが,しかしこれは首都圏のみの話であり,そのあとまだ「京阪神・名古屋・札幌・福岡」の個性派名店がたくさん紹介されている.これらの大都市以外にも,当然世間にはまだまだ知られざるカレーの名店がたくさんあるのだから恐ろしいことだ.
また,神保町のカレーマップは労作で、古本あさりの時に役にたちそうだ.
雑誌ということでいろいろとあるが、神田・神保町のカレーや調査の顛末 「古本を読むならカレー屋に限る?」や「甲子園カレーの分析」がおもしろい. また、呑み過ぎた朝にこそカレーを食べたいと言う「“二日酔いカレー同盟”結 成宣言」も楽しい。