067 | dancyu 1998年7月号 カレー自由奔放 | プレジデント社 | 1987 | 860円 | レシピ 店舗紹介 エッセイ |
こだわり料理雑誌「dancyu」のカレー特集の一つ。
前半はジョイさん一家がアウトドアでカレーを作るところ.屋外で楽しそうにカレーを作っているのだが,その土地の市場で売られている野菜や鯉を使ったカレーがなんともうまそう.藤原新也氏が駒ヶ岳の麓にある名店「アンシャンテ」の様子を書いてくれているが,それはさておき,本当にインドで玉ねぎを10時間も炒めて料理を作っているのか,どうも気になった.そういう人も居るのかもしれないが,いくらなんでもインド人がみんな24時間中10時間(2食と考えれば20時間だが)を玉ねぎ炒めに費やしているわけではなかろうという気もする.いろいろな料理があるということだろう.
銀座ナイルからはじまり,丸の内サングリア,江ノ島Big Sur,浦和チャントラー,原宿ゴア,京阪神では京都紫竹tawawa,大阪中野島レストランガーデン,大阪兎我野まみ,神戸中山手通りデリー,神戸南京町ラジャ,北海道では札幌豊平ガネーシャ,札幌西岡カレーリーブス.名古屋は新栄の香味のみ.博多は大名のベースキャンプのみ.
しかしこれらの本を眺め続けて感じたのだが,こう言うところのお店は,たいがい東京ないし関東近辺,広く見ているdancyuでも大阪・神戸・札幌・博多・名古屋くらいで,それ以外の地域は知ったことではないと言わんばかりの印象がある.実際のところ,カレー店は日本全国どこにでも名店があり,大都市部以外の調査が望まれるところだろう.
エッセイ部分としては,吉村喜彦氏が「カレーは日本のお父さんの味方で ある」として,いろいろな場所のカレーを食べている.早朝の築地市場から始 まり,霞ヶ関,丸の内,イタリア料理店,銀座資生堂パーラー,大井町競馬場 前,タクシー運転手のお薦めの店,である.いろいろあるのだが,しかしこの 年代の方々は,結論として、母親が作ってくれた昔ながらの小麦粉がどろどろ としたカレーが好き,ということに落着くのかもしれないという印象がある. 子供のころにうまいと思ったものは大人になってもうまいと思うのは自然だ。 カレーに限らず、好みは好きずきであろう.