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    カレー・スパイス関連本 エッセイ・蘊蓄中心

    ここではカレー・スパイスに対する思い入れや感想,カレーの歴史や文化,カレーについての研究的知識を主として記述してある文献をリストアップしました.これらの文献の多くには美しい写真が掲載され,カレーを食する世界の地域についての見聞録にもなっています.

    No. タイトル 作者 出版社
    初版年次
    ISBN番号 定価 種類
    内容要約と感想


    049 元気になるスパイスクッキング 高山なおみ メディアファクトリー
    1998
    ISBN4-88991-643-1 C2077 1400円 エッセイ レシピ
    一ページの小さなエッセイをはさんでレシピが並ぶ.アジア(と言っても海沿いばかりではない)のイメージのある料理がたくさん並んでいる.エッセイを読みつつ進んでゆくと不思議な雰囲気になる.

    047 インド料理 ダイエット・レシピ集 ロイチョウドゥーリ・ジョイ ロイチョウドゥーリ・邦子 スパイク
    1998
    ISBN4-89621-278-9 C0077 1400円 レシピ 蘊蓄
    「ダイエット」という観点からインド料理を紹介している.バランスよくいろいろなものを食べ,リズムを崩さず,スパイスで体の調子を調整していく,ということのようだ.ごもっともである.どうでもいい事だが,日本人も別に食事中に積極的に水を飲んでいるわけではないと思うんだけどなあ.食堂にいったら出てくる,というだけの話で.

    046 スパイス塾
    50のスパイスと100のレシピ
    武政三男 園田ヒロ子 グラフ社
    1998
    ISBN4-7662-0508-1 C9477 1000円 スパイス紹介 レシピ 蘊蓄
    スパイス一つについて2種類程度のレシピが掲載されている.レモングラスが2種類に分類される事はこの本で初めて知った.

    045 料理上手のスパイス50 武政三男 園田ヒロ子 日本文芸社
    1997
    ISBN4-537-01867-4 C0077 1400円 スパイス紹介 レシピ 蘊蓄
    基本的に上の本と似ているが,こちらの方 がより詳しい.特にスパイスの特性まで化学的に(それほど難しくなく)書いてある.

    043 アロラさんのスパイシーベジタブル料理 レヌ・アロラ 柴田書店
    1995
    ISBN4-388-05759-2 C2077 1800円 レシピ 蘊蓄
    ベジタリアンという視点からインド料理を解説している.肉や魚をつかわない,という事なのだが,当然食材はまだまだたくさんあるので制約は感じられない.また,飲物が4種類あるのがうれしい.

    042 森枝卓士のカレー・ノート 森枝卓士 雄鶏社
    1995
    ISBN4-277-66126-2 C0077 1600円 エッセイ レシピ
    王様森枝さんの興味と経験から得られた各種カレーのレシピがそれにからんだエッセイと混在している.食べ物は文化の一端なのだということがよく分かる.

    041 東南アジア食紀行 森枝卓士 徳間文庫
    1989
    ISBN4-19-598958 C0195 667円 エッセイ
    森枝さんが実際に東南アジアにでかけた時の写真入りエッセイ.さまざまな文化の中での食の在り方が実際の写真で理解できる.

    040 図説 東南アジアの食 森枝卓士 河出書房新社
    1997
    ISBN4-309-72567-8 C0339 1800円 エッセイ
    上記のものの延長線上にある一冊.全体的に量が多く,より深まっている印象がある.森枝さんご自身がカメラマンなのであたりまえなのだが,写真がとてもきれいで(本の大きさも上記の文庫本よりも大きいので迫力がある)市場の光景など実感をもって伝わる.

    039 アジア・キッチン旅行 高崎 篤 徳間文庫
    1998
    ISBN4-19-890925-3 C1072 857円 旅行エッセイ レシピ
    食いしん坊の方々が「現地でその土地の材料をつかって自分で料理をする」という,夢のような行動を実践した,その過程と結果を楽しいエッセイ(とレシピ)にまとめている.食いしん坊かくあるべし.同じように東南アジアに出向いても,森枝さんとは違った視点で面白い.また,高崎さんという方は軽めの文章が実にうまいので,読んでいて楽しい.しかしこういう本は読んでいると本当にお腹が空いてくる.夜中に読むものではないようだ.さもないと深夜に冷蔵庫を開けて台所に立つ羽目になる.

    037 料理と食シリーズ No.3 カレー カレー料理 ****** 旭屋出版 1993 ISBN4-7511-0067-X C9477 1748円 店舗紹介 レシピ 蘊蓄
    日本各地のカレー屋さんの紹介と、有名カレー店のレシピなどが充実しているが、その中に「河野食品研究所所長・大坂薫英女子短期大学教授」という肩書きの河野友美さんという方の、カレーに関するいろいろな蘊蓄がある。現在のカレー嗜好が大まかに2種類にわかれていること、カレーの辛みについての話や、香辛料と油脂の働き、そしておいしいライスの条件などが書かれている。化学的に解説してくれてあるので納得できてしまう。
    035 料理と食シリーズ No.28 カレー ハヤシライス オムライス ****** 旭屋出版
    1998
    ISBN4-7511-0128-5 C9477 1800円 店舗紹介 レシピ 蘊蓄
    基本的に「洋食」というスタンスでとらえている印象(最初の方にはインド系・アジア系もある).例の伊勢海老カレーのレシピが掲載されているのに驚く.日本のカレーの歴史が簡単にまとめられているのも面白い.
     旭屋出版のこのシリーズは,対象が素人なのか玄人なのかよくわからない.

    033 日曜日の遊びかた 森枝卓士の「カレー三昧」 森枝卓士 雄鶏社
    1989
    ISBN4-277-81206-6 C0077 1200円 蘊蓄 レシピ
    最初にエッセイがあり,カレーの歴史が簡単に語られる.タイトルにもあるように冒頭で「カレーは男の料理」と捉えている.また「何がカレーか」という題に関連して,「すり鉢文化圏」の概念を提唱している.その後レシピが続く.材料の入手方法,つけあわせや食べかたの話も出てくる.しかし,全般的には一つ一つの記述は短く,森枝さんご自身の書かれた他の本の要約という印象もある.

    031 アジア「カレー」紀行 高野たけし 東京書籍
    1997
    ISBN4-487-79284-3 C0077 1500円 エッセイ レシピ
    アジアの各地域(インド,タイ,ミャンマー,ネパール,シンガポール,バリ)のカレーについて,全体を通じて会話体で記述している.最後には各国のカレーのレシピ.作者が雑誌の取材などで実際に現地に出向いて感じたことをまとめているので,それなりのリアリティを感じる.しかしやはり会話体はセンスを問われる.料理の写真はこれまた実にうまそうだ.

    030 はじめてのインド料理 ミラ・メータ 文化出版局
    1996
    ISBN4-579-20536-7 C5077 1480円 レシピ 蘊蓄
    インド出身の筆者が,食器やキッチン道具,インドの民間療法まで含めて料理全体を説明してくれている.この本は筆者の「入門編」のようなものにあたる.そのためか,多くの料理が「30分以内にできる」ものとされていることから,「カレーは煮込むもの」という妙な常識にとらわれてはいけないのだということもわかる.また,自分としては,お客をもてなす時には料理に銀箔をのせる,というのは,もてなしの気持ちとしてはわかるのだけど,知らない現代人は「なぜアルミ箔がついてるの?」とびっくりするかもしれない.食べてうまいものでもなかろう.また,食器も銀色のものがよく使われているらしいのだが(確かにターリーの皿は銀のものが多い)この感覚は何に由来するのだろうかと疑問に思った.

    029 もっと食べたいインド料理 ミラ・メータ 文化出版局
    1998
    ISBN4-579-20626-6 C5077 1600円 レシピ 蘊蓄
    上記本の続編で,さらに多くのレシピが掲載されている.こちらにもやはり家庭療法も載っている.本として特筆すべきは,すべてについて日本語と英語の両方の表記があり,英語表現の勉強もできるところ.大学の初級英語のテキストなどにいいかもしれない(日本語訳がすぐ横にあるけど).レシピが主体だが,最後のほうに「ベジタリアンとは」「野菜や果物,ナッツの効果」「インドの飲み物とお酒」「アユールベーダとは」「家庭療法」といった解説があり,レシピの背後にある考え方を知ることができる.

    026 季刊 あさめし ひるめし ばんめし No.11 ****** みき書房
    1977
    ****** 340円 エッセイ
    実のところ,この雑誌がどのようなものなのかよく知らないままに古本屋で手に入れた.世間の食いしん坊の綴る蘊蓄を集めているような感じである.この号は巻頭の特集がカレーライスで,共栄堂やデリーの写真,そして安西水丸さん(イラストレーターという肩書きだが,このことをこれを読む今まで自分は知らなかった)などのエッセイが掲載されている.この雑誌,今でもあるのだろうか.それほど古典というわけではないだろうと思うのだが,雑誌の装丁などが不思議と古さを感じさせる本だ.

    025 ハウスポケットライブラリー2
    唐辛子遍路
    ****** ハウス食品
    1989
    ****** 600円 蘊蓄 レシピ
    ハウス食品が発刊しているポケットライブラリーの一つで,唐辛子というスパイスの一つに集中してさまざまな事柄を語っている.唐辛子の歴史,栽培農家の様子,アジアの唐辛子事情をめぐる対談,唐辛子の科学的考察,唐辛子をめぐる文化,そして世界各国(中華・タイ・インド・ハンガリー・スペイン・ガーナ・ペルー・トルコ)のレシピである.カレーをめぐるなかで,こうした一つのスパイス軸からの視点も面白い.唐辛子が,植えられた土地の気候風土に応じて,あっという間に姿形や味を買えていくというのはどういうことかと思った.また,吉田よし子vs森枝卓士というこの世界の大物同士の対談も見物だ.

    024 アジア菜食紀行 森枝卓士 講談社現代新書
    1998
    ISBN4-06-149421-X C0226 640円 蘊蓄
    いわゆるカレー・スパイス本とは多少異なるが,ベジタリアンという観点からアジアの料理をとらえなおしている.歴史と宗教と,そこから生まれる文化というものの流れの中で「ベジタリアン」という存在がなぜ生じているのか,日本における肉食の根付き(沖縄も含めて),そもそもベジタリアンとは何なのか,などを考察している.ベジタリアンにもそのなかに贅沢がある,というのは言われれば当たり前だが気がつかなかった.またインドの「ベジタリアンのハンバーガー」というのはそれなりにうまそうだ.

    023 たかがカレーというなカレー 究極グルメ軒・編 小学館文庫
    1998
    ISBN4-09-416521-5 C0195 495円 エッセイ
    37名のカレー好き人間が好き放題に語っていた断片を,種々の文献から集めたり書き下ろしたりしてまとめたもの.よくもこれだけ集めたものだ.全体は4部構成になっており,第一部は「カレーは記憶」としてカレーにまつわる思い出を,第二部は「カレーは文化」として多少の蘊蓄を含めたカレーの語り,第三部は「舌は一味,カレーは百味」としてカレーに関してこだわりの一家言を持っている方々のエッセイの集大成,第四部は「果てのないカレー遍歴」として,カレーを独自の視点で鋭く追っている方々の一言である.しかしながら,全体を通して読むと,あえて4部構成にすることの意味はあまりないような気もした.とにかく皆様こだわりの方々である.ラーメンにこだわる方とはどこか異質なものを持っているようだ.荻正弘さんのエッセイなどは本自体も持っていたが,こういうところであらためて眼にすると感慨も新たである.塩田ミチルさんの「カレー粉はYMO」というタイトルはなかなか強烈.本当に昔からカレーというものが食べられているのだなあ,とわかる.

    022 カレーライスの話 江原 恵 三一書房
    1983
    ****** 650円 蘊蓄
    日本におけるカレーの存在を,3章構成で細かく記述している.第一章では会話形式で現代日本の食文化の一端をになう「カレー」についての現状の記述を行う.第二章では日本におけるカレーの誕生とその浸透を,明治から大正にかけての資料を中心として示す.第三章では北海道での調査を軸にして,日本に「日本風カレー」が浸透している様子を語っている.日本で最初にカレーが家庭に浸透していったのが北海道であったということをはじめて知った.こうした側面での資料は他にあまりない.労作である.しかしやはりこの手の知識を伝達するのに,第一章の会話形式は向いていないのではないかと思う(実際にあった会話をもとにしているのかもしれないけれど).

    021 カレーなる物語 吉田よし子 筑摩書房
    1992
    ISBN4-480-04163-X C8339 1068円 蘊蓄
    スパイス紹介
    カレーの歴史やアジア各国の料理,そしてスパイスや各種醤類などの食材紹介を含めた総合多角的カレー談義.他の本にはない「カレーの未来」という段で,カレー麺というものが普及するのではないかと予想しているが,これは最近になってカップラーメンのカレー味の種類が増えている事から,当たりつつあるような気がする.確かに,麺も好きでカレーも好きな日本人が両者を重ねあわせるのは時間の問題だったのかもしれない.しかし,このような“よく知っている人”でも「カレーにはご飯の上にとろりと広がるとろみが必要だ」と考えるのだなあ,とある意味感心する.

    020 カレーライスと日本人 森枝卓士 講談社現代新書
    1989
    ISBN4-06-148937-2 C0230 660円 蘊蓄
    日本のカレー界では“大王”の異名を取る森枝氏の資料の集大成.「カレーとはなんだろう」という疑問から,大英図書館にまで出向いてカレーのことを調べている.料理人でもないわけなのに,こういう人が出現するくらい,日本におけるカレーというものは特異的な位置を占めているとわかる(あるいは森枝さんが特殊な人なのかもしれないが).しかしそのイギリスにおいてもあまり資料がなかった,というのは不思議だ.C&Bはすでにカレー粉を自社で生産していない(ブランド名はつけているが外注)というのにも驚いた.まあもともとカレー粉専門メーカーだったわけではないので,これは自然な流れなのかもしれない.日本の明治時代のカレーのレシピを調べて,実際に作成しているところはさすがだと思う.将来,日本のカレー製品(固形ルーやレトルトパック)が東南アジアやインドに広がっていくのかもしれないというのは,確かにそのとおりかもしれないけれど,少し寂しい気がした.

    019 スパイスの本 桐島竜太郎 婦人画報社
    1961
    ****** 1200円 スパイス紹介 蘊蓄
    古い本だが,内容的にはスパイスの歴史にも触れ,ハーブ類も含めて約70種類の紹介がある.「お料理をはじめる前に」という段で「スパイスには強さを表す単位がない」「人間の受け入れる個人差が大きい」,したがって「自分の鼻と舌で決めるしかない」「極少量ずつ使う」というのは現在でも活きる忠告だろうと思う.また,英語と日本語の嗅覚についての言葉の使い方に関連して「快いフレーバーを作り出すこと」がポイントであり,「スパイスのアロマがアロマと感じられるようでは“過ぎたる”ものではないか」というのも同様だろう.

    017 素敵ブックス カレー大全科 浜内千波 竹内富貴子 グラフ社
    2000
    ISBN4-7662-0582-0 C9477 1300円 レシピ 謎の蘊蓄
    基本的にはレシピ本なのだが,冒頭の東京大学医学部助教授 医学博士の“丁宗鐵”先生による「カレーが人の体に及ぼす影響」というデータが驚きものである.粥と比較して,カレーを食べた場合には手と脚の温度が冷えにくい,また脳血流(!)においてはヘモグロビン量で測定すると明らかな増加が見られ,直接に脳血管内の血流を計測しても増加が確認できた,とある.またカレーを食べた30分後には「集中力を示す脳波が刺激される傾向が確認され」た,とある.もしきちんとしたデータがあるのであれば見てみたいと思う.しかし,確かにカレーと漢方は成分が近いとはいえ,「カレー」と「脳血流」というほとんど常識的に結びつけないものに対して「関係を調べてみる」ということを考えついたのはなんというかすごいものだ.心理学を専門にしている自分としては、ここはやはり「カレーを食べた後の単純作業成績の向上」とか「カレー摂取後の記銘能力の改善について」などという側面からせめる必要があるのかもしれないような気がしないでもないようだ。

    017 料理百科 01 特集 カレー ****** 柴田書店
    1997
    ISBN4-388-80519-X C9477 1000円 レシピ 店舗紹介 蘊蓄
    作る側・経営する側からの視点で編集されている「料理百科」シリーズの,創刊号にして第1回カレー料理特集.作り方はもちろん,経営の方針についての記述が目立つ.たとえば,フランチャイズ「CoCo壱番屋」の戦略(あまり特徴のあるカレーだとリピーターにならない,ために意識的に特徴のないカレールーに仕上げている,という意味の言葉は気になる.またCoCo壱番屋は本部がロイヤリティを一切とらない)など,普段我々素人があまり気にしない側面からの記述が連なり,開眼させられる.一読損なし.

    012 体によく効くスパイス&ハーブ活用事典 ハーブ・香辛料研究会編 池田書店
    1999
    ISBN4-262-12841-5 C0077 1300円 スパイス・ハーブ紹介 レシピ 蘊蓄
    スパイスというよりも,香りやくせのある食材全般について紹介している.特に「葱類」の分類・記述に詳しい.基本的には各食材の「薬効」の紹介とそれを目的としたレシピが多い.所々に挿入されているコラムで,「にんにくの匂い」「薬味」「つま・けん・あしらい」「ナッツ」「赤ワイン」「梅干し」「ハーブの育て方」などについての記述がある.

    010 新・儲かるメニュー カレー ****** 柴田書店
    1985
    ISBN4-388-00776-5 C2377 2570円 メニュー・店舗紹介 レシピ 食材紹介 蘊蓄
    これからカレー屋をはじめようという人にもってこいの一冊.柴田書店なので,視点は食べる側ではなく作って食べさせて生活を成り立たせる側からの記述である.「業態別カレーで儲けるコツ」なる一章では題目のとおりにいかにしてカレーで食って行くかを分析している.ファーストフードタイプの場合には「客単価を低く」「提供時間は2分以内」「メニューは絞りこむ」「基本となるソースは1種類に」「くせのない飽きさせない味」「ドリンクメニューの設定」「テイクアウト商品を」,ファミリーレストランタイプでは「客単価は千円以内」「看板メニューの設定」「カレーライス以外のカレー料理を」「セットメニューで客単価を向上」「ランチタイムの工夫」,ディナータイプレストランでは「原材料費は35%」「オリジテリティーを追求」,さらに高級店では「薬味で付加価値をつける」などである.

    009 美味しんぼ
    激戦!カレーバトル編
    熱闘!カレー大戦争編
    原作:雁屋 哲 画:花咲アキラ 小学館
    1999
    ISBN4-09-109213-6 C9479
    ISBN4-09-109219-5 C9479
    286円 蘊蓄
    食い物マンガの「美味しんぼ」でのカレーの段をまとめたもの.例によって蘊蓄の嵐が吹き荒れる.海原雄山の顔がでかでかと画面にあらわれ,そこに深刻な顔をした山岡一党の姿が並び,「カレー大戦争...!!」と来た日にはなんだか“とほほ”な気分になりかけるのだが,そんなことでめげてはいけない.いろいろな本を読んできたが,この本にしか書かれていない事柄もあるのだから.さすがによく調べてある.
     ちなみに,海原の出したカレーが日本インドカレー的なものであるのはおよそわかるのだが,山岡の出した蟹カレーがどんな感じのものなのかがわからない. むしろこちらを食べてみたいものだと思った.
     また,個人的には,一連の「大戦争」とは別に掲載されている“骨髄カレー” の方がより一層うまそうにみえるのであった.でも骨を手に入れて割ること自体が難しそうだ.

    008 美味しんぼ
    食欲増進!欲望のエスニック編
    原作:雁屋 哲 画:花咲アキラ 小学館
    2000
    ISBN4-09-109362-0 C9479 286円 蘊蓄
    アジア地域の料理の段をまとめた一冊.全般的に生のハーブを多用して味と香りを重層的に構成するものが多いようだ.いつかきちんと食べてみたい.あらためて眺めると,ハーブとしてどんな葉を食べているのかというのは国によってずいぶん違う.ただ,日本の場合にはそれらを複合して利用することはなさそうだ.ちなみに「エスニック」という言葉の解説はしてあるが「欲望の」というサブタイトルの意味は不明.

    007 別冊サライNo.10
    大特集 カレー
    ****** 小学館
    2000
    ****** 680円 蘊蓄
    レシピ
    本の冒頭に「絵で見る日本の原風景」として,日本橋の「印度風カリーライス」のペン画が示されている.確かにこういう店だった.内容としては,各界の人々がカレー体験について語っている部分が多い.したがって,主として日本の生活におけるカレーの位置付けをあらためることとなる.川本三郎さんの,文学や映画の中におけるカレーの記述採集などは珍しい.他に,会社員五十人が勧めるカレー屋100という企画もいろいろな地方に別れていてよい.

    006 chopstick! No.1 ****** フライングワークス
    2000
    ***** ***** 蘊蓄
    「食のサブカルチャー」を標榜している小冊子.あやしい輸入雑貨を扱っている店の片隅においてあったのをもらってきた.体裁は薄いが内容は濃い.最初に世界各国のカレーの簡単な写真入りの紹介があるが,最後に「エチオピアシチュー」が目を引いた.アジア地域の料理の本はたくさんあったが,アフリカの本は全くなかったので初めてみた. 山田五郎VS川勝正幸のカレー対談はかみ合っているのかいないのかよくわからないところがよいようだ.カレー相談室においては「カレーライスとライスカレーはどちらが正式なのか」の質問に対して「ライスカレーという言葉がすでに死語となりつつある」と切って捨てている.潔し.また,この冊子を出しているところで「インドメン」という即席カレー麺を企画して売出しているらしい.高城剛,女子高生モデル,リリー・フランキー,となんの共通点もない人々が試食をしている.この麺についてはインターネット上での目撃談もあるのだが,でもわざわざミラノで喰うのか.な ぜミラノなのか.謎は深まる.深まるが,解決しなくてもどうでもいいのであった.

    005 暮らしの設計 No.139
    ひと味違うカレー料理
    ****** 中央公論社
    1981
    ****** 1960円 蘊蓄 レシピ 店舗紹介
    語りの部分では,簡単なカレーの歴史と出自,日本における大衆化がある.また中村紘子さんのカレーエッセイも面白い.あまりに辛いと背筋が寒くなってしまうものらしい.また「インドの食生活」という1ページの解説には,インドの東西南北における食べ物の相違が記されている.

    004 世界の料理 インド料理 サンタ・ラマ・ラウ
    翻訳 江上トミ
    タイムライフブックス
    1974
    ***** 詳細不明 蘊蓄 レシピ
    「世界の料理」という一連のシリーズ本の一部らしい.古本屋で500円で手に入れたのだが,元の定価もわからない.元々は英語で「The Cooking of India(1969)」という本の翻訳.本書は2冊からなる.一冊は文字のみのレシピの記述であり,もう一冊は,祭や宗教などのインドの風俗にからめて料理を記述している(こちらにもレシピはあるが,主体は風俗の記述である).原著者はインド出身で,その後世界に住んだ経験がある.インドの風習や気候を解説してくれており,この本が書かれていた段階でも,やはり身分的な制度が現存していることがうかがえる.また,インドといっても北と南では相当に食べるものや食べ方が異なっているようだ.たとえば「インドでも北部の人たちは,南部の人たちが料理の中に手をすっぽり突っ込んで食べるのを途方もなく下品だという.逆に南部の人たちは,気難しい北部の人たちが,指の第一関節までしか食べ物に手をつけないのは愚かなことだという.」 日本以上に広い国土であるので,これは当然だろう.数十年前のインドの台所の様子もうかがえる.食器や銀箔など,インドの人々はどうして銀や銀色のものにこだわるのか,気になった.

    003 ニューマンスタイル vol.1
    食大特集 カレーはスパイスにこだわって作る.
    ******* 徳間書店
    1998
    ISBN4-19-710028-0 C9476 743円 レシピ 蘊蓄
    20代後半から30代の独身男性をターゲットにしているのではないかと想定される雑誌の創刊第一号で,これがカレー特集.カレーというのは「そういうもの」なのかもしれない.内容的には,大きな写真でサポートされたレシピと,過去の日本のカレー開発の歴史,そして東京でスパイスの手に入る店の大きな写真入り紹介(これは実は珍しい).5冊のみだが,スパイス関連の本の紹介もある.が,今のところほとんどが,このページには入っていないというのが泣けてくる.まだまだ仕事は半ばであろうことがよくわかる.日本の昭和に入ってのカレーの歴史について,実物の写真を踏まえての解説がある.芦屋雁之助の「インド人もびっくり」の写真,またモナカカレーの実物を自分はここではじめてみた.東海林さんのカレーエッセイも再掲されている.