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    レシピ中心書籍

    ここでは,特にレシピを中心とした文献を掲載しています.日本の家庭料理としてのレシピやインドの家庭料理としてのレシピ,あるいは専門店でお客に出すためのレシピまで,様々なものがあります.

    No. タイトル 作者 出版社
    初版年次
    ISBN番号 定価 種類
    内容要約と感想


    074 カレーの秘伝 これこそ我が家の家庭料理 ホルトハウス房子 光文社文庫
    1987
    ISBN-334-70537-5 C0177 380円 レシピ 蘊蓄
    アメリカの方といっしょになられて世界中に住んだ経験のある日本の女性が,日本人向けの手作りカレーの詳しいレシピを教えてくれる.インスタントの固形ルーは使わない.中身ではなくカレーそれだけでおいしい.とろみはソースで出している.特にインドカレーというわけではなく、この方の独特のカレーである.「カレーに固形ルーは不要」という説には私も賛同する.また,完成された製品である固形ルーで作ったカレーに工夫してなにかを入れても,バランスを崩してしまうのではないだろうか、と考える点も同様である.確かにカレー粉だけで作るとよほど出汁がうまく取れていないと食べにくいのかもしれないが、反対に考えれば,出汁がとてもうまければカレーもとてもうまくなるだろう.

    072 決定版 一流シェフがおしえるおいしいカレーの作り方 ****** ブックマン社
    1997
    ISBN4-89308-323-6 C0077 1800円 レシピ
    通常カレー専門店に出てくるようなメニューはさておいて,和洋中華の達人たちが創意工夫でカレーを使った献立を掲載してあり,ある意味で特殊な本.面白い.たとえば、「イワシのわた入りカレーソテー」「精進風グルテンカレー」「ゴーヤと納豆のカレー風味揚げ」「牛タンと大根のカレー」「マヨカレーレンコン」「ホタテのカレードレッシング」「若鶏とメルゲーズのクスクス カレー風味」「地鶏とリンゴのミルフィーユ カレー風味」という具合である.これに匹敵する本は、この中の熊谷喜八さんが独立して書いている本だけだろう.

    071 ウィークエンドクッキング22
    カレーとインド料理
    リンダ・フレイザー ピンポイント・扶桑社 1993
    (ソニー・マガジンズ 1996)
    ISBN4-594-01089-X C2077
    (ISBN4-7897-1222-2 C0076)
    1800円
    (1500円)
    レシピ
    作り方の写真がきれいな本.カレーだけで はなくて,インド料理のいろいろなものを 解説してくれている.あれだけ広い国なので詳しくみていけばもちろんきっと まだまだあるだろうとは思うのだが,しかし本当にいろいろな食材の組み合わせが あると感心する.しかし,一方で中国のような「こんなものを食べるのか?」的な モノは紹介されていない(まあこの本では当たり前か).具体的には、はじめに いくつかのミックススパイス類(ナッツマサラ、タンドーリマサラ、ムルグマサラ, ガラムマサラ等)のレシピがあり,次にそれらを使った料理が並ぶ.ラム・ティッカ, ラム・コーマ,ロールキャベツ(これはおもしろいかも)など,全部で100種類. ピクルスという概念の料理が,柑橘類の汁をかけた野菜,というものになっている 印象もある.またフルーツサラダに黒胡椒というのはどういう取り合わせかと思う. ただ,ほぼ全てが3枚の写真で表されているのだが,これが必要十分か否かは実際に 作ってみないとわからないだろう.
    #この本は元は1989年発行のロンドンの本らしく,当初日本では発行ピンポイント/ 発売扶桑社というかたちでハードカバーで出版されていたが,後になってソニー・マガジンズからソフト表紙で再版されている(かつ安くなっている).ただし内容と縦長の判型は変わらず,異なるのは表紙の写真のみである.ダブって買ったもののみが悟れるこの真実.

    070 ザ・スパイス ナヴィ インターナショナル 大泉書店
    1997
    ISBN4-278-03731-7 C0077 1300円 レシピ スパイス解説 スパイス店舗紹介
    スパイスのいろいろな形態を写真におさめてくれてい るので,普段知っているつもりのスパイスが実際にはどんな形であるのかを教えてくれる.レシピとしては,カレー以外のものが多く,パエリア・ブイヤベース・バーベキューやソーセージ,あるいは焼きリンゴ・スパイスティーといったものが並ぶ.

    068 dancyu 1997年2月号 金のカレー銀のカレー ****** プレジデント社
    1997
    ****** 830円 店舗紹介 レシピ
    特集冒頭,いきなり東海林さんの「味噌カレー」が炸裂する.「日本人はカレー好きである.日本人は味噌好きである.ならば世の中に味噌カレーがないのは」おかしいことか?という気もしたが,新しいなにかを開発するその姿勢はすばらしいと私は思う.結果としては,最初はカレー粉が強烈なので味噌の風味を消してしまうのだが,桜味噌というもの(塩分が少ない)を加えてみたら,ご飯にかけるととても合うものができあがった.他にも「温泉卵のカレーソース」「タイカレー入りのたらこペースト」がある.さらに別なところでは大きな写真で懇切丁寧に欧風カレーとベジタリアンカレーの作り方を説明している.野菜カレーは自分でも作るがこんなにきれいにならないものだ.あとは,レシピというわけではないが「底なしカレーワールド」潜入記として,納豆カレーやイカ墨カレー,インドカレーたい焼き,などのある意味“きわもの”を食べた感想を記してある.まあなんでもカレーならうまいものだろう.

    067 dancyu 1998年7月号 カレー自由奔放 ****** プレジデント社
    1987
    ****** 860円 レシピ 店舗紹介 エッセイ
    前半はジョイさん一家がアウトドアでカレーを作るところ.屋外で楽しそうにカレーを作っているのだが,その土地の市場で売られている野菜や鯉を使ったカレーがなんともうまそう.藤原新也氏が駒ヶ岳の麓にある名店「アンシャンテ」の様子を書いてくれているが,それはさておき,本当にインドで玉ねぎを10時間も炒めて料理を作っているのか,どうも気になった.そういう人も居るのかもしれないが,いくらなんでもインド人がみんな24時間中10時間(2食と考えれば20時間だが)を玉ねぎ炒めに費やしているわけではなかろうという気もする.いろいろな料理があるということだろう.

    066 dancyu 2000年7月号 今世紀最強 熱いぜ!カレー ****** プレジデント社
    2000
    ****** 860円 店舗紹介 レシピ
    お三方の語りと蘊蓄と店舗紹介はさて置いて,レシピとしては,東京ヘルシー館の野菜カレー(豆の醗酵物テンペを使っていた),平松陽子さんの家庭でのスパイスカレー(スパイスライスの作り方もあり)がある.いずれも力強さがあるカレーだ.また,よく読むと,対談のところに嵐山光三郎氏のカレーのレシピが語られているのだが,いかにも「らしい」作り方でまたうまそうだ.

    065 dancyu責任編集 男のクッキング ****** プレジデント社
    1999
    ISBN4-8334-7010-1 C9477 1200円 レシピ
    全てがカレーの特集というわけではないが,カレーの占める比重は低くない.王様森枝さんのインドカレーはためしてみたくなるし,大林宣彦監督の大根おろしカレーはいいアイディアのような気がする.壇太郎さんの野菜カレーの工夫には納得する.

    064 NHK男の食彩 2000年7月号(No.63) ****** 日本放送出版協会
    2000
    ****** 690円 レシピ
    中ほどにカレーの小特集があり,基本スパイス,野菜のカレー,豆のカレー,チキンカレーのレシピ等がある.基本的なもの.

    063 本格カレーを作ろう ナヴィ インターナショナル編著 ナツメ社
    1998
    ISBN4-8163-2461-5 C2077 1300円 食材 レシピ 歴史蘊蓄
    スパイスや食材の写真,アジア各国の各食材のカレーレシピ,簡単なカレーの歴史など,これ一冊で総合的な内容を誇る.「スパイスと食材の相性チャート」は珍しい.

    062 おいしさと健康 ハーブ&スパイス 料理とお菓子 有元葉子 グラフ社
    2000
    ISBN4-7662-0564-2 C9477 1000円 レシピ
    スパイスを利用した料理全般.カレーのイメージはむしろ低い.

    061 アジアひとさじのチカラ 平松洋子 雄鶏社
    2000
    ISBN4-277-66141-6 C0077 1200円 レシピ 蘊蓄 エッセイ
    エッセイと写真とレシピの混在で構成されるアジアのご飯の 立体記述.まことにうまそう.

    060 王様のキッチン カレーの神髄 ****** 河手書房新社
    1996
    ISBN4-309-95502-9 C9477 1200円 レシピ 蘊蓄 店舗紹介
    有名店の代表的なメニューのレシピを事細かに写真入りで解説している.で,その冒頭が「志摩観光ホテルの伊勢エビカレー」というのだから大変で“これを教えられて,私にどうしろというのだ”という気になってくる.次が「新宿中村屋のチキンカリー」,「大阪堂島のオリムピックのセイロンカレー」,「代官山小川軒のインドネシアカレー」,「京橋ドンピエールの欧風カレー」,最後に「南青山の志度のドライカレー」である.いずれも大変な手順を経て作られているとわかるのだが,しかし店によってこだわる部分が変わっているようだ.さらに,「六本木のラージマハール」のインド宮廷カレー,「南青山のビンディ」のインド家庭カレー,「恵比寿のアジャンタ」の南部のカレー,「渋谷のナマスカ」のベジタリアンカレー,といったレシピがたくさんある.また,後の段には「まかないカレー」として,通常は店のメニューには出ないカレーメニューのレシピがある.それも「焼肉」「和食」「イタリア」と,一見カレーと無関係に見えるお店である.また,熊谷喜八さんが市販のカレールーを利用した自分流儀のカレーのレシピを教えてくれる.レシピという面において,相当に盛り沢山の内容である.

    059 王様のキッチン カレー新発見 ****** 河出書房新社
    1998
    ISBN4-309-95515-0 C9477 1143円 レシピ
    有名店のレシピを掲載している.また,東京で食材の手に入るお店も二軒載せている.東京近郊で手に入るカレー関連の食材とその連絡先も.

    058 壇流エスニック料理 壇 太郎 中公文庫ビジュアル版
    1995
    ISBN4-12-202402-1 C1177 700円 レシピ
    壇さんがアジアの料理を自家流にアレンジして?写真と共に紹介してくれる.本当に食いしん坊なのだなあと思う.

    057 Cooking CONNIE PART1 9 カレー・シチュー ****** 学研
    1983
    ****** 600円 レシピ
    10代の女の子向けの料理手ほどき書なれども,あだおろそかにすまじ.全て具がフルーツのみの「フルーツカレー」の発想は半端ではないぞ.ひょっとしたらうまいかもしれない.本格チキンカレーは本当にうまそうだ.がそのまま作ると味が多少薄かろう.

    056 専門医が教える
    体にやさしいハーブ生活
    橋口玲子 幻冬社
    2000
    ****** ****** スパイスハーブ紹介 レシピ
    薬膳としてのハーブ・スパイスの利用法についてスパイスの紹介と利用レシピ(お茶が多い)で語っている.巻末にハーブショップリストもある.

    055 SPICES 実用版スパイスブック ****** 山と渓谷社
    1996
    ISBN4-635-58023-7 C0077 2060円 スパイス紹介 レシピ
    スクリューパインとかマーラブとかニゲラとかアサフェティダとかパラダイスグレインとか,この本で初めて見るスパイスがいくつもあるのだった.この世界はまだまだ深いとわかる.

    050 オレンジページ MiNiMiNiBOOk
    カレー
    ****** オレンジページ
    1998
    ISBN4-87303-001-3 C9477 190円 レシピ
    小さな本で,11種類のカレーのレシピが載っている.

    049 元気になるスパイスクッキング 高山なおみ メディアファクトリー
    1998
    ISBN4-88991-643-1 C2077 1400円 エッセイ レシピ
    一ページの小さなエッセイをはさんでレシ ピが並ぶ.アジア(と言っても海沿いばかりではない)のイメージのある料理がたく さん並んでいる.エッセイを読みつつ進んでゆくと不思議な雰囲気になる.

    048 素敵ブックス
    スパイスの知識と料理
    有元葉子 グラフ社
    1997
    ISBN4-7662-0445-X C9477 1500円 スパイス紹介 レシピ
    前半にスパイスの紹介があり,後半にレシピ.最後に「日本のスパイス」と して日本で昔からつかわれてきたスパイスを示している.ちなみに,高橋はこ の「日本のスパイス」だけをつかって「純粋日本カレー」が作れないかどうか考えている.とりあえず考えているだけである.

    047 インド料理 ダイエット・レシピ集 ロイチョウドゥーリ・ジョイ
    ロイチョウドゥーリ・邦子
    スパイク
    1998
    ISBN4-89621-278-9 C0077 1400円 レシピ 蘊蓄
    「ダイエット」という観点からインド料理を紹介している.バランスよくいろいろなものを食べ,リズムを崩さず,スパイスで体の調子を調整していく,ということのようだ.ごもっともである.どうでもいい事だが,日本人も別に食事中に積極的に水を飲んでいるわけではないと思うんだけどなあ.食堂にいったら出てくる,というだけの話で.

    046 スパイス塾
    50のスパイスと100のレシピ
    武政三男 園田ヒロ子 グラフ社
    1998
    ISBN4-7662-0508-1 C9477 1000円 スパイス紹介 レシピ 蘊蓄
    スパイス一つについて2種類程度のレシピが掲載されている.レモングラスが2種類に分類される事はこの本で初めて知った.

    045 料理上手のスパイス50 武政三男 園田ヒロ子 日本文芸社
    1997
    ISBN4-537-01867-4 C0077 1400円 スパイス紹介 レシピ 蘊蓄
    基本的に上の本と似ているが,こちらの方 がより詳しい.特にスパイスの特性まで化学的に(それほど難しくなく)書いてある.

    044 インド スパイス料理 レヌ・アロラ 柴田書店
    1991
    ISBN4-388-05659-6 C2077 3800円 スパイス紹介 レシピ
    インド出身の方が生活の中の視点でスパイス解説とレシピを記している.力作.上の武政さんの記述と比較してみると面白い.

    043 アロラさんのスパイシーベジタブル料理 レヌ・アロラ 柴田書店
    1995
    ISBN4-388-05759-2 C2077 1800円 レシピ 蘊蓄
    ベジタリアンという視点からインド料理を解説している.肉や魚をつかわない,という事なのだが,当然食材はまだまだたくさんあるので制約は感じられない.また,飲物が4種類あるのがうれしい.

    042 森枝卓士のカレー・ノート 森枝卓士 雄鶏社
    1995
    ISBN4-277-66126-2 C0077 1600円 エッセイ レシピ
    王様森枝さんの興味と経験から得られた各種カレーのレシピがそれにからんだエッセイと混在している.食べ物は文化の一端なのだということがよく分かる.

    039 アジア・キッチン旅行 高崎 篤 徳間文庫
    1998
    ISBN4-19-890925-3 C1072 857円 旅行エッセイ レシピ
    食いしん坊の方々が「現地でその土地の材料をつかって自分で料理をする」という,夢のような行動を実践した,その過程と結果を楽しいエッセイとレシピにまとめている.レシピは,その場で作ったものを主として文章で記述してある.韓国では「ナムル」「ジョン」「白菜キムチ」「ズンドゥブチゲ」,香港では「エビと豚肉のシュウマイ」「菜心の炒め物」「シャコのピリ辛揚げ」「クレソンのスープ」「とこぶしのにんにく風味蒸し」,バンコクでは「トムヤムクン」「牛肉のサラダ」「タイ風あさりの炒め物」「豚挽き肉入りタイ風オムレツ」「鶏のグリーンカレー」,サイゴンでは火が使えなかったため「生春巻」,そしてバリでは「鶏の唐揚げ」「鶏のスープ」「サラダ」「インドネシア風焼きそば」「赤玉ねぎの揚げもの」などである.各章末に,こうした自炊旅行をするための土地によるコツも記してある.また巻末には各国の言葉で必要な用語が書かれているという至れり尽くせりの丁寧さ.

    037 料理と食シリーズ No.3 カレー カレー料理 ****** 旭屋出版
    1993
    ISBN4-7511-0067-X C9477 1748円 店舗紹介 レシピ
    仙台・東京・名古屋・大阪・福岡の各都市における有名カレー屋さんが紹介されている.さらにそれらの一部のお店の代表的なメニューのレシピが載っている.六本木「ラージマハル」のチキンカレー、たいめいけんの「ポークカレー」、銀座ナイルの「チキンカレー」、自由が丘チャオプラヤーの「グリーンカレー」、麹町アジャンタの「挽き肉カレー」、渋谷いんでいらの「元祖えびめし」、銀座ニューキャッスルの「辛来飯」、名古屋若鯱家の「カレーうどん」、京都四条河原ケララの「ムルカマカンニ」などなど。同じ「チキンカレー」という名前でも実にいろいろあるものだと思う。また、「肉」「魚介」「野菜フルーツ」「ドライ」「各国風」「面白」「カレー料理」の各内容について、メニューを選んでまとめてある。

    036 料理と食シリーズ No.26 ハーブ料理 スパイス料理 ****** 旭屋出版
    1998
    ISBN4-7511-0121-8 C9477 1800円 店舗紹介 レシピ ハーブ・スパイス紹介
    各地のハーブガーデンの紹介とそのメニュー,有名店のレシピ,世界のスパイス料理の地域別紹介等,盛りたくさん.スパイス料理でカレー以外を扱っている.

    035 料理と食シリーズ No.28 カレー ハヤシライス オムライス ****** 旭屋出版
    1998
    ISBN4-7511-0128-5 C9477 1800円 店舗紹介 レシピ 蘊蓄
    基本的に「洋食」というスタンス でとらえている印象(最初の方にはインド系・アジア系もある).例の伊勢海老カレーのレシピが掲載されているのに驚く.日本のカレーの歴史が簡単にまとめられているのも面白い.

    034 初めてのハーブとスパイス ****** SSコミュニケーションズ
    2000
    ISBN4-8275-4066-7 C9477 1000円 ハーブ紹介 レシピ
    ハーブの種類一つにつき1種類程度のレシピが掲載されている.食べ物ばかりではなく,キャンドルなどの応用品もある.ハーブの育てかたも.

    033 日曜日の遊びかた 森枝卓士の「カレー三昧」 森枝卓士 雄鶏社
    1989
    ISBN4-277-81206-6 C0077 1200円 蘊蓄 レシピ
    最初に自作のカレーを手にした筆者と,次に各国のカレーの写真がある.どれもうまそうだ.日曜日に作る「男の料理」という感じである.レシピとしては,「インド式カレーの基本パターン」として,玉ねぎの処理,スパイスのブレンドなどから始まる基本のレシピ,タイの赤カレー「キェーン・ペット」,マレーの「サンバル・ゴレン」,同じくマレーのタマリンド風味の「アッサム」,簡単にではあるがイギリス(オーブンで焼く)・フランス(カレーソース)・和風のレシピ,他にはチャパティ・プーリー,そしてチャツネ類である.インディカ米の炊き方についての一節もある.全般的に文章で説明しており,図や写真はほとんどない(さし絵はあるが).途中に各カレーのスパイス配合表があるのが最も特徴的であろう.

    032 カレー読本 とっておきの自慢の味 中公文庫編集部 中公文庫ビジュアル版
    1997
    ISBN4-12-202903-1 C1177 781円 レシピ
    各界のカレー好きが自分流のレシピを披露してくれている.有名店のレシピもある.ルーを使ったシーフードカレー,ココナツミルクを煮込むタイカレー,熟した柿を入れているベジタブルカレー,こんにゃくカレー,ステーキカレー,英国流ビーフカレー,旅先で食べたインドカレー,ムガールチキンカレーなど,一癖ありそうなうまそうなレシピが並び,そして特に気になるのは宮脇壇さんの「ブータンカレー」である.「ブータンは世界でもっとも辛い料理の国.その辛さといったらタイの比ではありません」という記述はここ以外に見ない.写真で見るそのカレーは灰緑色をしていて確かに相当に辛そうだ.ほかには「たいめいけん」「帝国ホテル」「神田まつや」の各々の代表的なカレーレシピが掲載されている.最後には,大王森枝卓二氏が「簡単タイ風カレー」「簡単インド風チキンカレー」「マレーシア風揚げ卵カレー」を紹介している.さすがに森枝さんのこの3種が手間と味のバランスがよさそうに思える.

    031 アジア「カレー」紀行 高野たけし 東京書籍
    1997
    ISBN4-487-79284-3 C0077 1500円 エッセイ レシピ 写真
    全体として会話形式のエッセイ表現だが,レシピとしてはタイの「ケーン・ペッ・プラー(アジの赤カレー)」,「ケーン・キャオワン・カーイ(鶏肉のグリーンカレー)」,インドの「パレク・パニール(ほうれん草とチーズのカレー)」,「チキン・ビリヤーニ(鶏の炊き込みご飯)」,ネパールの「ダル・バート(ネパール式カレー定食)」,シンガポールの「フィッシュヘッド・カレー(タイのお頭入りカレー)」,ミャンマーの「カオ・ソイ(カレーラーメン)」,モルディブの「モルディブ・フィッシュ・カレー(カツオ入りカレー)」である.どの写真も実にうまそうにみえる.

    030 はじめてのインド料理 ミラ・メータ 文化出版局
    1996
    ISBN4-579-20536-7 C5077 1480円 レシピ 蘊蓄
    インド料理の総合解説本入門編,というところだが,メインはレシピである.はじめに基本スパイス13種類(ベイリーフ,黒胡椒,カルダモン,サフラン,シナモンスティック,クミンシード,赤唐辛子,コリアンダーパウダー,ターメリックパウダー,クミンパウダー,レッドチリパウダー,黒胡椒パウダー,ガラムマサラ)が示されている(しかしガラムマサラって混合スパイスだよな).「カレー」と命名されているものは「チキンカレー」「ヨーグルトチキンカレー」「挽き肉とグリーンピースのカレー」「ビーフカレー」(!)「ラムカレー」「エビカレー」「野菜カレー」「ほうれん草とチキンのカレー」「カボチャのカレー」「赤インゲン豆のカレー」など.他には炒め物として「じゃがいものとグリーンピース」「インゲンとじゃがいものココナッツ味」「オクラ」「茄子とピーマン」「モヤシとキノコ」「大根と大根の葉」「かぶとグリーンピース」「小松菜と鶏肉」など.他にはピラフ,お粥,チャパティ,サモサ,そして「カチュンバル」と呼ばれる各種のサラダ類,ヨーグルトを加えた「ライタ」,そしてコリアンダーを使った「グリーンチャツネ」,飲み物として「ラッシー」「お茶」,デザートで「シュリカンド」「キール」「ニンジンの甘い煮物」などが挙げられる.いろいろあるものだとあらためて感心する.

    029 もっと食べたいインド料理 ミラ・メータ 文化出版局
    1998
    ISBN4-579-20626-6 C5077 1600円 レシピ 蘊蓄
    上記本の続編で,さらに多くのレシピが掲載されている.こちらにもやはり家庭療法も載っている.本として特筆すべきは,すべてについて日本語と英語の両方の表記があり,英語表現の勉強もできるところ.大学の初級英語のテキストなどにいいかもしれない(日本語訳がすぐ横にあるけど).レシピとしては,軽食である「ナシタ」(中華料理でいう飲茶のようなものか)を中心に説明してある.カレー類以外で珍しいものでは,「キャベツライス」「にがうりの炒め物」「さつまいもコロッケ」「きゅうりとピーナツのカチュンバル(酸っぱいサラダ)」「フルーツチャット(フルーツにスパイスをかける」「クルフィ(冷たいケーキ)」「カボチャのハルワ(マッシュしたデザート)」などがある.いずれも軽食というには多少重い気もするが,うまそうなことに変わりはない.

    028 熊谷喜八 スーパーカレー 熊谷喜八 学研
    1998
    ISBN4-05-400905-0 C0077 1456円 レシピ
    アフリカの日本大使館での料理経験がある筆者が,スパイスを使った種々のレシピを紹介している.普通のカレーのレシピもさることながら,この本の白眉は筆者のオリジナルレシピ「無国籍カレー」の群であろう.たとえば,「豚肉と野菜のモロッコ煮」「魚とクスクスのセネガル風」「マーボーカレー」「キーマカレーと卵のオーブン焼き」「えびチリ卵」「たたきえびの湯葉はさみ揚げ」「ひき肉カレー+きりたんぽ」などで,いずれも他の本にはないアイディアを秘めている.

    027 レシピノート カレー&エスニック ****** 主婦の友社
    1996
    ISBN4-07-218667-8 C9477 780円 レシピ
    表紙に「わたしと彼の」と入っている一事からわかるように,若者向けのカレーレシピの解説書.そのためか,写真がかなり懇切丁寧で,鍋にしゃもじが入った「今まさにこれは調理中なのです」状態の写真が多い.これなら「わたし」でもなんとかなるのではないだろうかと幻想を抱かせる.最後の方には,タイ料理の特集(トムヤムクン,白身魚の蒸し煮,焼きなすのサラダ,あさりのとうがらしいため(イタリア料理のようだが))以外にも,カンボジア(しし唐がらしの牛肉巻,ほたて貝の酸っぱいスープなど)・ベトナム(蒸し粉春巻,えびの酒蒸しなど)・インドネシア(サテ,フライドチキン,半月卵のサンバルソース揚げえびのパイナップル炒めなど)・韓国(キムチの卵串焼き,豆腐キムチ,キムチチゲ,明太子鍋など)のスパイス料理も載っていたりする.

    025 ハウスポケットライブラリー2
    唐辛子遍路
    ****** ハウス食品
    1989
    ****** 600円 蘊蓄 レシピ
    ハウス食品が発刊しているポケットライブラリーの一つで,唐辛子というスパイスの一つに集中してさまざまな事柄を語っている.唐辛子の歴史,栽培農家の様子,アジアの唐辛子事情をめぐる対談,唐辛子の科学的考察,唐辛子をめぐる文化,そして世界各国(中華・タイ・インド・ハンガリー・スペイン・ガーナ・ペルー・トルコ)のレシピである.カレーをめぐるなかで,こうした一つのスパイス軸からの視点も面白い.レシピとしては,中華の「宮保生蠣(かきの辛味炒め)」「麻婆豆腐」「マナガツオのぴり辛煮」,インドネシアは「サンバル・ゴレン・ウダン(えびの辛味ココナッツミルク煮)」,カンボジアは「プレー・コー(生牛肉のサラダ)」,タイは「ゲーン・ガイ(鶏肉のカレー)」,インドは「ムルグ・カリー(鶏肉のカレー)」.ベトナムは「ブン・ホー(牛肉麺)」,ハンガリーは「グラーシュ(牛肉のパブリカ煮込み)」,ガーナは「ペパースープ(唐辛子スープ)」,ペルーは「セビッチェ(魚介の辛みマリネライム風味)」,メキシコは「ポージョ・エン・アドーボ(若鶏のアドーボソース)」,トルコは「ピレゾラ・ビベル(骨つきラムの唐辛子ソース)」などである.この本のオリジナルレシピとしては「チリすいとん」「ぴりぴりスペアリブ」「デビルドチキン」(チョコレートソースを絡める)「ハレア・デ・チレ」(唐辛子ゼリー)などがある.

    019 スパイスの本 スパイスの本 婦人画報社
    1961
    ****** 1200円 スパイス紹介 蘊蓄 レシピ
    前半がスパイスの解説で,後半にそのスパイス群を使ったレシピが挙げられている.基本的に文字だけであり,懇切丁寧というわけではない.オードブル,スープ,カレー料理,ソース,煮込み料理,焼きもの,炒めもの,サラダ,揚げもの,ご飯,和風の薬味,漬もの,お菓子,飲みものとお酒,という分類で(はなはだ簡単に)各々数種類のレシピが挙げられている.また,C&Bのカレー粉がアメリカとイギリスでずいぶん違う,というのは確かに言われてみればそのとおりかもしれないが,気がつかないものだ.

    018 お料理1年 おかずぐみ 11 カレーぼー ****** 千趣会
    1994年
    ****** ****** レシピ
    子供向けのカレーレシピ集.カレールーを使ったカレーの作り方が10種類.写真があって丁寧.内容としては甘口と辛口の「2色カレー」「挽き肉カレー」「シーフードカレー」「ベジタブルカレー」など,普通である.子供向けなのだが,なぜか最後に「カレーに合う飲み物」の欄で「レモンビール(ビールにレモンを入れたもの)」があるのが謎といえば謎.確かにうまかったけど.トッピング・薬味がたくさんあって,食べさせる方法の一つだということはよくわかる.チーズ,ラッキョウ,福神漬け,ピクルスなどのほかに,紅しょうが,フライドオニオン,ローストアーモンド,ポテトチップス,ピーナッツ,玉ねぎの酢漬け,など.

    017 素敵ブックス カレー大全科 浜内千波 竹内富貴子 グラフ社
    2000
    ISBN4-7662-0582-0 C9477 1300円 レシピ 謎の蘊蓄
    家庭料理用のレシピ集.最初のレシピこそスープストックを取って作るカレーを紹介しているものの,次からはなぜか「ハウスの諸カレールー」を使ったレシピが並ぶ.そういう本らしい.一応カレー粉も自家製にするべくレシピがあるが,配合比率も示されていないようだ.メニューとしては「チキンカレー」「さいころステーキカレー」「ラタトゥイユ風カレー」「えび団子と野菜カレー」「白身魚とじゃがいも団子のカレー」「ハンバーグカレー」と,家族むけにいかに飽きないで食べさせるか,という印象のレシピである.

    016 料理百科 01 特集 カレー ****** 柴田書店
    1997
    ISBN4-388-80519-X C9477 1000円 レシピ 店舗紹介
    作る側・経営する側からの視点で編集されている「料理百科」シリーズの,創刊号にして第1回カレー料理特集.有名店の基本カレーメニューのレシピ,基本のカレールーをどのように使い回すか,など普段我々素人があまり気にしない側面からの記述が連なる.我等素人も一読損なし.レシピ面では,巻頭に銀座「資生堂パーラー」の「ビーフカレーライス」がルーとベースソース別に掲げられている.次が「青山アクバル」の「ほうれん草カレー」,赤坂の「タージ」の「豆カレー」,高田馬場の「ラージプート」の「マトンカレー」,阿佐ヶ谷の「ピッキーヌー」の「レッドカレー」,神田の「松栄亭」の「カレーライス」,あるいはニューヨークの「ペナン」の「チキンカレー」など,全方位に展開したレシピが挙げられている.その他に,業務用のカレールーを使いまわして和風のメニューを展開させる.カレー南蛮の解説もある.

    015 料理百科 33
    特集1 カレーライス ハヤシライス オムライス
    ****** 柴田書店
    1999
    ISBN4-388-80567-X C9477 1000円 食材紹介 レシピ
    今回は洋食の中のカレー,しかもカレーといってもルーではなく,「トッピング」に注目した特集を組んでいる.人気店のさまざまなトッピングが紹介されており,お客をいかに飽きさせないか,という視点からのさまざまな工夫が伺える.例としては「ほうれん草と卵」「揚げ野菜」「オムレツ」「しょうが焼きと生卵」「チキンテリヤキ」のレシピが挙げられ,また写真で「とんかつと目玉焼き」「チキンのから揚げ」「仔羊のロース」「コーン」「ほうれん草とチーズ」「キャベツの丸煮込み」「活トコブシ」「麦いか」そして最後に「納豆」と来る.それとは別に「小規模飲食店の経営基礎技術」という連載の「一つの商売の周期は成長をはじめてから20年」という指摘はなるほどと思った.とにかくこの雑誌は,素人にはどこをよんでも面白い.

    014 料理百科 43 特集1 エスニック料理 ****** 柴田書店
    2000
    ISBN4-388-80581-5 C9477 1000円 食材紹介 レシピ 店舗紹介
    料理玄人相手の月刊誌の「エスニック料理」特集.やはり有名店のメニューのレシピと,いかにして客を集めるか,という視点からの記事が続く.レシピは中野のタンドール「具だくさんの野菜カレー」,恵比寿「シャンプライ」の「ソムタム パクブン(青いパパイヤの辛子あえサラダとタイ料理)」,世田谷の「リトルサイゴン」の「生春巻」,道玄坂の「アンカラ」の「ドネル・ケバブ」,沖縄料理まで含めており「リトル沖縄」の「ゴーヤチャンプルー」など.また,作り方は載っていないが「アジアの麺」が写真入りで6種類掲載されている.どれも実にうまそうにみえる.

    013 いつものおかず 定番Cooking 8
    カレーライス・ハヤシライス
    ****** 千趣会
    1995
    ****** ****** レシピ
    家庭料理ということで,市販のルーやカレー粉を使ったカレーのレシピがいくつかある.ビーフ,ポーク,ベジタブル,など,一般的.後半にはサモサやナンの作り方と,最後にエスニックという形で赤カレーとタイ風カレーと緑カレーの作り方がある(簡単に).全般的に大きなサイズであるため写真がきれい.特筆すべきは,ライスのバリエーションが簡単ではあるが掲載されている点であろう.サフランライス,ターメリックライス,バターライス,トマトライス,ガーリックライス,レーズンナッツライスの6種類である.

    012 体によく効くスパイス&ハーブ活用事典 ハーブ・香辛料研究会編 池田書店
    1999
    ISBN4-262-12841-5 C0077 1300円 スパイス・ハーブ紹介 レシピ 蘊蓄
    スパイスという よりも,香りやくせのある食材全般について紹介している.特に「葱類」の分類・記述に詳しい.基本的には各食材の「薬効」の紹介とそれを目的としたレシピが多い.スパイス紹介がメインで,レシピは見開きの左側に文字とイラストで掲載されているのみである.

    011 ハーブ&スパイス料理 ****** 池田書店
    1998
    ISBN4-262-12827-X C0077 1300円 ハーブ紹介 レシピ
    ハーブを中心とした紹介とレシピ.食べるばかりではなく,暮らしの中にハーブを取入れるクラフトやポプリ,ソープ,またハーブの育てかたまで言及している.「バジリコペーストのパスタ」「生春巻」「青じそとスモークサーモンの酢の物」などや「パインのヨーグルトムース・ミント風味」などのデザートもある.和洋中華を問わない本.

    010 新・儲かるメニュー カレー ****** 柴田書店
    1985
    ISBN4-388-00776-5 C2377 2570円 店舗紹介 レシピ 食材紹介 蘊蓄
    これからカレー屋をはじめようという人にもってこいの一冊.柴田書店なので,視点は食べる側ではなく作って食べさせて生活を成り立たせる側からの記述である.冒頭,有名店舗のメニューがずらりと写真で並んでいるのを眺めているのがとてもカラフルで,実際に世間にどんなカレーがあるのかがよくわかる.基礎として<日本風カレー><インド風カレー><欧風カレー>および<ナン,チャパティ>の写真入り説明がある.各店舗のレシピの説明は主として文章で行われている.

    007 別冊サライNo.10 大特集 カレー ****** 小学館
    2000
    ****** 680円 エッセイ 蘊蓄 レシピ
    各界の人々がカレー体験について語る.エッセイが多いが,レシピという側面では,明治のカレーレシピ集として,明治時代の各種西洋料理本からカレーに関連するところを抜き出して解説している.この非常に初期の段階から,すでに「小麦粉を入れてとろみを出す」という内容がほぼ全てのレシピに記載されている(例外あり).材料としても「綿羊の冷残肉」「鶏,海老,鯛,蛎,赤蛙等」「兎」「コールドミートの細片」「鱸」などがあり,また「カレーの味噌汁」「万年カレー」「乾燥カレー」など謎のメニューもある.

    005 暮らしの設計 No.139 ひと味違うカレー料理 ****** 中央公論社
    1981
    ****** 1960円 蘊蓄 レシピ スパイス紹介 店舗紹介 エッセイ
    まず基本の作り方?が5種類(フランス風,イギリス風,インド風チキンとラム,即席ルーを使ったパイナップルカレー),またお惣菜のカレーとおもてなしカレーがいくつか.よく眺めると,確かに「ひと味違う」メニューの レシピが多い.さざえカレーはわたを裏ごしして入れると言うこくの出しかただし,わかさぎのカレー炊き込みご飯はなんとなく茫然とした.ピーマンの詰めもの料理の全体をカレーで煮こんでしまうというのも,言われて初めて気がついた.山菜カレーもいけそうだ.だがなんといっても,「カレー凍鶏(とんちー)」に尽きる.カレー風味の冷たい煮こごりなのだが,こんなものカレーという範疇では考えたこともなかった.変わったカレー料理を作ってみたかったらこの本は外せない.
     このシリーズには他にも218号で「カレーの本」,193号で「壇流おかず100選」がある.

    004 世界の料理 インド料理 サンタ・ラマ・ラウ
    翻訳 江上トミ
    タイムライフブックス
    1974
    ****** 詳細不明 蘊蓄 レシピ
    「世界の料理」という一連のシリーズ本の一部らしい.古本屋で500円で手に入れたのだが,元の定価もわからない.元々は英語で「The Cooking of India(1969)」という本の翻訳.本書は2冊からなる.一冊は文字のみのレシピの記述であり,もう一冊は,祭や宗教などのインドの風俗にからめて料理を記述している(こちらにもレシピはあるが,主体は風俗の記述である).レシピはたくさんあり,たとえば「自家製チーズとグリンピースのカレー煮」「ラージマ・ダルのトマト入りカレー煮」「蛤のカレー蒸し煮」「豚肉と臓物のマサーラ入り酢漬け煮」,また,ライタだけでも6種類,等々というぐあいで実にインドしている.また,単なるレシピというよりも,食材の扱い方から始まる.「ココナッツを買うときは,まず振ってみて,汁がいっぱい入っているかどうかを確かめる」とあるので,買う機会があるときはぜひそうしてみよう.また,マサラを練って作っている写真があるのも珍しい.ただ,著者が記しているように「いくつかの例外はあるが,人口の約80%を占める農村の人たちの毎日の食べ物には触れなかった」ということらしい.

    003 ニューマンスタイル vol.1 食大特集 カレーはスパイスにこだわって作る. ****** 徳間書店
    1998
    ISBN4-19-710028-0 C9476 743円 レシピ 蘊蓄
    20代後半から30代の独身男性をターゲットにしているのではないかと想定される雑誌の創刊第一号で,これがカレー特集.カレーというのは「そういうもの」なのかもしれない.内容的には,はじめにスパイスの簡単な解説,大きな写真でサポートされたレシピと,過去の日本のカレー開発の歴史,そして東京でスパイスの手に入る店の大きな写真入り紹介3店舗(これは実は珍しい).レシピについては,スパイスを使って味を出すもので,チキンとほうれん草のカレー,ヴェジタブルカレー,揚げアジのカレー,ビーフカレー,エビのグリーンカレーなどである.さらにつまみとしてシシカバブ,タンドリーチキン,ブイヤベースなど.

    001 ピリッ辛料理 吉田勝彦 他 主婦と生活社
    2000
    ISDN4-391-61069-8 C9477 1200円 レシピ
    「辛いスパイス」を使った「ぴり辛」料理を 紹介している.唐辛子およびそれ を使った加工調味料を中心に,胡椒,わさびまで 触れている.国としては中華・韓国・インド・イタリアなどだが,もはやあまり国籍は 関係なさそうだ.内容としては,定番の麻婆豆腐,エビのチリソース,鶏だんごとカボチャのグリーンカレー,魚介のトムヤム,白菜キムチ,が挙げられている.また,辛味素材によるメニューもある.赤青唐辛子,豆板醤,ラー油,チリソース,コチュジャン,キムチ,カレー粉,ワサビ,マスタード,胡椒,山椒といったもので各々レシピをあげている.また,各種たれと酒のつまみもある.